ロイヤル・オペラ『トスカ』12月19日から全国公開、アンナ・ネトレプコ6年ぶり復帰で新演出上演

プッチーニの名作オペラ『トスカ』が、2025年12月19日（金）から全国の映画館で1週間限定公開されます。英国ロイヤル・オペラ・ハウスで10月1日（水）に上演された新演出を収録した本作は、世界的ソプラノ歌手アンナ・ネトレプコが6年ぶりにロイヤル・オペラに復帰した話題作で、美と暴力が交差する濃密な人間ドラマを大スクリーンと迫力の音響で楽しめます。

新シーズン幕開けを飾る新演出『トスカ』

本作は「英国ロイヤル・バレエ＆オペラ in シネマ 2025/26」の新シーズン第1弾として上映されます。ロイヤル・オペラ・ハウスのオペラ部門ディレクター、オリバー・ミアーズによる新演出に加え、2025年から音楽監督に就任したチェコ出身の指揮者ヤクブ・フルシャが初めてタクトを振る注目のプロダクションです。フランス革命期のローマを舞台に、歌姫トスカと画家カヴァラドッシ、警視総監スカルピアの三者が織りなす愛と死の物語が、現代的な視点で描かれています。

上映時間は3時間13分で、料金は一般3,700円、学生2,500円となっています。TOHOシネマズ日本橋、イオンシネマシアタス調布、大阪ステーションシティシネマなど全国11か所の劇場で、12月19日（金）から12月25日（木）まで上映されます。

アンナ・ネトレプコ6年ぶりの復帰

トスカ役を演じるアンナ・ネトレプコは、2019年の『運命の力』以来6年ぶりにロイヤル・オペラに登場しました。近年は政治的な理由で出演に抗議デモが起きるなど逆風に晒されてきましたが、本公演での熱唱は英国の観客と批評家から大きな喝采を浴びました。彼女の存在が、新制作『トスカ』に現代的な緊張感と重層性をもたらし、作品の普遍性を際立たせています。

『トスカ』は主演ソプラノの演技力が極めて重要な作品として知られ、原作戯曲を演じたサラ・ベルナールの伝説を受け継ぐように、歴代の大歌手たちが演技力と存在感を競い合ってきました。オペラでありながら、歌唱と同じ比重で「演じる力」が問われる稀有な演目です。

美と暴力が交差する物語

ロイヤル・オペラ『トスカ』

『トスカ』はジャコモ・プッチーニ作曲のオペラで、「歌に生き、恋に生き」「妙なる調和」「星は光りぬ」など数々の名アリアで知られています。しかしその美しい旋律とは裏腹に、舞台では嫉妬、拷問、裏切り、死が連鎖する凄惨な人間ドラマが展開されます。甘美な音楽と陰惨な物語のコントラストこそが、この作品の大きな魅力です。

物語は1800年のローマが舞台で、革命思想を持つ画家カヴァラドッシが脱獄した政治犯を匿ったことから始まります。警視総監スカルピアは美貌のオペラ歌手トスカに目をつけており、恋人カヴァラドッシを処刑してトスカを手に入れようと企みます。恋人の命と引き換えに一夜を共に過ごすことを迫られたトスカは、最後の瞬間にスカルピアに立ち向かい、悲劇的な結末を迎えます。

映画館で楽しむロイヤル・オペラ

「英国ロイヤル・バレエ＆オペラ in シネマ」は、ロンドンのコヴェント・ガーデンにあるロイヤル・オペラ・ハウスで上演された世界最高峰のオペラとバレエを、特別映像を交えて映画館で楽しめる企画です。2025年12月19日（金）から2026年7月9日（木）まで、全9演目が各1週間限定で順次公開されます。

映像監督ピーター・ジョーンズによる撮影で、大スクリーンならではの迫力と、ライブ観劇とは異なる角度や距離感で舞台を体験できます。カヴァラドッシ役はフレディ・デ・トマーゾ、スカルピア男爵役はジェラルド・フィンリーが演じ、ロイヤル・オペラ合唱団とロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団が演奏を担当しています。

公開詳細

指揮: ヤクブ・フルシャ（ロイヤル・オペラ・ハウス音楽監督、2025年就任）
演出: オリバー・ミアーズ（ロイヤル・オペラ部門ディレクター）
映像監督: ピーター・ジョーンズ
出演: アンナ・ネトレプコ（フローリア・トスカ役）、フレディ・デ・トマーゾ（マリオ・カヴァラドッシ役）、ジェラルド・フィンリー（スカルピア男爵役）
作品情報: 2025年 / イギリス映画 / 英語 / 原題 : Tosca
公開日: 2025年12月19日（金）～12月25日（木）（1週間限定）
上映劇場: 札幌シネマフロンティア、フォーラム仙台、TOHOシネマズ日本橋、イオンシネマシアタス調布、TOHOシネマズ流山おおたかの森、TOHOシネマズららぽーと横浜、ミッドランドスクエアシネマ、イオンシネマ京都桂川、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ西宮OS、kino cinéma天神（全11劇場）
料金: 一般3,700円、学生2,500円
配給: 東宝東和