「Queen Elizabeth II: Her Life in Style」2026年開催決定!史上最大規模のエリザベス2世女王陛下ファッション展覧会

HM Queen Elizabeth II (1926-2022)

ロイヤル・コレクション・トラストが2025年7月21日(月)に発表した「Queen Elizabeth II: Her Life in Style」は、2026年春から秋にかけてバッキンガム宮殿のキングス・ギャラリーで開催される史上最大規模となるエリザベス2世女王陛下のファッション展覧会です。生誕100年を記念し、200点超の衣装や装身具で女王陛下の生涯を辿ります。



史上最大規模の展覧会概要

「Queen Elizabeth II: Her Life in Style」は、女王陛下の生誕100年を記念して2026年に開催される画期的な展覧会です。約200点のアイテムが展示され、その約半数が初公開となります。

展覧会の規模と重要性について、キュレーターのキャロライン・ド・ギトー氏は次のように述べています:「女王陛下の長い治世において、彼女の独特なスタイルは世界中で瞬時に認識され、英国ファッション業界を支え、何世代ものデザイナーやクチュリエに影響を与えました」

開催詳細情報

  • 会場:バッキンガム宮殿 キングス・ギャラリー
  • 期間:2026年春〜秋(詳細日程は後日発表)
  • チケット販売:2025年11月開始予定
  • 展示点数:約200点(約半数が初公開)


注目の展示アイテムと見どころ

展覧会では、女王陛下の人生を10の年代に分けて紹介します。幼少期から女王陛下として在位した70年間にわたる衣装の変遷を通じて、20世紀から21世紀にかけての英国王室の歩みを辿ることができます。

歴史的価値の高い衣装群

 

Queen Elizabeth II when Princess Elizabeth of York, Elliott & Fry, 1934.

Queen Elizabeth II when Princess Elizabeth of York, Elliott & Fry, 1934.

 

Bridesmaid's Dress, Edward Molyneux, 1934. © Royal Collection Enterprises Limited 2025 | Royal Collection Trust. Photographer: Jon Stokes

Bridesmaid’s Dress, Edward Molyneux, 1934. © Royal Collection Enterprises Limited 2025 | Royal Collection Trust. Photographer: Jon Stokes

最も注目される展示品のひとつが、女王陛下が8歳の時にご着用されたブライズメイドドレスです。エドワード・モリニューがデザインしたこの銀ラメとチュールのドレスは、1934年のケント公とギリシャのマリナ王女殿下の結婚式で着用されました。

 

Princess Elizabeth's Wedding Dress, Norman Hartnell, 1947

Princess Elizabeth’s Wedding Dress, Norman Hartnell, 1947

 

The Queen's Coronation Dress, Norman Hartnell, 1953

The Queen’s Coronation Dress, Norman Hartnell, 1953

また、ノーマン・ハートネルがデザインした1947年の結婚式のドレスと1953年の戴冠式のドレスも展示される予定です。これらの作品は、英国クチュールの黄金時代を象徴する貴重な遺産として位置づけられています。

外交的意味を持つファッション

 

Evening Gown, Norman Hartnell, 1961.

Evening Gown, Norman Hartnell, 1961.

展覧会では、女王陛下が国際的な場で見せた「外交的ドレッシング」の例も紹介されます。特に注目されるのは、1961年のカラチでの国賓晩餐会のために ノーマン・ハートネルがデザインした白いガウンです。このドレスは、背中に流れるエメラルドグリーンのプリーツでパキスタンの国旗の色を表現しています。


20世紀英国ファッション史の宝庫

女王陛下のファッションアーカイヴは、現存する20世紀英国ファッションの最大かつ最も重要なコレクションのひとつとされています。現在はロイヤル・コレクションの一部として管理されており、今回初めて包括的な展示が実現します。

時代を映すイヴニングウェア

 

Evening Gowns, Ian Thomas, c.1970s. © Royal Collection Enterprises Limited 2025 | Royal Collection Trust. Photographer: Jon Stokes.

Evening Gowns, Ian Thomas, c.1970s. © Royal Collection Enterprises Limited 2025 | Royal Collection Trust. Photographer: Jon Stokes.

展覧会では、各年代のファッショントレンドを反映したイヴニングウェアも展示されます。1950年代のノーマン・ハートネルやハーディ・エイミスによるクリノリンスカートのガウンから、1970年代のイアン・トーマスによる流動的で鮮やかなプリントドレスまで、時代の変遷を視覚的に体感できます。

プライヴェートスタイルの魅力

 

Hacking Jacket, Bernard Weatherill.

Hacking Jacket, Bernard Weatherill.

公式な場での華麗な衣装だけでなく、女王陛下のプライヴェートなスタイルも紹介されます。乗馬用ジャケット、タータン柄のスカート、シルクのヘッドスカーフなど、英国の伝統的なテーラリングを体現した日常着も展示予定です。


貴重な資料と制作過程の公開

「Queen Elizabeth II: Her Life in Style」の特徴のひとつは、衣装だけでなく、その制作過程を示す貴重な資料も同時に展示することです。

未公開の制作資料

展覧会では、これまで公開されたことのないデザインスケッチ、生地サンプル、手書きの書簡が展示されます。これらの資料により、「世界で最も有名な女性」の衣装制作の舞台裏と、女王陛下自身が衣装制作にどれほど深く関わっていたかが明らかになります。

公式出版物の発売

展覧会に合わせて、キャロライン・ド・ギトー氏が執筆し、ファッション専門家やデザイナーが寄稿する公式出版物『Queen Elizabeth II: Fashion and Style』が2026年3月に発売されます。価格は40ポンドで、ロイヤル・コレクション・トラストのショップや一般書店で購入可能です。


エリザベス2世女王陛下のファッション遺産における永続的価値

 

Evening Gown, Norman Hartnell, 1956.

Evening Gown, Norman Hartnell, 1956.

「Queen Elizabeth II: Her Life in Style」は、単なる衣装展示を超えて、女王陛下のファッション遺産が現代の英国ファッション界に与え続ける影響を示しています。

現代のデザイナーたち、特にリチャード・クインやアーデムなどは、女王陛下のスタイルからインスピレーションを得続けており、その影響は没後も続いています。

キャロライン・ド・ギトー氏は展覧会の意義について、「女王陛下のファッションアーカイヴがロイヤル・コレクション・トラストの管理下に入った今こそ、生涯にわたる思慮深いスタイル選択の物語を語ることができます。衣装の持つソフトパワーに対する彼女の実践的な役割と理解、そして各ガーメントの卓越した職人技まで」と述べています。

この展覧会は、エリザベス女王陛下が100歳の誕生日を迎えたであろう年に、彼女の独特な英国スタイルと永続的なファッション遺産を祝う記念碑的なイベントとなるでしょう。

Cover Photo: Portrait of Queen Elizabeth II by Baron, released to mark the Queen’s State Visit to France in April 1957.

 

Link

https://www.rct.uk/

Share
  • facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Mail

Sponsered Link

Sponsered Link

Recommends
合わせて読みたい

Sponsered Link

Sponsered Link