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ロンドン発の子供服ブランド「La Coqueta(ラ・コケタ)」│創設者・クリエイティブディレクターのセリア・ムニョスにインタビュー
ロンドン在住のフリーランスライター、近藤麻美さんが、英国カルチャーを現地から紹介する連載「近藤麻美のカルチュラル・ウォーク in London」の第16回を公開! 今回は、ロンドン発の子供服ブランド「La Coqueta(ラ・コケタ)」の創設者・クリエイティブディレクターのセリア・ムニョス氏へのインタビューをお届けします。
ロンドン発の子供服ブランド「La Coqueta(ラ・コケタ)」は、スペインの伝統美と現代的な感性を繊細に掛け合わせた、どこか懐かしさを感じさせるコレクションで知られています。その根底にあるのは、世代を超えて受け継がれていく服づくりという思想です。

子供服は、新生児から10歳までのサイズで各アイテムを展開中
2013年、自身も5人の子供を持つセリア・ムニョスによって立ち上げられたラ・コケタは、彼女にとって「6番目の子供」とも言える存在。コレクションごとに少しずつ成長を重ねながら、スペインのノスタルジーと現代的なエッセンスを融合させ、次の世代を彩るスタイルを提案し続けています。

オーナー&ファウンダーのセリア・ムニョス
この度、ラ・コケタ、セルフリッジ店へお邪魔し、オーナー兼デザイナーであるセリアにインタビューをする機会をいただきました。セリアは実は古い友人で、彼女のブランドが成長し、世界へ羽ばたいていくのを影ながら応援していました。

オックスフォード・ストリート、セルフリッジ内にある直営店
セリア・ムニョスにインタビュー
──ラ・コケタを始めようと思ったきっかけを教えてください。
私は昔からファッションが大好きで、子供が生まれてからは、自分の子供たちにも意味のある子供服を着せたいと思っていました。そこで私の母国であるスペインで子供服を購入して子供たちに着せていたのですが、ロンドンで周りの人たちがその服をとても褒めてくれたので、「これは市場のニーズがあるかもしれない」と思ったのです。そこで、まずはスペインのいろいろなブランドの服を仕入れてイギリスで販売し始めました。
里帰りのたびにスーツケースを子供服で一杯にし、ロンドンに戻ってきては、周りの人たちに売っていたのです。当時はスペインの子供服ブランドで、気に入ったものなら何でも仕入れていましたが、そのうち、ドレスからストッキングまで、私が選んだスタイルの服を求められるようになり、特定の服を厳選して仕入販売するようになったのです。そしてある時点で、販売量が非常に多くなったので、自分のブランドを立ち上げることにしました。今から13年前のことです。

2026年春夏コレクション
──実際に売り上げがあり、とてもうまくいったので、「これはマーケット(市場)のギャップ(隙間)を埋めるチャンスだ」と思ったのですね。
その通りです。そこでまずスペインで商品を生産してくれるところを探しました。本当に質の高い仕入先を見つけるのに2年半ほどかかりました。というのも、適切なマテリアルを見つけ、適切な商品を作れるようにしなければならなかったからです。
──ブランド名である『La Coqueta(ラ・コケタ)』とはどういう意味なのでしょう?
ラ・コケタとは、well-groomed(=身だしなみが整っている)という意味です。そしてもちろん日本では、その点が非常に重要視されていますよね。なぜなら、日本人は倫理的で、エレガントで、やりすぎず、過剰にならないからです。ラ・コケタとはそういう意味、つまりとても身だしなみが整っていて、きちんとまとまっているということです。
意図はあるものの、やりすぎではない。それが意味するところなのです。実際日本に行ったとき、私は「ああ、ここの女性たちはみんなとても”コケタ”に見える」と感じました。なぜなら、人々の服装には大きな意図があり、それは自分自身を大切にしているということが分かったからです。

男児服も充実しています
──ラ・コケタを始めたのが、13年前とおっしゃいましたが、最初のコレクションはどのようなものでしたか?
最初のコレクションは、私が好きなものを非常に折衷的にミックスしたものでした。私は小売業の経験があまりなかったので、人々が何を求めているのかもわかりませんでした。ですからある意味、どんな情報でも私にとっては非常に有益でした。
最初の数シーズンは基本的に、商品を持ち込んで、顧客の好みに合わせて調整するという方法で行いました。例えば、私はピンクがあまり好きではないのですが、人々はピンクを好み、売れるのだということに気づきました。そこからピンクをかなり多く取り入れ始めたのです。

豊かな刺繍や手縫いのスモッキング、重厚な襟、そして装飾的なディテールで知られるラ・コケタのコレクションはどれも、精緻かつエレガントなデザインを体現しています
──最初の数年間は、マーケットや人々のニーズを徹底的に調査し、マーケティングやリサーチに多くの時間を費やしたのですね。
そうです。最初の数シーズン、正確には最初の2年半は自らショップに立っていました。
──ハムステッドですね(現在は撤退)。
そうです。最初のショップがハムステッドでした。顧客が何を求めているかを理解したかったので、実際にショップに立ち、運営方法、在庫管理の方法、顧客への対応方法などを学ぶのに最善の方法だと感じました。そして、それは本当に最高の判断でした。なぜなら、人々が何を好むか、そして最も重要なことに、人々が何を好まないか、何をもっと提供する必要があるか、顧客にとって何が重要かを知ることができたからです。
さらに、この経験を経て、顧客の声に耳を傾け、彼らが私たちの活動の中心にいることを確認するという、本当に重要なスキルを学びました。私たちは基本的にお客様にサービスを提供するためにここにいます。ある意味ではお客様に導かれているのです。お客様との対話は本当に重要ですし、それは人々が私を高く評価してくれる点だと思います。

遊び心のあるギフトボックスもスタイリッシュ
──デザインするうえで、最も重要なことは何ですか?
いくつかありますが、デザインでまず大切なのは、お客様が気に入ってくれるものをデザインすることです。ただし、あまりにも予測可能なものにしてはいけません。つまり、お客様を驚かせることが非常に重要だと思います。顧客は、毎シーズン新しいものに出会えるという事実を気に入ってくれています。常に新しい物語、新しい商品を作り出しているので、とても新鮮な感じがします。と同時に、ラ・コケタの商品であることに忠実であり続けています。
もうひとつはディテール(詳細)です。私たちはディテールにこだわっています。製品が意味するもの、仕上げのレベル、使用する素材、そして衣服の仕上げにこだわっています。そして、私たちを本当にユニークにしているのはフィット感だと思います。デザインについて話すとき、服のフィット感は本当に重要ですし、ラ・コケタに来る人はそれを求めていると思います。

ラ・コケタは、トータル・コーディネートを提案します
──顧客にとって、次のシーズンにどのようなものが来るのか予測できないのはワクワクしますね。ちょっとしたサプライズも楽しい。だからこそコラボレーションが功を奏すのでしょうか。コラボレーションは、外部から異なるテイストをもたらし、常に新しいものが展開できますよね。お客様からは、「あら、これは予想外だったけど、気に入ったわ」という反応もありますよね。
ええ、まさにその通りです。コラボレーションは、マーケティングの一形態であると同時に、ネットワークの構築でもあるんです。そして、人々の美的感覚を刺激する手段でもあります。つまり、人々が既成概念にとらわれず、ラ・コケタの世界の外にある、もしかしたら知らないかもしれない他のブランドに触れる機会を与えてくれるんです。そして私個人にとっては、一緒に仕事をしている人たちや ラ・コケタを愛してくれる人たちと、その世界を維持していくために、本当に良い関係を築く手段でもあります。
とはいえ、ランダムにコラボレーションをするわけではありません。私たちにとって本当に大切なのは、美的感覚が一致する人たちとコラボレーションすることなのです。コラボレーションには、相手とラ・コケタのチームの両方に多くの時間と労力がかかるので、かなり意図的に相手を選んでいます。私たちのブランドを希薄化したくないですし、私たちがなぜコラボレーションをするのかを人々に理解してもらいたいからです。

シックでコンテンポラリーなスタイルを取り入れつつ、伝統的で時代を超越した子供服
──素材を選ぶ際に心掛けていることは何ですか?
純綿、純麻などピュアな素材やオーガニック素材が好きなので、かなり幅広い種類を取り揃えていますが、私にとっては素材の調達が非常に重要です。ファッションは特にサスティナブルな業界ではありませんが、私たちにとってのサスティナビリティとは、高品質の衣服を世代から世代へと受け継ぐこと、さまざまな世代にわたって着られるようにすることです。私は大家族で育ち、服を代々譲り渡してきました。ラ・コケタのお客様は、私と同じように、本当に大切にされ、時の試練に耐え、代々受け継がれ、ガンガン洗濯もできるような、家宝となるようなものに投資しているのだと思います。お母さんにとって、これは本当に重要なことなのです。
ラ・コケタの商品は、コートやシルク製のドレスを除けば、基本的にすべて洗濯機で洗えます。もちろん、日本ではそこまでの大家族が主流ではないことも知っていますが、我が家には子供が5人いるので、手洗いではなく洗濯機で洗えることが絶対に必要でした。実をいうと、私の17歳の娘が着ていたラ・コケタの服を、3か月になる姪が今着ているのです。しかもその服は今でも完璧な状態を保っています。シルエットが時代を超越したデザインなので、決して流行遅れにならないということも大切なのです。

現在開催中のイースター・コレクション

シグニチャーのイエローが爽やか

人気商品のひとつであるイエローのコートは軽くて丈夫
──ラ・コケタが他の子供服ブランドと一線を画すところがあるとしたら、それは何ですか?
私たちのブランドを特別なものにしているのはストーリーだと思います。私は、ブランド立ち上げ当初から自分の個人的なストーリーについてとてもオープンにしてきました。私は訓練を受けたデザイナーではありませんが、このブランドを立ち上げてから13年間、とにかく働き続けてきました。立ち上げ当時は、男女5歳未満の子供が5人いて、体格も異なり、アクティブな子もいましたので、基本的に子供のことをよく知っています。子供が何を着たいのかも分かりますし、伝統的なファッションが好きな母親が何を着せたいのか、何を買いたいのかも理解しています。
私たちの顧客層は、子供をスタイリッシュに見せたい母親たちです。スタイリッシュで高品質な服が欲しいのです。しかし同時に、莫大な金額を支払う必要はありません。そして、消費主義が至る所に蔓延しているこの世界では、本当に特別でユニークなものを維持しているブランドがあるのはとても素晴らしいことだと思います。私たちは過剰生産しないように細心の注意を払っています。ですから、商品が売り切れたら、そこで終了ですし、それはとても特別なことだと思います。私たちはブランドとしてだけでなく、セールスという枠を超えたライフスタイルも表現しようとしています。ですから、ラ・コケタの世界は、美的感覚、生き方、旅の仕方などを含めた私のライフスタイルを象徴しています。
さらに、ラ・コケタがとてもユニークなのは、スペインの職人や家族経営の企業と協力していることです。彼らは主に、手染めやハンド・スモッキングに重点を置いています。職人さんたちの仕事ぶりは本当に素晴らしく、中には、製作に6時間ほどかかるものもあります。ご存知の通り、これは機械ではなく、職人の手による作業です。手作業によるハンド・スモッキングは、まさに愛情と技術、そして忍耐の結晶と言えるでしょう。また、このドレスのプリント柄ですが、これは実際手描きなのです。私たちには、これらの美しいプリントを作成するプリントデザイナーがいます。私たちは、お客様がラ・コケタの服をお買い上げになる際には、そのことを丁寧に説明するように心がけています。

ハンド・スモッキング:シャーリングの部分にあしらわれたステッチ

裏側に小さな結び目が見えます。これを作るのに約6時間かかるとのこと
また、ドレスにあしらわれた刺繍はすべて手刺繍です。これはマダガスカルで作られていますが、マダガスカルには職人の伝統が非常に素晴らしいのです。プロダクションの80%はスペインで行っていますが、私たちは世界各地で特別な職人さんたちを常に探しています。しかし、現在私たちが抱えている問題は、スペインの職人のほとんどが引退しているということです。彼らの平均年齢は55歳で、私たちは供給を満たすために、新しい職人を開拓しなければなりません。明らかに私たちのビジネスは成長しているからです。
確か、以前に沖縄の大宜味(村)を訪れたときに、織物を見て、「なんて素晴らしいんだろう」と思いました。大宜味の人たちと一緒にラ・コケタのために何かできる可能性はあるでしょうか? 私は工芸、伝統工芸に大変興味があり、それは私やラ・コケタにとって不可欠で、まさに私たちのブランドを定義づけるものなのです。

マダガスカルの手刺繍があしらわれたドレス
──子供服を作る上で最もやりがいを感じる瞬間は何ですか?
私にとって、やりがいを感じる源はたくさんあります。まず第一に、私のチームです。ラ・コケタでは、私たちは皆、ここで共に働くことをとても誇りに思っています。私は非常に長い間、同じ経営陣と仕事をしてきました。マネージング・ディレクターとは11年間、ファイナンシャル・ディレクターや収入責任者とも長年一緒に仕事をしてきました。同じ人たちと一緒に始めて、同じ人たちと一緒に成長できることは、とても満足のいくことです。
また、お客様が何度も戻ってきてくれることがとても嬉しいです。赤ちゃんが生まれてすぐに、私たちのブランドや仲間と触れ合えば、その後何度も戻ってきてくれると分かっています。それは私にとって大きな報酬で、私の努力すべてが報われるのです。そして、私が最後に幸せを感じるのは、トラディショナルな子供服を普及させることです。時代を超越した服、つまり、何世代にもわたって着られ、長持ちし、見た目も変わらない服を作ることです。服を通して、子供の人生を記録しているのです。
ファッションだから表面的なものに思えるかもしれませんが、そこにはとても奥深く知的な側面があると思います。服を通して、家族生活における大切な瞬間、お祝いしたい大きな出来事を語ることができるのです。そして今やソーシャルメディアのおかげで、お客様のそうした瞬間すべてに触れることができるようになりました。私にとって大きな喜びの源泉です。
──先ほども少し話がでましたが、サステナビリティについてもう少しお話いただけますか?
私たちのサステナビリティとは、その衣服を次の世代に受け継ぐことができるということです。大切にすれば、5兄弟にわたって私たちの服を着ることができると確信しています。そして、人々は本当にそのことを評価してくれています。
また、小さな製造業者をサポートします。彼らは私たちに技術を教えてくれますが、実際それは、私たちが今生きている世界で本当に不足しているものなのです。忍耐、献身、反復作業……残念ながら、それらはAIの到来とともに消え去ろうとしています。
──「Plant for the Planet」について教えてください。本当に素晴らしい慈善活動です。

Plant For The Planetのアンバサダーを務めるセリアの5人の子供たち
夫と私は地球のために、100万本の木を植えることを約束し、これまでに80万本を植えました。当初は5年間で100万本を植える予定でしたが、政治的な制約や行政上の問題など、私たちのコントロールが及ばない理由から、残念ながら5年以上かかってしまっています。
今は、南スペインに木を植えることに尽力しています。この場所は非常に暑く、砂漠化しつつあります。気候を維持するために、木を植える必要があるのです。
──南スペインというのは、あなたにとって思い出深い場所だからでしょうか。あなたはグラナダ出身ですよね。
そうです。グラナダ渓谷には、かなり多くの木を植えました。さらにスペイン最大の自然保護区であるドニャーナ公園にも植樹しました。そして、メキシコの東海岸などでも植樹活動を行っています。というのも、私たちは100万本の木を植えたいと思っており、それをできるだけ早く実現したいと考えているからです。
正直なところ、スペインでは政治的な制約や行政上の問題などから、植樹が非常に難しい場合があります。(植樹するための)土地を獲得するのに本当に長い時間がかかるのです。まだ残り20万本の木を植える必要がありますが、うまくいけば今後3年以内に、100万本を達成したいと考えています。とても誇りに思っていますし、本当にワクワクしています。
──つい先日発表されたばかりの、ニッキー・ヒルトンとのコラボレーションについて教えてください。このコラボはどのように実現したのですか?

Nicky Hilton x La Coqueta Ivory Edie Girl Dress
ニッキーはもう10年近くラ・コケタのお客様だったのです。彼女のご家族もそうで、ヒルトン家の子供たちの服を何年も前から作っているのです。最初はインスタグラムでチャットしていただけだったのですが、ある日私たちが企画したイベントにニッキーを招待しました。その時、ニッキーは、一緒にコラボレーションできたら素晴らしいと言ってくれました。私にとっては、迷うことはありませんでした。というのも、彼女はまさに私たちのお客様が求めているもの、つまり品質、家族、職人技、そして時代を超越した手仕事といったものを体現しているからです。
このコラボレーションは、基本的にニッキーの家族の古い写真に基づいており、そこから一緒に、コレクションを作成しました。たとえば、ニッキーは猫の大ファンで、彼女は家にたくさんの猫を飼っているので、小さな猫の顔のドレスを作りました。また、ニッキーの人生のさまざまな瞬間の写真に基づいて描いたトワル・ド・ジュイ(Toile de Jouy: ジュイの布。フランスの伝統的な風景や花柄の生地)をデザインしました。プリントをよく見ると、セントラルパークに赤ちゃんと小さな犬と一緒にいるところや、ニューヨークでガールズたとと一緒にいるところ、イタリアのコロッセウムでの彼女の素敵な結婚式の日、さらにパリでの休日の様子などが登場しています。

ニッキー・ヒルトンの人生のさまざまな瞬間を収めた写真に基づいて描いたプリント

Nicky Hilton x La Coqueta Pink Toile de Jouy Theodora

スカラップカラー(帆立貝のように縁取った襟)にあしらわれた猫の刺繍
──このコラボでのニッキー・ヒルトンの役割を教えてください。
ニッキー・ヒルトンの役割は、非常に重要です。なぜなら、彼女はブランドを代表する上で絶対に欠かせない存在だからです。彼女はマーケティングという大きな役割を担っていますが、これはしばしば過小評価されがちです。そして、このコラボレーションを通して、私はニッキーから本当に多くのことを学びました。美的センスのすべては彼女から来ているのです。
型は私たちふたりが作成し、残りはラ・コケタが担当、職人たちと協力して作っています。つまり、この背後にあるデザインの意図はすべて、ニッキーと彼女のデザインセンスから来ているのです。彼女は私たちの世界をとてもよく代表しています。

上品なストロー・ボーター・ハットはピンクのリボンでガーリーに
──興味深いのは、母娘のお揃いが出来るという点です。このアイデアはどこから来たのですか?

ミニ・ミー・ コレクション。ブルー・ボウ・フローラルは、ブルーとホワイトのフェミニンな花柄が特徴
これもニッキーのアイデアなのです。ニッキーが、「娘たちと同じような服を着るのが夢なの。そういうのがあったらいいと思わない?」と言ったのです。そこで、母と娘がお揃いのミニ・ミ―(Mini Me)コレクションを作ることにしました。ある意味、子供が小さいうちしかできないので、(子供とお揃いが着れる)機会は本当に短い、だから、お母さんにとってもとても楽しいのです。
お母さんの服は、仕立てがとても快適で伸縮性があるので、妊娠していても、赤ちゃんを産んだ後で、体型が変わってしまっても、女性の絶えず変化する体に適応するというアイデアもあります。私は13年間出産をしていませんが、それでもこれを着ています(笑)。
──(笑)。もっと早くこのような服が欲しかったです。私が妊娠していた時は、マタニティウェアって本当に最悪でした。 実用性がすべてでとても退屈でしたから。このコレクションの中で特に好きなものはありますか?
一番好きなのはセオドアのドレスです。これは、ニッキーの娘さんたちにちなんで名付けられたんです。彼女には娘が2人と息子が1人いるのですが、コレクションのすべてのドレスには、彼女の家族の名前が付けられているのです。セオドラのドレスは、思い出のタペストリーがあしらわれているというアイデアが好きなのです。
それに、このドレスが次の世代に受け継ぐことを考えてみてください。ニッキーがこれを家族や孫たちに贈ることが出来るのです、なんて美しい遺産でしょう。ドレスにはたくさんの思い出が詰まっているんですから、本当に素晴らしいと思います。
──このニッキー・ヒルトンとのコラボレーションもそうですが、ラ・コケタは、頭から足元まで、トータル・コーディネートをオファーしているところが本当にありがたいと感じます。
それが私たちをかなりユニークにしている点でもあります。トータル・ルックを購入できるというところ、それは、「ラ・コケタ」ブランド名にも由来しています。先ほども説明したように、La Coquetaは、きちんとした身だしなみを意味しますが、非常に重要なのは、お客様が当店に来れば、ドレス、カーディガンまたはセーター、タイツまたはソックス、スペイン製の革靴、美しいリボンとコートをトータル・ルックで購入できるのです。
例えば、当店のニットウェアのデザインはかなりシンプルです。というのも、ドレスはプリント柄が多いからです。このように、お客様が自由に組み合わせることで、全く異なる印象のスタイルを実現できるのです。先ほど、ラ・コケタの独自性についてお話しましたが、トラディショナルなファッションだけでなく、常に現代的な要素を取り入れていることも、私たちの強みのひとつです。
一方で、伝統的なピンクのドレスに、クールなメタリックシューズを合わせることもできます。つまり、すべてを完璧にコーディネートしたいという伝統的なお客様もいらっしゃいますが、ファッション界や映画界の人など、もう少し冒険的なスタイルを求める方もたくさんいらっしゃるのです。このように、幅広い顧客層にアピールしています。

美しいヘアガーランド:1本を手作りするのに1週間ほどかかります

ヘアアクセサリーはすべてハンドメイド。1970年代から続くスペインの家族経営のアトリエで生産されています

レザーシューズは、柔らかくしなやかな手触りと耐久性で知られる、スペイン南部産の革を使用しています
──では最後に、日本の顧客、日本の読者へのメッセージをいただけますか?
まず、5人の子供たちと日本を訪れた際、この国にとても感銘を受けました。信じられないほど美しいだけでなく、本当に心に響いたのは伝統でした。そして、それはラ・コケタの価値観と、家族としての私の価値観と多くの共通点があると感じました。職人技、物事に時間をかけること。そして、私はその伝統的な部分にとても惹かれました。
ご存知のように、日本は世界で最も古い皇室ですよね? つまり、何世紀にもわたる伝統があるということです。そして、それは私にとって本当に心に響きました。品質と職人技に対する生来の感謝の念を感じました。そして、きちんと作られた服、そして人々の服装に対する意図が大好きです。日本のマーケットにもっと積極的に関わり、開拓できればと思います。なぜなら、(イギリスでは)日本のお客様がラ・コケタをとても気に入ってくれているのを分かっているからです。

セルフリッジ店のショップアシスタント、ナディアさんが丁寧に応対してくれます
実は私自身も、子供服販売に関しては知識があるので、いろいろと話し込んでしまいました。セリアは5人の子育てと同時に起業し、ラ・コケタをグローバル・ブランドまで成長させた人。また彼女のライフスタイルは、ファッションだけでなく、インテリアやトラベル、教育まで、イギリス各誌でも常にフィーチャーされ、取材も引っ張りだこなのです。セリアの自宅や別荘が雑誌などで紹介されることも度々あるのですが、
かく言う私も、実は彼女のグラナダにある邸宅にお邪魔し、アルハンブラ宮殿の見えるテラスでスペイン産の美味しい赤ワインをごちそうになったことがあります。多忙な中、いつも気を遣ってくれて、今回もミーティングを抜けて、取材に応じてくれました。
現在、ホームグラウンドであるロンドンでは、ノッティングヒルにあるフラッグシップ店をはじめ、セルフリッジ、ハロッズで展開。さらにアメリカ・カリフォルニア州各地の独立系セレクトショップ「ポピーズ」でもコレクションの取り扱いがあるほか、2026年春にはニューヨークにも出店予定。
また、国際オンラインストアでは、日本にも発送可能です。

キャサリン妃をはじめ、キーラ・ナイトリーやケイト・ハドソン、ミランダ・カーなど、セレブにも大人気のラ・コケタ。ショップはこちら(↓)。

■近藤麻美
99年に渡英。英国のニュース、海外ドラマ、イギリス生活、食、教育、音楽、映画、演劇、歴史、ファッション、アートなど、英国にまつわる文化の多岐に渡る記事を執筆している。
linktr.ee/mamikondohartley
ご連絡は、mamikondohartley@gmail.comまで。
X:https://x.com/mami_hartley
Instagram:https://www.instagram.com/mamimoonismine
note:https://note.com/mamikondo_london
Link
https://www.lacoquetakids.com/
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