「Wales and Japan 2025」イヤー開幕:ウェールズと日本の絆を深める1年間

「Wales and Japan 2025」プレスローンチイベント

ウェールズ政府は2025年を「Wales and Japan 2025」とし、日本との友好関係を示すキャンペーンを1年間にわたり開催します。大阪・関西万博でのウェールズデーや文化交流イベントなど、多彩なプログラムが予定されています。




「Wales and Japan 2025」の概要

国際外務本部局副局長フィオン・トーマス氏

フィオン・トーマス氏

「Wales and Japan 2025」は、ウェールズと日本の長年にわたる友好関係を祝福し、さらに深化させることを目的としたキャンペーンです。2025年1月9日(木)に駐日英国大使館で行われたプレスローンチイベントでは、国際外務本部局副局長のフィオン・トーマス氏が来日し、キャンペーンの概要を説明しました。

「Wales and Japan 2025」プレスローンチイベント

この1年間で予定されているイベントには、文化活動やスポーツ交流、ビジネスセミナーなど、多岐にわたるプログラムが含まれています。特に注目すべきは、2025年大阪・関西万博へのウェールズの参加です。英国パビリオンの公式パートナーとして、4月29日(火・祝)と6月24日(火)にウェールズデーを開催する予定です。



文化交流イベントのハイライト

セント・デイヴィズ・デイの祝賀行事

 

Welsh traditional dress, Pierhead, St David's Day / Gwisg Gymreig draddodiadol, Pierhead, Dydd Gŵyl Dewi 2009

Photo : Senedd Cymru / Welsh Parliament

2月28日(金)には、ウェールズの守護聖人を祝福するセント・デイヴィズ・デイのレセプションが駐日英国大使館大使公邸で開催されます。ウェールズの青少年国際団体Urdd Gobaith Cymru(アゥルズ・ゴバィス・カムリ)から若いシンガーたちが来日し、歌を通してウェールズの文化を伝えます。

また、Urdd Gobaith Cymruの青少年シンガーは、3月2日(日)にFCCJ(日本外国特派員協会)で開催されるセント・ディヴィズ・デイ祝賀晩餐会(日本ウェールズ協会主催)でも、歌の国ウェールズを代表してパフォーマンスを披露します。当レセプションでは、Urdd Gobaith Cymruに加え、「マビノギオン(Mabinogion) / 中世のウェールズ語写本より収集した神話・伝承」の紹介も企画されています。

ブラスバンドの日本ツアー

 

Tongwynlais Temperance Band

Tongwynlais Temperance Band

4月14日(月)から21日(火)にかけて、Tongwynlais Temperance Band(トングインライス・テンペランス・バンド)が日本ツアーを行います。ウェールズのブラスバンド文化を日本の聴衆に紹介する貴重な機会となるでしょう。

アニメとの繋がり

 

ブレナヴォン製鉄所

ブレナヴォン製鉄所

世界的なアニメーターで、スタジオジブリの創設者のひとりである宮崎駿監督とウェールズの関係にも触れられています。宮崎監督は、同スタジオの1作目『天空の城ラピュタ』の制作にあたり、南ウェールズの渓谷に作品のインスピレーションを求めました。ウェールズを2度訪れた宮崎監督は、映画の中の多くの風景をウェールズの鉱山の町をもとに描いたというエピソードは、両国の文化的つながりを象徴しています。

C.W.ニコル氏の貢献

 

ウェールズ出身のC.W.ニコル氏は、日本の自然環境保護に大きな貢献をしました。日本国籍を取得したニコル氏は、ウェールズの森林再生の経験を活かし、長野県黒姫の荒れた里山を「アファンの森」として再生させました。この森は故郷ウェールズの森にちなんで名付けられ、現在も「アファンの森財団」によってSDGsに繋がる活動が継続されています。ニコル氏の取り組みは、ウェールズと日本の自然保護における深い絆を示しています。



ラグビーを通じた友好関係

ウェールズと日本の関係において、ラグビーは重要な役割を果たしています。2019年のラグビーワールドカップ開催時、北九州市はウェールズ代表チームの「第二の故郷」となりました。この経験を基に、両国の小中学校の姉妹校交流や、ラグビーコーチ・審判の育成など、スポーツを通じた交流が続いています。

2025年の夏には、ウェールズ男子代表チームが日本代表チーム(ブレイブ・ブロッサムズ)とテストマッチを行う予定です。このような交流は、単なるスポーツイベントを超えて、両国の文化的理解を深める機会となるでしょう。

持続可能な未来に向けた取り組み

未来世代のためのWell-being法

「Wales and Japan 2025」では、文化交流だけでなく、持続可能な未来に向けた取り組みも重要なテーマとなっています。ウェールズの「未来世代のためのWell-being法」は、2025年に制定10周年を迎えます。この法律は、世界的な環境政策に影響を与え、2025年大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」とも共鳴しています。

4月には、この法律に関する円卓会議(ラウンドテーブル)が開催される予定です。日本の未来志向社会のビジョンとウェールズの取り組みが結びつき、国際社会における持続可能性の取り組みに新たな視点を提供することが期待されます。

ウェールズのドラゴンをモチーフにした特別な駅スタンプ

「Wales and Japan 2025」プレスローンチイベント

ローンチイベントでは、日本とウェールズのさまざまなつながりを描いた、「Draig Goch(ウェールズのドラゴン)」をモチーフにした特別な駅スタンプのお披露目もされました。イラストを手がけたのは、著名なウェールズ人イラストレーターのジョナサン・エドワーズ氏です。同氏は以前にも、大阪、東京、奈良で展覧会を開催しているほか、2021年春夏コレクションのプロモーションのため、阪急百貨店のショーウィンドウのアートワーク制作も行いました。



「Wales and Japan 2025」プレスローンチイベント

「Wales and Japan 2025」は、ウェールズと日本の長年の友好関係を祝福し、さらに深化させる絶好の機会です。文化、スポーツ、持続可能性など、多岐にわたるテーマで両国の交流が行われることで、相互理解がさらに深まることでしょう。

この1年間の取り組みを通じて、ウェールズと日本の関係が新たな段階に入ることが期待されます。両国の文化的な豊かさや独自性を尊重しながら、共通の課題に取り組む姿勢は、グローバル社会における模範的な国際関係のあり方を示しているといえるでしょう。

 

Link

https://www.wales.com/ja

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