ウォレスとグルミット展がヤング V&Aで2月12日開幕、アードマン50周年記念

Photo: © David Parry/ V&A

ロンドンのヤング V&Aで2月12日(木)から、ストップモーションアニメの名門アードマンの50周年を記念した展覧会「Inside Aardman: Wallace & Gromit and Friends(インサイド・アードマン:ウォレスとグルミット・アンド・フレンズ)」が開幕。ウォレスとグルミット、チキンラン、ひつじのショーン、モーフなど、世界中で愛されるキャラクターの制作過程を、150点以上の展示物とインタラクティブ体験で紹介します。




アードマン50周年を記念した大規模展覧会

Photo: © David Parry/ V&A

Award-winning animator and director at Aardman, Will Becher, adjusts Wallace & Gromit at Young V&A. Photo by David Parry for the V&A.

「Inside Aardman: Wallace & Gromit and Friends」は、子どもと家族を主な対象とした体験型展覧会で、アニメーションスタジオのアードマンの創造プロセスを解き明かします。1976年にピーター・ロードとデビッド・スプロクストンが設立したアードマンは、2026年に創立50周年を迎え、本展はその記念事業の一環として企画されました。

会期は2月12日(木)から11月15日(日)までの約9か月間で、ロンドン東部のベスナル・グリーンにあるヤング V&Aで開催されます。同館は0歳から14歳を対象とした子ども向け美術館で、約2,000点のおもちゃ、キャラクター、アート作品を所蔵しています。



初公開の模型や絵コンテを含む150点以上を展示

Shaun the Sheep bike sketch © and TM Aardman Animations LTD

Shaun the Sheep bike sketch © and TM Aardman Animations LTD.

展示の中心となるのは、アードマンの制作アーカイブから選ばれた150点以上の資料です。初期のキャラクタースケッチ、コンセプトアート、人形、キャラクター設定資料、小道具、台本、セット模型に加え、V&Aコレクションから光学玩具やストップモーションアニメの初期作例も紹介されます。

Production still from Vengeance Most Fowl (2024). Photo by Richard Davies. © and TM Aardman Animations LTD, Wallace & Gromit LTD

Production still from Wallace & Gromit: Vengeance Most Fowl (2024). Photo by Richard Davies. © and TM Aardman Animations LTD/Wallace & Gromit LTD.

主な展示物には、モーフの開発スケッチ、ウォレスとグルミットの初期キャラクター案、『ウォレスとグルミット、危機一髪!』(1995年)の列車追跡シーンの手描き絵コンテが含まれます。初公開となる資料では、『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』(2024年)に登場するバイクとサイドカー、アードマンが使用していた最後の物理的なスケジュールボードなどが注目されます。

セットピースは、『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』、『チキンラン: ナゲット大作戦』(2023年)、『ことりのロビン』(2021年)、『ザ・パイレーツ! バンド・オブ・ミスフィッ』(2012年)、『ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー』(1989年)など、幅広い作品から集められています。



ストップモーションを自分で体験できる参加型コーナー

Photo: © David Parry/ V&A

Behind the scenes of Wallace & Gromit’s photoshoot at Young V&A. Photo by David Parry for the V&A.

展覧会では、子どもたちが実際にストップモーションアニメ制作に挑戦できる体験コーナーが複数設置されます。絵コンテ作り、キャラクターデザイン、セットの照明実験、ライブアクション動画の作成、人形素材のサンプルに触れる体験が用意されており、自宅で使える日用品と身近な材料でアニメを作る方法を学べます。

ヤング V&Aのチーフキュレーター、アレックス・ニューソンは「アードマンは文字通り、2人の学生が自宅のキッチンテーブルでアニメ実験を始めたところからスタートしました。今や世界で最も成功したアニメスタジオのひとつですが、作品には今も手作りの感触が残っています。彼らが『手作りの質感(thumbiness)』と呼ぶこの特徴が、作品を魅力的で愛されるものにしています」とコメントしています。

会場では子どもたちが制作したアニメーション作品も上映され、来場者は実際の創作例を見ることができます。



チケットは1人11ポンド、5歳未満は無料

The Flying Machine, original model from Chicken Run (2000) © and TM Dreamworks, Universal Licensing LLC

The Flying Machine, original model from Chicken Run (2000) © and TM Dreamworks/Universal Licensing LLC.

展覧会パスは1人11ポンドで、会期中は何度でも再入場が可能です。5歳未満の子どもは無料で、その他の割引も用意されています。V&A会員は無料で入場できます。チケットは公式サイト(vam.ac.uk/young)で販売中です。

対象年齢は全年齢ですが、特に8歳から14歳の子どもが楽しめる内容とコンテンツが充実しています。家族全員で楽しめる設計となっており、アニメ制作に興味を持つきっかけとなる構成です。

アニメーション業界を志す次世代への刺激

Wallace and Gromit in Wallace & Gromit: A Grand Day Out (1989) © and TM Aardman Animations LTD/Wallace & Gromit LTD.

Wallace and Gromit in Wallace & Gromit: A Grand Day Out (1989) © and TM Aardman Animations LTD/Wallace & Gromit LTD.

アードマンのライブアトラクション・ライブエクスペリエンス部門責任者のナイオ・ハーディング=ヒルは「50周年を迎えるにあたり、本展は初期スケッチからポストプロダクションまでのアニメーション制作プロセスにおける創造性と職人技に光を当てる素晴らしい機会です。この展覧会を通じて、私たちの技術の喜びと驚きが、次世代のストーリーテラー、監督、模型制作者、アニメーターを刺激することを願っています」と述べています。

2026年秋には、アードマンの50周年記念として新作映画『ひつじのショーン:モッシーボトムの野獣(仮)』も公開予定です。展覧会はこうした記念事業の中核をなすイベントとして、スタジオの技術と遺産を広く伝える役割を担っています。

英国のストップモーションアニメは、世界的に高い評価を受けており、アードマンはその代表的存在です。本展は技術的側面だけでなく、アイデアがどのようにスケッチブックからスクリーンへと形になるのか、そのストーリーテリングと工芸の過程を包括的に紹介します。

Text by British Culture in Japan編集部

 

Link

https://www.vam.ac.uk/exhibitions/inside-aardman-wallace-gromit-and-friends

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