ブレグジット後の15年間に英国で起こり得るディストピア社会を描いた話題騒然のドラマ『2034 今そこにある未来』が配信開始

『2034 今そこにある未来』場面写真

2019年から2034年までの15年間の社会情勢を、英国マンチェスターに住む、とある一般家庭の視点でブラックユーモアたっぷりに風刺したBBCとHBOの共同製作によるドラマ『2034 今そこにある未来』がスターチャンネルEXで配信スタート。

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過激な展開も含め実際に起こりうると思わせる未来予測を交えつつ、社会情勢や政治がごく普通の市民にどんな影響を与えるかを辛辣に描き、米ワシントンポスト紙が「2019年最高傑作のひとつ」と絶賛した一方、中国では放送禁止にもなった問題作。

エマ・トンプソンが過激な発言を繰り返すトランプ前大統領を思わせる政治家をコミカルに演じている点も見どころで、クリエイターは『ドクター・フー』『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』を手がけた脚本家ラッセル・T・デイヴィス。

予告映像では、エマ・トンプソン演じる経済界出身の政治家が国民を扇動するような過激なスピーチを繰り広げる姿と、不安定な社会情勢の影響を受けながらも生き延びようとするマンチェスターの一家の様子が映し出されます。

世界が混乱に陥るなか家族を待ち受けるのは、お先真っ暗な世の中なのか、果たして栄光の未来は来るのか……!?

ブラックユーモアたっぷりにEU離脱後の世界を痛烈に風刺

『2034 今そこにある未来』場面写真

英国が正式にEU離脱する前の2019年5月に放送が始まった本作は、この先どうなるのかという英国民が抱いていた不安をある一般的な家族に投影していきます。

「トランプ大統領二期目に再選」「IQスコアの低い国民から選挙権を剥奪する法案」など、彼らの周りで起こる社会変遷や金融破綻、異常気象、伝染病の猛威、世界中の政情不安とそれに伴う難民の問題などで変わりゆく世界がいかに普通の人々の生活を変えていくかを等身大で描き、世界に警鐘を鳴らしているのです。

家族ドラマの形で国際社会に警鐘を鳴らし、批評家やメディアが高く評価

『2034 今そこにある未来』場面写真

本作はRotten Tomatoesで視聴者&批評家票ともに89%、Imdb8.3の高評価を獲得。

米Critics’ Choice Television Awards (2020)では作品賞と助演男優賞(ラッセル・トーヴィー)、助演女優賞(エマ・トンプソン)にノミネートされましたた。

ワシントンポスト紙は「2019年最高傑作のひとつ」、ニューヨーカー誌は「私たちに警鐘を鳴らす作品」、米公共ラジオ局NPRは「身震いするほど怖くて共感できる」、フィナンシャルタイムズ紙は「世界情勢の予言のような展開にも、素晴らしいキャストアンサンブルのおかげで感情移入できる」など賞賛の声が寄せられています。

エマ・トンプソンら、英国を代表するキャストが出演

『2034 今そこにある未来』場面写真

過激な発言が人気のビジネスウーマンが首相に上り詰めるという、いかにもトランプ大統領を彷彿とさせるキャラクターをエマ・トンプソンがコミカルに演じているのが大きな見どころ。

環境保護活動家としても知られるトンプソンは、ラッセル・T・デイヴィスの“ジョージ・オーウェル級”の脚本を読みそのリアルさと恐ろしさに惹かれたと明かしています。

また、物語の軸となるライオンズ家のメンバーにはロリー・キニア(『007』シリーズ)、デイヴィス作品の常連とも言えるジェシカ・ハインズ(『ドクター・フー』)、ラッセル・トーヴィー(『ドクター・フー』)、リディア・ウエスト(『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』)たちが出演し、等身大の家族を好演しています。

『ドクター・フー』のラッセル・T・デイヴィスが紡ぐ「家族の愛の物語」

『2034 今そこにある未来』場面写真

『ドクター・フー』『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』などを手がけた英国を代表する脚本家ラッセル・T・デイヴィスは、文字通り何年も(years and years)この作品の構想を温めていました。

2016年に米国でトランプ氏が大統領になり、英国でEU離脱をめぐる国民投票が行われたりと大きな出来事が目まぐるしく起きるのを目の当たりにし、ひとつの家族を通してこのストーリーを伝えたいと感じ、本格的に制作に向けて動き出したと明かします。

彼にとって『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』や日本未上陸の初期代表作である『Queer as Folk(原題)』など多様性をめぐるテーマを扱う作品を作るのはストーリーテラーとしての使命であり喜びであり、ライオンズ家の構成もまさに多様性の縮図となっています。

『2034 今そこにある未来』場面写真

彼の言葉では本作は「マンチェスターのライオンズ家がこの15年間をどのように生き抜くかを描いた、家族の愛の物語」。

最愛の夫を亡くした直後に最終回を書いたというデイヴィスは視聴者に「この作品を見て、家族を愛するということを忘れないで欲しい」とメッセージを送っています。

近未来ガジェットにも注目

『2034 今そこにある未来』場面写真

インスタグラムの顔フィルター機能のように表情をホログラムで表せるマスク、脳とネットを連動させる人工知能を体に埋め込む手術、周囲の人のネット接続をワンクリックで切断できる装置、家庭用ロボット、90代の祖母も普通にスマートスピーカーを使って日常的に家族でグループ通話をするなど、一般家庭に登場する近未来ガジェットも興味深く取り上げられています。

インクルーシヴでダイヴァーシティなこれからの家族の形を具現化

『2034 今そこにある未来』場面写真

四世代に跨る家族の中に、異なる人種・性的指向・性自認・政治思想・身体的境遇、さらに経済的格差などあらゆる要素を凝縮。車椅子のロージー役には実際に肢体不自由の女優を起用するなど、リアリティも重視されています。

Story

2019年、ビジネスウーマンのヴィヴィアン・ルックがコメンテーターとして過激な発言を繰り返し注目を集める。

ある日ライオンズ家の末妹でシングルマザーのロージーが第2子を出産するが、彼女の兄ダニエルは「こんな世の中に生まれてくるなんて」と生後間もない甥の将来を危惧する。

それから5年経った2024年の冬、祖母の誕生日祝いに集合した一家を、世界を揺るがす驚愕のニュースが襲う……。

2034 今そこにある未来(全6話)

『2034 今そこにある未来』メインヴィジュアル

 

脚本・製作総指揮
ラッセル・T・デイヴィス
監督
サイモン・セラン・ジョーンズ、リサ・マルケイ
出演
ロリー・キニア、エマ・トンプソン、ジェシカ・ハインズ、ラッセル・トーヴィー、リディア・ウエストほか
作品情報
2019年 / イギリス・アメリカ / 英語 / 原題 : Years and Years
配信・放送
スターチャンネルEX(2月5日(土)まで第1話無料配信)、BS10 スターチャンネル

©Years and Years Limited 2019

Link

https://www.star-ch.jp/drama/2034

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