ケン・ローチ監督最新作 『家族を想うとき』著名人12名からコメント到着

12月13日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開されるケン・ローチ監督最新作『家族を想うとき』に、著名人12名がコメントを寄せました。

日本でも大ヒットを記録した『わたしは、ダニエル・ブレイク』を最後に映画界からの引退を表明していたケン・ローチ監督。名匠が引退宣言を撤回してまで新作『家族を想うとき』で描きたかったのは、グローバル経済が加速する中で変わっていく人々の働き方と、時代の波に翻弄される「現代の家族の姿」です。

 

 

ニューキャッスルに住む父リッキーは、マイホーム購入の夢をかなえるために、フランチャイズの宅配ドライバーとして独立。母アビーはパートタイムの介護士として、時間外まで1日中働いている。家族を幸せにするはずの仕事が、家族との時間を奪っていき、高校生の長男セブと小学生の娘のライザ・ジェーンは寂しい想いを募らせていきます。

 

 

日本でも日々取り上げられている労働問題と重なり、現代社会が失いつつある家族の美しくも力強い絆に、激しく胸を揺さぶられるはずです。9月に放送されたNHK『クローズアップ現代+』でケン・ローチ監督と是枝裕和監督の対談が放送されて大きな話題を呼んでいる本作。公開に先駆けて実施した一般試写会では、「私が選ぶ今年の外国映画1位に決定です! 結末はそうくるか! という感じ。激オススメ!」「それぞれに想いあっているのにすれ違う家族の心。出口なしの現実をそのままに描き出す。身につまされ過ぎて泣いてしまった」と絶賛の声が続出しています。そして、総勢12名の著名人からの絶賛コメントも到着しました

 

山本太郎(れいわ新選組代表)

小さな幸せさえも容赦なく破壊する搾取の連続。これは遠く離れた国の話ではない、私たちの話だ。

 

小川彩佳(キャスター)

すれ違いながら想い合い、繋ぎ止めようと手を伸ばし、それでもじわり壊されていく。ただ幸せでいたいだけなのに、なんで、なんで、なんで……。ラストシーンの余韻が止まりません。これは日本も「じぶんごと」かもしれない。

 

柳澤秀夫(ジャーナリスト)

これは他人事じゃない!効率優先のゆがんだ社会に翻弄されながらも、ささやかな幸せを求めて懸命に生きようとする家族。あまりにも切ないその姿に思わず「がんばれ!」と声援をおくらずにはいられなくなった。

 

茂木健一郎(脳科学者)

誰も不幸になりませんように。祈るような気持ちで物語に没入した。厳しい現実のひんやりとしたリアリティの中から、人の心の温かさがしみ出てくる。衝撃のラストシーンに巨匠の怒りと愛を感じた。傑作を超えた神品。

 

ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

映画が終わる頃にはこの家族が肉親のような気持ちになります。ブラック企業というよりブラック世界。これはケン・ローチならではの愛情に溢れた作品で、道に迷った人類に対する警鐘でもあります。

 

荻上チキ(評論家 / TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」パーソナリティ)

誰も望んでいないのに、すれ違う家族たち。彼らが薄情なのか?いや、そうではない。そうさせたものの正体に、じわりじわりとカメラが近づいていく。

 

柏木ハルコ(漫画家・「健康で文化的な最低限度の生活」)

物語には常に現実を描く一面と妄想を描く一面があるが、この映画には妄想の要素はほとんどない。ケン・ローチ監督はここから目をそらすことを許さない。私たちの“働き方”はこれでいいのだろうか? 私たち一人一人が向き合うべき重い問いである。

 

中川 敬(ミュージシャン/ソウル・フラワー・ユニオン)

前作『わたしは、ダニエル・ブレイク』公開後に引退撤回したケン・ローチ監督が、新自由主義経済の底辺にある一家の、酷烈な転落と絆を描く。袋小路の家族物語だが、変化を希求する監督の誠実な怒りが、懸命に生き抜く人々の気高い尊厳を立ちのぼらせる。何度も胸が熱くなった。またもや最高傑作。必見!

 

森 達也(作家・映画監督・明治大学特任教授)

コメントが難しい。何を書いても作品の質量に届かない。ラストの家族の慟哭がいつまでも心に残る。ケン・ローチと同時代に同じ仕事をしている巡りあわせに感謝する。

 

想田和弘(映画作家)

前作の『わたしは、ダニエル・ブレイク』で引退すると言っておられたが、撤回して『家族を想うとき』を作ってくれて、本当によかったと思う。現代に生きる私たちにはこの監督が必要だ。可能な限り、作品を撮り続けて欲しいと切に願う。

 

武田砂鉄(ライター)

そうなったのはオマエのせいだろ、と突きつけてくる社会。出口はどこにあるのか。出口を塞いでいるのは誰なのか。

 

小熊英二(社会学者)

宅配ドライバーの夫と訪問介護の妻。14時間労働、理不尽な待遇、疲労とストレス、子供の不登校。これでもかとばかりの現実のあと、ラスト場面でSorry We Missed You. 音楽なしのタイトな演出が印象的。見れば忘れられない映画になるだろう。

 

■Film info
『家族を想うとき』

監督 : ケン・ローチ
出演 : クリス・ヒッチェンズ、デビー・ハニーウッド、リス・ストーン、ケイティ・プロクターほか

2019年 / イギリス・フランス・ベルギー映画 / 英語 / 原題 : Sorry We Missed You
配給 : ロングライド
12月13日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開
Photo : Joss Barratt, Sixteen Films 2019

 

■Link
https://longride.jp/kazoku/

 

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