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映画『ハムネット』試写会レポート、奈良橋陽子「主演女優賞は彼女しかいないと思いました」
クロエ・ジャオ監督の最新作で第98回アカデミー賞主演女優賞に輝いた映画『ハムネット(HAMNET)』の試写会が3月25日(水)に渋谷のユーロライブで開催。上映後のトークイベントには『ラストサムライ』などを手がけたハリウッドで活躍する日本人キャスティングディレクターの奈良橋陽子氏が登壇し、本作への称賛から仕事の裏側まで語りました。
映画『ハムネット』とは──16世紀イギリスを舞台にした珠玉の1作
『ハムネット』は、2020年に発表され英女性小説賞・全米批評家協会賞を受賞したマギー・オファーレルの同名小説を原作とした実写映画です。物語の舞台は16世紀イギリスの小さな村。森を愛し薬草の知識に優れた妻アグネス・シェイクスピアと、ロンドンで劇作家として活動する夫ウィリアム・シェイクスピア、そして3人の子どもたちが描かれます。単身ロンドンへ出た夫を尊重しながら子どもたちを守り奮闘するアグネスに、ある日一家を襲う大きな不幸が降りかかります。
主演のアグネス役には『ウーマン・トーキング 私たちの選択』のジェシー・バックリー、ウィリアム・シェイクスピア役には『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』のポール・メスカルが起用され、エミリー・ワトソン、ジョー・アルウィンらが脇を固めます。製作にはスティーヴン・スピルバーグとサム・メンデスが名を連ね、第50回トロント国際映画祭で観客賞(最高賞)を受賞。第83回ゴールデングローブ賞ではドラマ部門の作品賞と主演女優賞をダブル受賞しています。上映時間は126分、4月10日(金)より全国公開となります。
「彼女しかいないと思いました」──奈良橋陽子が語るジェシー・バックリーへの絶賛

トークイベントに登壇した奈良橋陽子氏は、前日にロサンゼルスから帰国したばかり。アカデミー賞主演女優賞を受賞したジェシー・バックリーについて「ノミネーションを見て、受賞するのは彼女しかいないと思いました。圧倒的でした。クロエ監督はリアリティを追究するし、プラスして内面の感情を求める。表面的な外枠だけのセンチメンタルじゃなく、本当に真実があって、内面から感情が出てくる。それは難しいことだけど、クロエはそれを要求するし、彼女はそれが出せる人です」と手放しで称えました。
シェイクスピア役のポール・メスカルについても「すごく素敵でした。シェイクスピアをひたすら読んだと言っていましたが、今後もっともっと売れると思います!」と太鼓判を押しました。またクロエ・ジャオ監督の演出スタイルについては、東京国際映画祭での交流を振り返りながら「師匠のスパイク・リーに『リアリティを追求しなさい』と教わったそうで、ドキュメンタリーを撮っているかのようにリアリティを追求していく。そのことが今作でも良い組み合わせになっていた」と語りました。
渡辺謙キャスティング秘話──「最初に紹介した方は?」と再プッシュして生まれた世界的スター
奈良橋氏はこれまで『太陽の帝国』(スピルバーグ監督)や『ラストサムライ』(トム・クルーズ主演)など数々のハリウッド大作で日本人俳優のキャスティングを担当してきました。『ラストサムライ』では、勝元役として真っ先に渡辺謙を監督に紹介したものの当初の反応は芳しくなく「素通りしちゃった(苦笑)」と打ち明けました。その後、なかなか候補が決まらず監督がいら立ち始めたタイミングで「最初に紹介した方は?」と再度プッシュしたところ、「部屋に渡辺さんが入った瞬間に監督は何かを感じて、途中で私にガッツポーズを見せてくれました」と“世界の渡辺謙”誕生の瞬間を苦笑交じりに明かしました。
キャスティングディレクターの仕事については「監督が出演候補の俳優を全部見るのは無理なので、こちらで探して『いいな』と思った人を紹介する仕事」と説明。「シンデレラを探す。靴がぴったり合う人を選ぶんだけど、感覚なので『何でそうなるの?』というのはわかんない(笑)」と語りました。また『SHOGUN 将軍』でエミー賞主演女優賞に輝いたアンナ・サワイに触れ「彼女が15歳の時に『ニンジャ・アサシン』にキャスティングしたんですけど、感性が素晴らしかった。日本ではあまり知られていないかもしれないが、アメリカでは今一番人気のある日本人女優さんです」と日米の文化の違いにも言及しました。
4月10日全国公開、英国文学の名作が銀幕に

今年のアカデミー賞から新設された「キャスティング賞」に、本作のキャスティングディレクター、ニナ・ゴールドがノミネートされました。奈良橋氏とニナ・ゴールドは旧知の間柄で「すごく素敵な方で、彼女の感性が大好きで、以前から彼女が関わった作品を見ていました。尊敬しています」と称えました。
英国発の文学作品を原作に、アカデミー賞主演女優賞とゴールデングローブ賞2部門を受賞した『ハムネット』は、16世紀の英国を丁寧に映像化したクロエ・ジャオ監督の手腕が光る1作です。トークイベントの最後に奈良橋氏は「自分の夢を持っていらしたら、ぜひ追究してください。『自分なんてダメだわ』と思わず、本当にやりたいなら自分を信じて追究してください」と観客に呼びかけ、温かい拍手の中イベントは幕を閉じました。映画『ハムネット』は4月10日(金)より全国順次公開です。
Text by British Culture in Japan編集部
Link
https://www.cinequinto.com/parco-movie/
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