Ham Yard Hotel宿泊記|ロンドン・ソーホーで出会うKit Kempのデザインと温かなホスピタリティ

Ham Yard HotelのKit Kempらしい色彩豊かな客室インテリア

Ham Yard Hotelは、ロンドン・ソーホーの中心にありながら、街の喧騒から少し距離を置いて過ごせるデザインホテルです。Kit Kempによる色彩豊かなインテリア、アート、朝食の時間まで続く美意識に加え、今回の滞在で強く印象に残ったのは、スタッフの細やかであたたかなホスピタリティでした。

Deluxe Junior Snug Suiteに宿泊し、ラウンジでの紅茶、英国式朝食、ホテル内の個性豊かな空間を体験。Firmdale Hotels(ファームデール・ホテルズ)というホテルグループにおけるHam Yard Hotelの立ち位置にも触れながら、カップルや夫婦、母娘など、大切な人とロンドンを訪れる際に選びたい理由を写真とともに紹介します。

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ハム・ヤード・ホテルはどんなホテル? ソーホーの喧騒から離れるHam Yard Village

Ham Yard Hotel(ハム・ヤード・ホテル)は、ロンドン・ソーホーのHam Yard Village(ハム・ヤード・ヴィレッジ)に位置するホテルです。ピカデリー・サーカス駅やオックスフォード・サーカス駅からアクセスしやすく、ウエスト・エンドの劇場街、リージェント・ストリート、オックスフォード・ストリートなどを巡るロンドン滞在の拠点になります。

ただし、このホテルの魅力は都心にある利便性だけではありません。石畳の通路を進むと、木々や植栽、ショップ、レストランが連なる落ち着いた区画が現れます。ソーホーの賑わいのすぐそばにありながら、一歩足を踏み入れた瞬間に空気が切り替わるようでした。

Ham Yard Villageへと続く石畳の通路

石畳の通路の先に広がるHam Yard Village。ソーホーの中心にありながら、街の喧騒から少し距離を置ける

到着したのはチェックイン開始時刻より少し早めでしたが、レセプションは客室の準備を進めると丁寧に案内してくれました。手続きを急いで済ませるのではなく、スタッフとの会話を楽しむようにチェックインが進んでいく。その時間から、ハム・ヤード・ホテルのあたたかなホスピタリティが伝わってきました。

ドアマンの出迎えも、旅先のホテルへ到着したというより、どこかへ帰ってきた時のような温かさがあります。ロンドンの中心で一日を過ごした後に戻る場所として、Ham Yard Hotelは最初から安心感を与えてくれました。

植栽と屋外席に囲まれたHam Yard Villageの中庭

植栽と屋外席に囲まれたHam Yard Village。ホテルと街区の空間が緩やかにつながる

Firmdale HotelsとKit Kemp──ハム・ヤード・ホテルを形づくるデザイン思想

Ham Yard Hotelを理解するうえで欠かせないのが、ロンドンとニューヨークでホテル、レストラン、バーを展開するFirmdale Hotels(ファームデール・ホテルズ)の存在です。Firmdale HotelsはTim Kemp(ティム・ケンプ)とKit Kemp(キット・ケンプ)によって1985年に設立され、現在はロンドンとニューヨークに11のホテルを展開しています。

Ham Yard Hotelはその一軒であり、単に宿泊するための客室を提供するだけでなく、アート、家具、ファブリック、食、共用空間までを通じて、ひとつの滞在体験をつくり上げています。

その世界観を担うのが、共同創業者でありクリエイティブ・ディレクターでもあるKit Kempです。彼女のインテリアは、色彩豊かなファブリック、異なる時代や地域を思わせる家具、現代アート、遊び心のあるオブジェを大胆に組み合わせることで知られています。

Ham Yard Village内にあるKit Kempのショップのショーウィンドウ

Ham Yard Village内にあるKit Kempのショップ。色彩豊かなファブリック、照明、家具、オブジェが並び、ホテルへ続くデザインの世界観を感じられる

Ham Yard Village内には、Kit Kempのデザインに触れられるショップもあります。ショーウィンドウに並ぶファブリック、照明、家具、オブジェからも、Ham Yard Hotelで感じた色彩と素材の組み合わせが、ホテルの外へも広がっていることが伝わってきました。

ハム・ヤード・ホテルでは、その美意識が客室だけで終わりません。ライブラリーの本棚や暖炉、レストランの椅子と照明、屋上テラス、地下のThe Croc(ザ・クロック)に至るまで、空間ごとに異なる表情を持たせながら、どこにいてもHam Yard Hotelらしい一貫性があります。

アートと照明、個性的な椅子が並ぶHam Yard Hotelの共用空間

色彩、アート、照明、家具を重ねた共用空間。Ham Yard Hotelでは、Kit Kempのデザインが客室の外にも続いている

客室の壁紙やヘッドボード、共用部のアート、朝食で手に取った器にまでデザインの視線が行き届いているからこそ、このホテルは設備を寄せ集めたラグジュアリーホテルではなく、宿泊者がその世界観の中で時間を過ごす場所として成立しているのです。

Deluxe Junior Snug Suiteに宿泊|Kit Kempの色彩に包まれる客室

今回宿泊したのは、Deluxe Junior Snug Suiteです。窓から入る自然光に包まれた客室には、ベッドとゆったりしたシーティングエリアが設けられ、壁紙、ヘッドボード、カーテン、クッション、家具まで、色と柄が幾重にも重ねられていました。

今回宿泊したDeluxe Junior Snug Suiteのベッドと窓辺のシーティングエリア

今回宿泊したDeluxe Junior Snug Suite。窓から入る自然光と、Kit Kempらしい色彩や柄が重なり、客室で過ごす時間そのものが印象に残る

Ham Yard Hotelでは、客室ごとに異なるデザインが用いられています。白いリネン、柄のあるヘッドボード、ファブリックを生かした壁面、ゆったりした椅子やソファといった要素を軸にしながら、一室ごとに別の世界観がつくられているのが特徴です。

大胆な色彩や個性の強いテキスタイルを多用しているにもかかわらず、部屋は決して落ち着かない空間ではありません。大きな窓辺にはアームチェアとソファが置かれ、外出前に予定を確認したり、観劇や買い物から戻って一息ついたりするための、小さな居間のような心地よさがありました。

Deluxe Junior Snug Suiteの窓辺にある青いアームチェアとストライプ柄のソファ

今回宿泊したDeluxe Junior Snug Suiteのシーティングエリア。大きな窓から入る光、青いアームチェア、ストライプ柄のソファ、壁面のアートが、客室をくつろぎの居場所にしている

Deluxe Junior Snug Suiteの本棚とストライプ柄のソファ、青い植物柄の壁紙

今回宿泊したDeluxe Junior Snug Suite。青い植物柄の壁紙、本棚、ストライプ柄のソファ、アートを重ねた空間に、Kit Kempらしい遊び心が表れている

バスルームは寝室とは異なる落ち着いたトーンでまとめられ、石材や金具の質感が印象に残ります。デザインの楽しさと、旅先の滞在拠点として求められる実用性が自然に同居していました。

石材を基調としたDeluxe Junior Snug Suiteのバスルーム

石材を基調としたバスルーム。寝室の色彩とは対照的に、静かな表情を見せる

紅茶に表れたホスピタリティ|ライブラリーで過ごす待ち時間

部屋を待つ間は、ライブラリーで紅茶をいただきました。本棚と暖炉、個性の異なる椅子やソファが並ぶ空間は、ホテルの共用部というより、趣味のよい誰かのリビングルームを訪ねたような雰囲気です。

本棚と暖炉、個性的な椅子が並ぶHam Yard Hotelのライブラリー

本棚と暖炉、個性の異なる椅子が並ぶライブラリー。待ち時間さえ、居間のように過ごせる

いただいた紅茶がとても美味しく、スタッフにブランドを尋ねました。その場で曖昧に答えるのではなく、翌朝、使われていたのがカメリアズ ティーハウスであることをきちんと調べて教えてくれました。さらに「ご自宅でも楽しんでください」と、数杯分の茶葉まで用意してくれたのです。

ライブラリーで提供されたティーセット

部屋を待つ間にライブラリーでいただいた紅茶。翌朝にはブランド名とともに茶葉も用意してくれた

何気ない質問を聞き流さず、翌朝まで覚えて対応してくれる。豪華な内装や設備とは別のところで、このホテルのホスピタリティが強く印象に残った出来事でした。

チェックイン後、外出しようとしたタイミングで天気雨になった時も、部屋へ戻るべきか迷っていると、ドアマンがすぐに傘を貸し出すと声をかけてくれました。ロンドンの変わりやすい天気について少し話しているうちに雨は上がり、そのまま予定どおり出かけることができました。

状況を見て必要な時に自然に手を差し伸べる。そのさりげない距離感が、Ham Yard Hotelの居心地のよさを支えているように感じます。

朝食を実食レビュー|英国式朝食と身体を整える選択肢

朝食はホテル内のHam Yard Restaurant(ハム・ヤード・レストラン)でいただきました。白いクロスがかけられたテーブル、壁に飾られたアート、照明、色彩豊かな椅子が調和し、朝の食事の時間にもHam Yard Hotelらしい世界観が続いています。

アートと色彩に包まれたHam Yard Restaurantの店内

アートと色彩に包まれたHam Yard Restaurant。朝食の時間にも、ホテルらしい世界観が続く

この日は、卵、ソーセージ、ベーコン、ブラックプディング、トマトを組み合わせたイングリッシュ・ブレックファストをいただきました。しっかりと食べたい朝に応える内容でありながら、ビュッフェにはフルーツ、ベリー、ヨーグルト、シリアル、ナッツ類なども並び、旅の途中で身体を整えたい時にも選択肢があります。

卵、ソーセージ、ベーコン、ブラックプディング、トマトを盛り合わせた英国式朝食

滞在中にいただいた英国式朝食。卵、ソーセージ、ベーコン、ブラックプディング、トマトを盛り合わせた

フルーツやヨーグルト、シリアル、ナッツ類が並ぶ朝食ビュッフェ

フルーツ、ヨーグルト、シリアル、ナッツ類なども並び、好みに合わせて朝食を組み立てられる

海や島、人物を描いたKit Kempデザインのプレート

海や島、人物を描いた遊び心のあるプレート。朝食のテーブルにも、Kit Kempらしい物語性のあるデザインが続いている

今回の朝食で使われていた器の裏には、英国の陶磁器ブランドWedgwood(ウェッジウッド)とKit Kempの表記がありました。客室のファブリックや共用部のアートと同じように、食卓の上にもホテルのデザイン思想が続いていることを感じます。

WedgwoodとKit Kempの表記がある朝食用食器の裏面

今回の朝食で使われていたWedgwood製、Kit Kempデザインの皿

Ham Yard Restaurantでは朝食のほか、季節のランチやディナー、週末のローストなども提供されています。

屋上テラス、劇場、The Croc|滞在を広げるホテルの施設

Ham Yard Hotelには、客室やレストラン以外にも、滞在の選択肢を広げる場所があります。屋上テラスは植栽、ソファ、テーブルが配された明るい空間で、ソーホーの建物を見渡しながら過ごせます。

植栽とラウンジ家具に囲まれたHam Yard Hotelの屋上テラス

植栽とラウンジ家具に囲まれた屋上テラス。ソーホーの屋根の上に、もうひとつの居間がある

青空の下に広がるHam Yard Hotelの屋上テラス

青空の下に広がる屋上テラス。植栽やラウンジ席、テーブルが配され、ソーホーの屋根の上でゆったり過ごせる

館内には190席のHam Yard Theatre(ハム・ヤード・シアター)があり、4Kスクリーンとステージを備えています。また地下のThe Crocには、1950年代のボウリングレーン、ラウンジ、バー、ダンスフロアが設けられています。

カラフルなボウリングボールと赤い柱が印象的なThe Crocのボウリングレーン

地下にあるThe Crocのボウリングレーン。ネオン、赤い柱、カラフルなボウリングボールが、ホテルの遊び心ある一面を伝える

今回はバーやThe Crocを利用したわけではありません。ただ、食事、本、アート、屋上、映画、ボウリングと、ホテル内で過ごす時間の選択肢まで用意されていることに、Ham Yard Hotelの個性が表れています。

ハム・ヤード・ホテルはどんな人におすすめ?

ハム・ヤード・ホテルは、次のようなロンドン旅行に特に似合うホテルです。

  • ソーホーやウェスト・エンドで観劇、食、街歩きを楽しみたい人
  • インテリア、テキスタイル、現代アート、英国デザインが好きな人
  • 客室だけでなく、ホテルの共用空間でもゆっくり過ごしたい人
  • カップルや夫婦、母娘など、大切な人との記念に残るロンドン滞在を計画している人
  • 観光で一日歩いた後、都心にありながら静かであたたかい雰囲気の場所へ戻りたい人

客室の内装は一室ごとに異なるため、予約時には客室カテゴリー、ベッドタイプ、朝食付きプランの有無などを確認するとよいでしょう。

アクセス・ホテル基本情報

所在地
One Ham Yard, London W1D 7DT
最寄り駅
Piccadilly Circus駅(徒歩3分)、Oxford Circus駅(徒歩11分)
客室・スイート
91室
レジデンス
24室
主な施設
Ham Yard Restaurant & Bar、ライブラリー、屋上テラス、Ham Yard Theatre、The Croc Bowling Alley、スパ&ジム
チェックイン
15時
チェックアウト
12時

また帰ってきたいと思うホテル

Ham Yard Hotelは、カップルや夫婦、母娘、そして人生でかけがえのない人とロンドンを訪れる時に、その滞在を静かに特別なものへ変えてくれるホテルです。

ソーホーの賑わいを歩いたあと、石畳の奥にある落ち着いた区画へ戻り、あたたかく迎えられる。色彩豊かな客室でくつろぎ、何気ない質問にも丁寧に応じてもらい、朝食で新しい一日を始める。そうした小さな時間の積み重ねが、「ロンドンで泊まったホテル」を、いつまでも思い出せる旅の一場面にしていきます。

デザイン、アート、食、そして人の心配りまで含めて、ハム・ヤード・ホテルは旅の途中で帰ってこられる場所のように感じられました。次にロンドンを訪れる時も、またこの石畳の奥へ戻ってきたい。そう心から思わせてくれるホテルです。

Ham Yard Villageの石畳の通路

ソーホーの一日を終え、石畳の奥にあるHam Yard Hotelへ戻る。旅先でありながら、帰ってくる感覚を与えてくれる場所

協力:英国政府観光庁(https://www.visitbritain.com/

Text by British Culture in Japan編集部

 

Link

https://www.firmdalehotels.com/hotels/ham-yard-hotel

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