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25歳で夭折した天才画家ビアズリーの展覧会がV&Aとの共同企画で三菱一号館美術館で開催
19世紀末のロンドンで活躍し、わずか25歳で夭折した天才画家オーブリー・ビアズリーの展覧会が、2025年2月15日(土)から5月11日(日)まで三菱一号館美術館で開催。大胆な白黒のコントラストや妖艶な装飾、日本美術の影響など、多面的な魅力に迫る好機であり、アール・ヌーヴォー期の芸術の精髄に触れることができます。
英国の奇才ビアズリーとは
オーブリー・ビアズリー《アーサー王は、唸る怪獣に出会う》1893年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
Photo: Victoria and Albert Museum, London
1872年にイギリスのブライトンで生まれたオーブリー・ビアズリーは、幼少期から結核を患いながらも、卓越した画才を発揮しました。白黒を巧みに使い分けた線描表現や妖艶なモチーフで知られます。肺結核を抱えながらも短期間に精力的な創作を行い、オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』や『アーサー王の死(Le Morte d’Arthur)』などの書籍挿絵を手がけました。彼の作品はアール・ヌーヴォーの流れやジャポニスムの影響を色濃く受けており、当時の欧州美術界に衝撃を与えました。
斬新な構図と官能的モチーフ
オーブリー・ビアズリー《サロメの化粧Ⅱ》1907年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
Photo: Victoria and Albert Museum, London
ビアズリーの作品は視線を奪う斬新な構図や、細部まで緻密な描線が特徴です。とくに著名な例として、『サロメ』挿絵で見せた官能表現や、ゴシック調の装飾が挙げられます。背景を大胆に切り取って白と黒のコントラストを際立たせたり、女性や神話的モチーフを浮かび上がらせたりする手法は、数多くの芸術家に影響を与えました。
日本美術からのインスピレーション
ビアズリー自身が手紙などで「日本的なスタイル」の試行を語っており、浮世絵や版画から得た影響は彼の独特な線描に表れています。余白を活かす意識や、平面的なデザインは当時の英国では斬新な作風として受容され、のちのイラストレーション文化にも大きな足跡を残しました。
初の大規模回顧展での見どころ
オーブリー・ビアズリー《「キーノーツ叢書」の宣伝ポスター》1966年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
Photo: Victoria and Albert Museum, London
今回の展覧会は、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)との共同企画で、彼の初期から晩年までの挿絵や希少な直筆素描、さらに彩色ポスターや当時の装飾品を併せて紹介し、ビアズリー芸術の多面性を体感できる絶好の機会となります。
マロリー著『アーサー王の死』の挿絵シリーズやオスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』のために制作された作品群を中心に、ゴーティエ著『モーパン嬢』ほか後期傑作を網羅。情熱的かつ繊細な線描を身近に鑑賞できるだけでなく、ビアズリーが没頭した制作環境を一部再現し、当時の空気感に浸ることができます。
開催概要
- 会場
- 三菱一号館美術館
- 会期
- 2025年2月15日(土)~5月11日(日)
- 開館時間
- 10時~18時(祝日を除く金曜日と会期最終週平日、第2水曜日、4月5日(土)は20時まで)※入館は閉館時間の30分前まで
- 休館日
- 月曜日 ※2月24日(月)、3月31日(月)、4月28日(月)、5月5日(月)は開館
- 入館料
- 一般:2,300円 / 大学生:1,300円 / 高校生:1,000円 ※障害者手帳をお持ちの方は半額、付添の方1名まで無料
オーブリー・ビアズリーが生きた19世紀末の英国は、美術や文学の世界で大胆な実験が行われた時代です。彼の生み出す作品は、白と黒のコントラストの中に秘められた官能美や、時代を超えてなお放たれる先鋭的な感性で、多くの人を魅了しています。三菱一号館美術館の大規模回顧展では、ビアズリーが残したアートの世界を存分に堪能できるはずです。会場でしか味わえない直筆の輝きと、妖しくも魅惑的なヴィクトリア朝の空気をぜひ体験してみてください。
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