英国ロイヤル・オペラ『運命の力』公開

ロンドンで熱狂を巻き起こしたネトレプコとカウフマンの『運命の力』が5月24日(金)より上映中。

3月21日の初日、英国ロイヤル・オペラのロビーは異様な熱気に包まれていました。今やキャリアの頂点にあるオペラ界の2大スター、ソプラノのアンナ・ネトレプコとテノールのヨナス・カウフマンがヴェルディの『運命の力』で共演するからです。ロンドンでふたりが一緒に歌うのは11年前の『椿姫』以来。ひとりでもソールド・アウト必至のスターが、最高の演目で共演とあって、チケットの争奪戦は熾烈を極めました。そして初日の幕が開き、「この公演の実現はありえない幸運」「スターたちの輝かしい声」などの絶賛の声が相次ぎました。

 

 

ヴェルディの『運命の力』は1862年にロシア、サンクトペテルブルクの帝室歌劇場で初演されました。現行版の初演は1869年ミラノ・スカラ座。ロシアからの依頼を受け、ヴェルディが自分の望む題材で書いたオペラです。美しい旋律で有名な序曲から始まり、過酷な〈運命〉に翻弄される主人公たちのドラマが息をもつかせぬ展開を見せる、18世紀スペインを舞台にした、貴族の娘レオノーラとインカ帝国の血を引くドン・アルヴァーロの悲恋物語。ネトレプコが情感豊かに愛ゆえに苦悩するヒロインを歌い、カウフマンはドン・アルヴァーロの暗い情熱を体当たりで演じます。敵役であるレオノーラの兄ドン・カルロに最高のバリトン歌手ルドヴィク・テジエ、僧院長にはフェルッチョ・フルラネットを迎え、ロイヤル・オペラの音楽監督パッパーノの指揮というこれ以上ない布陣に。演出はクリストフ・ロイ。映像を巧みに使い、モダンな切り口ながら敬虔な精神性を損なわない舞台が評価されました。

 

 

■あらすじ

18世紀中葉のスペインとイタリア。貴族の名家に生まれたレオノーラはインカ帝国の血を引くドン・アルヴァーロと恋仲だが、ふたりが駆け落ちしようとした夜にレオノーラの父侯爵に計画が発覚し、ドン・アルヴァーロが攻撃する意図がないことを示すために床に投げた銃が暴発して侯爵の命を奪ってしまう。恋人たちは離れ離れに。親の仇であるドン・アルヴァーロを執念深く追うレオノーラの兄ドン・カルロ。レオノーラは修道院の扉を叩き、山中の庵に身を隠してひとりで神に祈る生活を選ぶ。運命は最後に愛し合うふたりをもう一度めぐり合わせてくれるのだが……

 

■Film info
『ロイヤル・オペラ「運命の力」』

 

作曲 : ジュゼッペ・ヴェルディ
演出 : クリストフ・ロイ
指揮 : アントニオ・パッパーノ
出演 : アンナ・ネトレプコ(レオノーラ)、ヨナス・カウフマン(ドン・アルヴァーロ)、ルドヴィク・テジエ(ドン・カルロ)

 

2019年 / イギリス / 英語 / 原題 : La forza del destino
配給 : 東宝東和
公開 : 5月24日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
©ROH 2019 photograph by Bill Cooper, ©Monika Rittershaus

 

■Link
http://tohotowa.co.jp/roh/movie/?n=la-forza-del-destino

 

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