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「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画」が2026年東京・大阪で開催、歌麿や北斎の初里帰り作品も
東京都美術館は2025年10月17日(金)、開館100周年記念として『大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画』を2026年7月25日(土)から10月18日(日)まで開催すると発表しました。大英博物館が所蔵する4万点の日本美術コレクションから厳選された江戸時代の絵画作品や、歌麿・北斎ら8人の浮世絵師による版画を中心に展示し、喜多川歌麿の肉筆画《文読む遊女》など複数の初里帰り作品が含まれます。
世界最高峰の日本美術コレクションが最大規模で来日

大英博物館の外観 © The Trustees of the British Museum
大英博物館(The British Museum)は1753年にロンドンで開館した世界有数のミュージアムで、現在約800万点の収蔵品を擁しています。同館の日本美術コレクションは海外では最も包括的と評価され、約4万点に及ぶ作品群は19世紀後半のジャポニスム流行以降、英国の収集家や学芸員によって形成されました。本展では屏風・掛軸・絵巻などの絵画作品と、歌麿・写楽・北斎・広重・国芳ら代表的な浮世絵師8人による版画を中心に展示されます。
歌麿の貴重な肉筆画が英国から初里帰り

喜多川歌麿《文読む遊女》江戸時代・1805~1806年 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum
主要展示作品のひとつ、喜多川歌麿《文読む遊女》(江戸時代・1805年から1806年制作)は今回イギリスから初めて日本へ里帰りします。現存する歌麿の肉筆画は世界にわずか50点前後とされ、本作品はそのなかでも最大級の大きさを持つ作品のひとつです。2011年に新たに発見された本作は、版画とは異なる歌麿の繊細な筆致を伝える貴重な資料となっています。
北斎の幻の版下絵103点中8点を公開

葛飾北斎《万物絵本大全図》版下絵 江戸時代・1820年代~1840年代 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum
葛飾北斎《万物絵本大全図》版下絵(江戸時代・1820年代から1840年代制作)は、本の挿絵のための原画として描かれましたが本が出版されず、103点の版下絵が残されました。長く行方不明だった本作品群は2020年に大英博物館が一括購入し世界的な話題となり、本展ではそのうち8点が展示されます。いずれもイギリスから初里帰りとなる作品で、北斎の創作プロセスを直接確認できる貴重な機会です。
円山応挙と北斎の代表作も展示

円山応挙《虎の子渡し図屏風》江戸時代・1781~1782年 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum
円山応挙《虎の子渡し図屏風》(江戸時代・1781年から1782年制作)は、母虎が三匹の子を産むと必ず一匹は彪(ヒョウ)であるという古代中国の伝説に着想を得た応挙中期の優品です。葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》(江戸時代・1831年制作)は、国内外に現存する同作のなかでも世界最高峰の刷りのひとつとされる作品が展示されます。大英博物館の浮世絵コレクションは海外の日本美術コレクションのなかで世界トップクラスの品質を誇っています。
開催概要と巡回情報

展覧会は東京都美術館(東京都台東区上野公園)で2026年7月25日(土)から10月18日(日)まで開催され、開室時間は9時30分から17時30分まで、金曜日は20時まで延長されます。休室日は月曜日および10月13日(火)ですが、8月10日(月)・9月21日(月・祝)・10月12日(月・祝)は開室します。主催は東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)・大英博物館・朝日新聞社・NHK・NHKプロモーションで、ブリティッシュ・カウンシルが後援、光村印刷が協賛。本展は大阪中之島美術館へ2026年10月31日(土)から2027年1月31日(日)まで巡回予定です。
国際文化交流の歴史を振り返る展覧会

葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》江戸時代・1831年 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum
本展は江戸絵画の名品を紹介するだけでなく、近年の調査成果や収集の背景にも焦点を当て、大英博物館が日本美術の収集・研究・保存で果たしてきた役割をたどります。19世紀後半のジャポニスム以降、海を隔てた異国の地・日本の文化に魅了された英国の収集家や学芸員が築いたつながりは、国境や時代を越えて広がり今日まで受け継がれています。

葛飾北斎《万物絵本大全図》版下絵 江戸時代・1820年代~1840年代 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum
東京都美術館は1926年(大正15年)に日本初の公立美術館として誕生し、2026年に開館100周年を迎えます。本展は国際的な文化交流の歴史を振り返り、大英博物館に受け継がれてきた日本美術の名品と現代の鑑賞者との新たな対話を開く機会となりそうです。
Link
https://daiei-ten2026.exhibit.jp/
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