2025.11.20

アガサ・クリスティー小説に登場する英国料理が味わえるクリスマスイブニングティーセット、神田で12月開催

東京都千代田区神田にあるサロンクリスティは、2025年12月10日（水）から12月26日（金）まで、アガサ・クリスティーの作品に登場する料理や英国伝統料理を楽しめる「クリスマスイブニングティーセット」を提供。今年で3回目となる本企画では、クリスティーの小説をテーマにした全10品のコースに加え、作品に関するクイズ「クリスティー検定」も用意され、ミステリーの女王の世界観を体験できます。

アガサ・クリスティー作品にちなんだ特別メニュー

サロンクリスティの「クリスマスイブニングティーセット」

サロンクリスティのクリスマスイブニングティーセットでは、アガサ・クリスティーの小説に登場する料理や、作家本人が好んだメニューを再現しています。メインとなる「ローストビーフ＆ヨークシャープディング」は、『パディントン発4時50分』に登場し、ヨーク地方のパブ風の盛り付けで提供されます。ヨークシャープディングは18世紀のヨークシャー地方で生まれた伝統料理で、薄力粉や卵、牛乳を混ぜてオーブンで焼いた付け合わせとして、ローストビーフの美味しさを引き立てます。

サロンクリスティの「クリスマスイブニングティーセット」

デザートには『クリスマス・プディングの冒険』に因んだ「クリスマスプディング」が登場。別名プラムプディングとも呼ばれる英国の伝統的なクリスマスデザートで、ドライフルーツやスパイスを練り込んだ濃厚な味わいが特徴です。また、『ポケットにライ麦を〔新訳版〕』に登場するスコーンや、『クリスマス・プディングの冒険』のハムとチーズのサンドイッチなど、クリスティーの小説でおなじみの焼き菓子や軽食も用意されています。セイボリーとスイーツで8品、食前のドリンク、コーヒーまたは紅茶を含め、合計10品が提供される予定です。

クリスティー検定で作品の世界を深く体験

今回の企画では、アガサ・クリスティーに関するクイズ「クリスティー検定」が新たに追加されました。各テーブルには料理の出典元となっている書籍が用意されており、来店者は本を読みながらクイズに挑戦できます。アガサ・クリスティーは1890年にデヴォン州のトーキーで生まれ、1920年に『スタイルズ荘の怪事件』でミステリー作家としてデビューしました。生涯で66冊の探偵小説と14冊の短編集を発表し、エルキュール・ポアロやミス・マープルを主人公とする作品で知られ、「ミステリーの女王」と呼ばれています。

クリスティーの作品は世界中で翻訳され、コージー・ミステリーというジャンルの創設者としても評価されています。1926年発表の『アクロイド殺し』は大胆なトリックで大論争を巻き起こし、一躍有名になりました。書籍を読みながら料理を楽しむことで、ミステリー小説の世界観に浸りながら英国文化を体験できる仕掛けとなっています。

開催概要と予約方法

クリスマスイブニングティーセットは2025年12月10日（水）から12月26日（金）までの期間限定で提供。提供時間は第1部が16時から18時、第2部が18時30分から20時30分の2部制で、席への案内は各回10分前からです。料金は1人あたり5,500円で、完全予約制となっています。予約はご利用の3日前までに食べログから行う必要があります。

サロンクリスティは東京都千代田区神田多町2-2の早川書房本社ビル1階に位置し、JR神田駅北口から徒歩3分、東京メトロ銀座線神田駅4番出口から徒歩3分とアクセスが良好です。通常営業時間は11時から21時（ラストオーダー20時）で、定休日は土日祝となっています。サロンクリスティは早川書房が運営するベーカリー＆カフェで、「本好きが集まる場所」をコンセプトに、書籍や作家とのコラボメニューを提供しています。

英国文学とイギリス料理が融合する特別な体験

サロンクリスティのクリスマスイブニングティーセットは、単なる食事の場を超えた文化体験を提供します。アガサ・クリスティーの作品は英国の日常生活や食文化を細やかに描写しており、小説に登場する料理を実際に味わうことで、20世紀イギリスの雰囲気を追体験できます。クリスマスプディングやヨークシャープディングなどの伝統料理は、現代でも英国の家庭やパブで親しまれており、本場の味わいを日本で楽しめる貴重な機会となっています。

早川書房は1945年創業のSFやミステリー、海外翻訳本の出版社として知られ、1988年から本社1階で喫茶室を運営してきました。2023年2月にサロンクリスティとしてリニューアルし、作家や編集者だけでなく地域の人々にも開かれた空間となっています。本企画は3回目の開催となり、毎年内容が進化している点も注目です。メニューは現在も考案中で変更の可能性があるため、予約時に最新情報を確認することをおすすめします。クリスマスシーズンに英国文学とイギリス料理を同時に楽しみたい方にとって、見逃せないイベントといえるでしょう。