映画『マイ・ジェネレーション』トークイベントをレポート!

1月5日より全国順次公開される、マイケル・ケインがスウィンギング・ロンドンの時代を案内する映画『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』の公開記念トークイベントが12月26日に開催されました。

ミニスカート、ボブ・ヘアー、ロックンロール──初めて若者たちによって未来が作られた60年代、イギリス。今なお世界に影響を与えるUKストリート・カルチャー“スウィンギング・ロンドン”の誕生と熱狂を、貴重なアーカイヴ映像と楽曲満載で描くドキュメンタリー映画『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』。本作の字幕監修を務めたピーター・バラカン。60年代に青春時代を過ごし、時代の空気感を直接感じていたバラカンの当時のイギリスの雰囲気から音楽のことまで、MCの奥浜レイラと共に熱いトークが繰り広げられました。

 

本編上映後、MCの奥浜レイラ呼びかけでピーター・バラカンが登場。映画を観終わった観客の大きな拍手で迎えられイベントがスタートしました。

 

まず、奥浜より映画の感想を聞かれると、バラカンは「本作で描かれている1960年代はまさに僕の青春時代だから、何とも言えない懐かしさがありました。それと同時にこの時代は自分が子供だった時なので、今映画を通して60年代を見直すことができるのはまた時代の見え方が変わってくるし、当時自分が意識していなかった社会への変革もなるほど、と思うことがずいぶんありました」と率直な感想を述べました。

 

本作で使用されているアーカイヴ映像は未公開のものがかなりの部分を占めているようですが、珍しいと思った映像は? という質問に対して「これらの映像は主にTV用に撮られたものではないかと思います。昔コメディドラマを撮っていたスタッフが本作でもクレジットされていて、とても懐かしくなりました。また、60年代を如実にとらえているものが多く、そしてカット割りがすごく早いんですよね。何回も観てやっと気が付くこともありました」と回答。

 

また、奥浜より「イギリスの階級制度とアクセントが密接につながっていたことに驚いた」と投げかけられると、「今もありますが、昔は階級社会がもっと顕著で、イギリス人にとってはそれが当たり前の時代でした。イギリス人は“口を開けば誰かに嫌われる”という格言みたいな言葉があります。要するに口を開けばそのアクセントで階級がすぐにわかってしまう。そしてどういう人か判断されてしまうのです。一方で僕が20代で日本に来た時は、アクセントがどうこうというよりは会って5分くらいで大学を探り合いそれで優劣をつけようとしていましたよね。どこの国でもそういうことがあるのだなと思いました(笑)こういうものは潜在意識で持っているものですから、ビートルズが持つ力は本当にすごいと思いました。彼らはリヴァプールのアクセントで歌っていたし、インタヴューもされていました。それによって人々の価値観もだいぶ変わりましたし、逆に、中流階級の標準語を話す人がわざわざ労働者階級的なアクセントで喋ったりすることが多くなったんです。その方がカッコよくなってしまった。60年代からその後も少なくとも音楽の世界ではずっと労働者階級のミュージシャンがかっこいいとされていますよね。とにかく若者が主役になれたことも画期的だったと思います。どこの国でもそうなったと思いますが、イギリスがとても早かったのではと思います」と述べました。

 

 

また、日本でもなじみ深いヴィダル・サスーンやミニスカートの発案者メアリー・クヮントはいかがでしょうか? という問いに対しては「彼らもビートルズと同じ時代に革命を起こした人たちですよね。モデルのツィギーも雑誌を開けば必ず彼女がいて、今のモデルの形を作ったとも言っていいと思います。」と答えると、奥浜も「それも新しい形なのではと思われますよね」と納得の様子。

 

そして劇中で使われている音楽については「キンクスやアニマルズの曲など、使用されている楽曲が映像や内容とかなりリンクしており、確かにこの時代はこうだったと思えることが多く、歌詞もぴったりでしたね」とコメント。

 

さらに、音楽映画のつながりとして今大ヒット中の『ボヘミアン・ラプソディ』をどのようにとらえているかという問いに対しては、「音楽を題材とした映画が日本でここまでヒットするのは驚きました。ひとつの娯楽映画としてすごくよくできていると思いました。日本では洋楽を聴く人口がかなり減っているから何かこれをきっかけにおもしろい音楽が海外にもあるんだなと知ってもらいたいですね」と願望も語りました。

 

最後に観客から字幕監修に関する質問が出ると、「いくつかイギリス人にしかわからないニュアンスの表現があったので気を配りました。また、固有名詞のカタカナ表記は仕事を受ける時からかなりこだわりました!」と字幕に込めた思いを語りトークを締めくくりました。

 

 

■Film info
『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』

監督 : デイヴィッド・バッティ
プレゼンター、プロデューサー : マイケル・ケイン
出演 : マイケル・ケイン、デイヴィッド・ベイリー、ポール・マッカートニー、ツィギー、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フーほか

2017年 / イギリス / 英語 / 原題 : MY GENERATION
配給 : 東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
公開 : 2019年1月5日(土)よりBunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー
© Raymi Hero Productions 2017

 

■Link
https://mygeneration-movie.jp/

 

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