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ルーシー・リー展が国立工芸館で開催中!英国陶芸界の巨匠による10年ぶりの大回顧展
20世紀を代表する英国の陶芸家ルーシー・リーの10年ぶりとなる大回顧展「移転開館5周年記念 ルーシー・リー展 ─東西をつなぐ優美のうつわ─」が、9月9日(火)から11月24日(月・振休)まで石川県金沢市の国立工芸館で開催中。井内コレクションを中心とした約120点の作品で、ウィーンからロンドンへと活動の場を移した作家の創作の軌跡を紹介します。
ルーシー・リー展の概要と見どころ

展示風景
今回の展覧会は、国立工芸館の移転開館5周年を記念して開催される特別企画で、ルーシー・リー(1902~1995)の日本での大型回顧展としては2015年以来10年ぶりとなり、国内の貴重な作品が一堂に会する絶好の機会となっています。

展示風景
展覧会の最大の特徴は、ルーシーが出会った人、もの、場所、そして時代背景を交えながら作品を紐解く構成にあります。ウィーンで出会ったヨーゼフ・ホフマンやロンドン時代のバーナード・リーチ、ハンス・コパーといった同時代の作家たちの作品も併せて展示し、ルーシーの造形の根源に迫ります。
- 井内コレクションを中心とした約120点の作品を展示
- 初期のウィーン時代から円熟期までの作品を時系列で紹介
- 同時代の作家との関係性を通じて作品の背景を解説
- 東洋陶磁との関係性についても新たな視点で検証
20世紀英国陶芸界の女性巨匠ルーシー・リーとは

ルーシー・リーは、オーストリア・ウィーンで生まれた陶芸家です。ウィーン工芸美術学校でろくろに出会い魅了され、陶芸の道へと進みました。作家としての地位を確立しながらも、1938年にナチスの迫害を逃れるため英国へ亡命し、以後93歳で亡くなるまでロンドンを拠点に活動を続けました。
日本では1989年に草月会館で開催された三宅一生監修の展覧会をきっかけに人気を博し、今日に至るまでファッション誌やライフスタイル誌などでも定期的に取り上げられています。
ルーシー・リーの作品の特徴

ルーシーの作品は、しなやかながらも芯を感じる優美な形と色彩が最大の魅力です。柔らかく明るいピンクにレモン・イエロー、爽やかなブルーが特に印象的で、フリーハンドによる温かみのある線やストライプ、格子柄の文様が作品にすがすがしさを与えています。
展覧会の4つの章で辿る創作の軌跡
本展覧会は4つの章で構成され、ルーシーの創作の変遷を時系列で追うことができます。
第1章:ウィーンに生まれて
1902年に生まれたルーシー・リー(旧姓ゴンペルツ)がウィーン工芸美術学校でミヒャエル・ポヴォルニーに陶芸を学んだ時代を紹介。ウィーン工房の創設者ヨーゼフ・ホフマンをはじめとする同時代の作家たちの作品とともに、この時代の空気を吸収して制作されたルーシーの初期作品を展示します。
第2章:ロンドンでの出会い
1938年、ナチスの迫害を逃れてロンドンに渡ったルーシーが、バーナード・リーチやハンス・コパーといった新しい人々と出会った時代。ロンドン時代に制作された作品とともに、彼女に影響を与えた作家たちの作品を紹介します。
第3章:東洋との出会い
バーナード・リーチをリーダーとするスタジオ・ポタリーの陶芸家たちが東洋陶磁に範を求めていた時代背景の中で、ルーシーが東洋の美とどのように向き合ったかを、リーチや濱田庄司らの作品とともに紹介します。
第4章:自らのスタイルへ─陶芸家ルーシー・リー
1970年以降に制作された鉢と花器を中心に、現在私たちが彼女の作風として認識している様式が確立された円熟期の作品を紹介。小さな高台やすっきりとしたライン、マンガン釉や掻き落としなど、釉薬と形態、装飾が一体となった洗練された作品を鑑賞できます。
井内コレクションを中心とした約120点の作品を展示
今回の展覧会では、国立工芸館に寄託された井内コレクションを中心に約120点の作品が展示されています。井内コレクションは国内でも有数のルーシー・リー作品コレクションとして知られ、この機会にまとまって鑑賞できる貴重な機会となっています。
展示作品には、ルーシーの代表作である《青釉鉢》や《ピンク象嵌小鉢》、《白釉ピンク線文鉢》、《ブロンズ釉花器》などが含まれ、彼女の作風の変遷を体系的に理解することができます。

公式図録 2,800円

キャンディポーチ 2種類 各1,100円 ※中にアソートキャンディ5つ入り

アクリルチャーム 各770円

A4クリアファイル 各440円

トートバッグ 1,210円
また、展覧会期間中は館内ショップでオリジナルグッズも販売されており、公式図録をはじめ、キャンディポーチ、アクリルチャーム、A4クリアファイル、トートバッグなど充実したラインナップが用意されています。
チケット情報とアクセス・関連イベント情報
ルーシー・リー展の観覧には事前のオンラインチケット購入が便利です。国立工芸館では複数の割引制度も用意されており、お得に鑑賞できる機会もあります。また、展覧会期間中には関連トークイベントも開催され、より深くルーシー・リーの世界を理解することができます。
基本情報
- 会場
- 国立工芸館(石川県金沢市出羽町3-2)
- 会期
- 2025年9月9日(火)~11月24日(月・振休)
- 開館時間
- 9時30分~17時30分(入館は17時まで)
- 休館日
- 月曜日(ただし9月15日、10月13日、11月3日、24日は開館)、9月16日、10月14日、11月4日
- 観覧料
- 一般1,200円(1,000円)、大学生800円(700円)、高校生500円(300円)。()内は20名以上の団体料金および割引料金。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料
関連イベント
9月20日(金)13時30分~15時には、関連トークイベント「日本におけるルーシー・リーの受容」が開催。講師は出川哲朗氏(大阪市立東洋陶磁美術館名誉館長)で、1989年の草月会館での展覧会を担当された経験から、日本でのルーシー・リー受容について貴重な話を聞くことができます。
見逃せない理由:日本での10年ぶりの大型回顧展

今回のルーシー・リー展が特に注目される理由は、日本での開催としては2015年以来10年ぶりの大型回顧展だからです。この間、ルーシー・リーの作品への関心は高まり続けており、国内の貴重な作品がこれほどまとまって鑑賞できる機会は非常に稀少です。
また、本展では従来リーチとの関わりの中で捉えられてきた東洋のやきものとの関係性も見直し、新たな視点からルーシーの作品世界に迫っています。20世紀初頭に東洋のやきものへの関心が高まっていた時代背景の中で、彼女が何を見て学び、受け入れたのかを知ることで、作品に表された彼女の信念と凛とした姿が浮かび上がってきます。
英国陶芸界の巨匠が残した優美なうつわの世界を、この機会にぜひ体験してください。
Link
https://www.momat.go.jp/craft-museum/exhibitions/564
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