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英国王室公式レシピで作る!本場のパンケーキ・デイを楽しむ方法
2025年のパンケーキ・デイは3月4日です。イギリスの伝統行事であるパンケーキ・デイについて、その歴史や楽しみ方、さらに英国王室が公開している本格的なレシピをご紹介します。日本ではあまり知られていないこの興味深い行事を通じて、イギリスの食文化と伝統に触れてみましょう。
パンケーキ・デイの由来と歴史
パンケーキ・デイは、キリスト教の四旬節(しじゅんせつ)前日に行われる伝統行事です。四旬節は、イエス・キリストが40日間砂漠で過ごしたことを記念して、復活祭前の40日間を断食や節制の期間とする習慣です。
この40日間の断食期間に入る前日、家庭にある卵やバター、乳製品などの食材を無駄にしないよう使い切るためにパンケーキを作る習慣が始まりました。これが「Shrove Tuesday(懺悔の火曜日)」と呼ばれ、現在のパンケーキ・デイの起源となっています。
16世紀頃から、この日にパンケーキを食べる習慣が広まり、時代とともに宗教的な意味合いは薄れていきましたが、イギリス人にとって大切な年中行事として今日まで続いています。
さすがに今では40日も断食する人はほぼいませんが、英国では日本における恵方巻のようにパンケーキを食べます。
イギリスのパンケーキの特徴と魅力
イギリスのパンケーキは、日本のホットケーキやアメリカンパンケーキとは異なる独特の特徴を持っています:
- 薄めの生地:クレープに近い薄さで、柔らかく軽い食感が特徴です。
- シンプルな材料:小麦粉、卵、牛乳を基本とし、ベーキングパウダーは使用しません。
- 調理方法:フライパンで薄く広げて焼き、片面が焼けたらフライ返しではなく、フライパンを振って空中で裏返します。
- 食べ方:一般的に、砂糖とレモン汁をかけて、クレープのように巻いて食べます。
- 多様なトッピング:伝統的な砂糖とレモン以外にも、メープルシロップ、ジャム、チョコレートソース、果物など、好みに応じて様々な味を楽しめます。
- 塩味のバリエーション:チーズやハム、野菜などを加えた塩味のパンケーキも人気です。
イギリスのパンケーキの魅力は、そのシンプルさと応用の幅広さにあります。基本の生地は同じでも、トッピングや食べ方によって無限の可能性が広がるのです。
パンケーキ・デイの楽しみ方と伝統
パンケーキ・デイは、単にパンケーキを食べるだけでなく、様々な形で楽しまれています:
1. パンケーキ作り:家族や友人と一緒にパンケーキを作ることが一般的です。子どもたちも参加し、生地を混ぜたり、フライパンで焼いたりする様子が見られます。
2. パンケーキ・レース:一部の地域では、フライパンを持ってパンケーキを裏返しながら走る「パンケーキ・レース」が開催されます。特にオルニー(Olney)という町のレースは有名で、580年以上の歴史があると言われています。
3. チャリティーイベント:多くの学校や教会、コミュニティセンターでパンケーキを販売し、その収益を慈善団体に寄付するイベントが行われます。
4. パンケーキ・トス・チャレンジ:家庭やSNSで、誰が最も高くパンケーキを投げ上げてキャッチできるかを競う遊びが人気です。
5. パンケーキ・デイ・ディナー:レストランやパブでは、この日限定のパンケーキメニューを提供することがあります。
これらの伝統や楽しみ方を通じて、イギリス人はコミュニティの絆を深め、冬の終わりと春の訪れを祝うのです。
約580年前に始まったパンケーキ・レース
地方によってはシュローブ・チューズデーにパンケーキ・レースを行なうこともあります。最も古くて有名なのがバッキンガムシャーのオルニーで行われているパンケーキ・レース。1445年に第1回のレースが行われたと言い伝えがあります。このレースは三角巾をかぶってエプロンをかけて415ヤード(約380メートル)の距離を走りますが、最初に走るのはオルニーに3か月以上在住している18歳以上の女性と決まりがあります。
参加者はレース中に少なくとも3回パンケーキを“トス”しなければならない決まりがあり、中には焦ってパンケーキを落としてしまうことも。ちなみに英国のパンケーキはホットケーキのように分厚くありません。厚めのクレープといった感じで、くるくると葉巻のように巻いて砂糖とレモン汁を振りかけていただきます。
その伝統的な英国式パンケーキのレシピを英国王室が公開! ぜひ、ご自宅で作ってみてください。
英国王室公式パンケーキレシピ
英国王室が公開している本格的なパンケーキレシピをご紹介します。このレシピは、王室シェフが長年の経験と伝統に基づいて考案したものです。
材料(4人分)
- 小麦粉 125g
- 砂糖30g
- 塩ひとつまみ
- 卵(中)2個
- 卵黄 1.5個
- 牛乳 250ml
- バター 40g
作り方:
1. まず、バターを焦がしてブールノワゼット(茶色いバター)を作ります。小鍋にバターを入れ、中火で加熱します。バターが泡立ち、茶色くなり、ナッツのような香りがしてきたら火から下ろします。
2. ボウルに小麦粉、砂糖、塩を入れてよく混ぜます。
3. 別のボウルで卵と卵黄を軽くほぐし、牛乳を加えてよく混ぜます。
4. 2の粉類に3の卵液を少しずつ加えながら、ダマができないようにしっかりと混ぜます。
5. 最後に、1で作ったブールノワゼットを加えて混ぜ合わせ、なめらかな生地を作ります。
6. 生地を30分ほど冷蔵庫で休ませます。
7. フライパンを中火で熱し、薄く油をひきます(キッチンペーパーで余分な油を拭き取ります)。
8. 生地を一杯分(約60ml)フライパンに流し入れ、フライパンを傾けて生地を薄く広げます。
9. 表面に小さな穴が開き始めたら、フライパンを振って空中でパンケーキをひっくり返し、裏面も軽く焼きます。
10. 出来上がったパンケーキを皿に盛り、好みのトッピングを添えて食べます。
このレシピの特徴は、ブールノワゼットを使用することで、パンケーキに深い風味と香ばしさを加えている点です。また、生地を休ませることで、よりなめらかで美味しいパンケーキが作れます。
イギリスのパンケーキ・デイは、単なる食事以上の文化的意義を持つ伝統行事です。宗教的な起源から始まり、現代では家族や友人、コミュニティの絆を深める機会となっています。この日を通じて、イギリス人は自国の歴史と伝統を振り返り、同時に創造性を発揮して新しい楽しみ方を生み出しています。パンケーキというシンプルな食べ物が、こうして豊かな文化的体験の中心となっているのは、非常に興味深い現象です。
Link
https://www.royal.uk/royal-recipe-pancakes
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