ミュージアム・オブ・ユース・カルチャーが5月カムデンに常設オープン

© Museum of Youth Culture 1

英国初のユースカルチャーに特化したミュージアム「ミュージアム・オブ・ユース・カルチャー(Museum of Youth Culture)」が、5月15日(金)にロンドン・カムデンのセント・パンクラス・キャンパスに常設オープンします。モッズからアシッドハウスまで、英国の若者文化を写真・ファッション・音声資料で体系的に保存・展示する英国初の常設施設です。




英国初の常設館、カムデンに誕生

© Museum of Youth Culture 6

ミュージアム・オブ・ユース・カルチャーは、世界で初めて10代・若者のライフスタイルとカルチャーに特化した博物館として設立されました。1997年にジョン・スウィンステッドが庭の物置小屋に写真をアーカイブすることから活動を始め、2012年にジェイミー・ブレットが加わりました。閉鎖されるライブ会場のフライヤーや、個人の引き出しに眠っていた写真を集めるという草の根的な取り組みが、長年の積み重ねを経て今回の常設館オープンへとつながっています。

© Museum of Youth Culture 5

開館場所は、ロンドン北部のカムデンにあるセント・パンクラス・キャンパス(100 Royal College St, NW1 0TH)。カムデンはパンクやゴス、インディーといった英国を代表するサブカルチャーと長く結びついてきた地域であり、音楽・ファッション・自己表現の交差点として知られています。その地に博物館を置くことで、展示内容と地域の文化的文脈が自然に呼応する形になっています。



6,500平方フィートの空間に広がる展示内容

Punk and Skinhead girls at a gig. Hastings 1981

©Clare Muller / Museum of Youth Culture.jpg
A Group of Breakdancers, London, UK, 1983

ミュージアムは専用設計された6,500平方フィートのスペースに、3つのギャラリーを構えています。展示には写真・衣装・音声・印刷物・アーティファクトが含まれ、戦後1940年代のロンドンで爆撃跡地を自転車で駆け抜けた若者たちから、1980年代イングランド北部のアシッドハウス・レイヴ文化まで、英国のユースカルチャーの変遷を時代ごとに辿ることができます。

© Tony Davis _ Museum of Youth Culture

© Tony Davis / Museum of Youth Culture.jpg
Amnesia Rave, Coventry 1991

同館はサブカルチャーが「周縁から主流へ」と広がっていくプロセスをドキュメントする視点を特徴としています。ポップカルチャーの表面だけでなく、クラブ・レコードショップ・コミュニティホールといった草の根の場から生まれたムーブメントを記録することで、英国のクリエイティブな歴史における若者の役割を再評価しています。また、現在進行形のユースカルチャーの記録も継続的に行っており、単なる懐古施設ではなく、生きた文化アーカイブとして機能することを目指しています。



ドクター・マーチン、フレッド・ペリーら英国ブランドとの協働

 

Kids looking at Camera, Ozzfest, Milton Keynes Bowl, UK, 2001.

© Rebecca Lewis / Museum of Youth Culture.jpg
Kids looking at Camera, Ozzfest, Milton Keynes Bowl, UK, 2001

ミュージアム・オブ・ユース・カルチャーはこれまでポップアップ形式で各地に展開してきました。主な実績としては、バービカンで開催した「I’m Not Okay: An Emo Retrospective」に3か月で55,000人が来場したほか、 フレッド・ペリー・ジャパンと協力し、日本版プロジェクト「Grown Up in Japan(グローン・アップ・イン・ジャパン)」を東京で展開した実績もあります。これらは、英国の若者文化が海外の観客にも確かな反響を持つことを示しています。

 

Demon Boyz, London, UK, 1980s

©Normski / Museum of Youth Culture.jpg
Demon Boyz, London, UK, 1980s

コレクションにはDepop、フレッド・ペリー、JDスポーツ、ポラロイド、ドクター・マーチンといったブランドとのコラボレーションも含まれており、ファッションやライフスタイルの視点から英国若者文化へアプローチできる点も見どころのひとつです。日本の英国カルチャーファンにとっても、実際に現地を訪れてコレクションを体験する価値がある施設といえるでしょう。



グラスゴー・バーミンガムへの拡張計画も

 

©Tony Othen & Bede _ Museum of Youth Culture

©Tony Othen & Bede / Museum of Youth Culture.jpg
Mod girls, Lady Gomm Youth Centre, Bermondsey, Southwark,

共同創業者のジェイミー・ブレットはプレスリリースの中でこう述べています。「このミュージアムに収められているものはすべて、誰かが大切に保存してくれたから存在する。引き出しにしまわれていたフライヤー、ハードドライブに残っていた写真、消えてしまう前に語られた物語たち。この文化はそれを築いた人たちのものだから、守り続けてきた。その場所を永遠に確保することは、その努力への敬意だ」と。

Three skinhead / mod girls, women, laughing and drinking, UK, 1980's

©Peter Anderson / Museum of Youth Culture.jpg
Three skinhead/mod girls, UK, 1980s

今回のカムデン常設館の開設は、長期的な拡張計画の一歩目でもあります。2027年にバーミンガム、2029年にはグラスゴーと、英国各地に新たな拠点が続いて開館する予定で、英国全土での若者文化の保存・普及に向けた取り組みが進んでいます。国内のグラスルーツ会場の閉鎖が相次いでいる現状の中で、こうした常設アーカイブの意義はますます大きくなっています。

Text by British Culture in Japan編集部

 

Link

https://www.museumofyouthculture.com/

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