コロナ禍での延期を経て『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』が7月16日(土)よりついに開催

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン

国際的な注目を集めるライアン・ガンダー(1976年英国生まれ)の東京で初めてとなる大規模個展『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』が、7月16日(土)より東京オペラシティ アートギャラリーにて開催されます。

ライアン・ガンダーとは?

 

ライアン・ガンダー

Courtesy the artist and TARO NASU photo: Jon Gorrigan

1976年にチェスターで生まれたライアン・ガンダーは、コンセプチュアルアートの新しい地平をひらく作家として世界のアートシーンで注目を集めています。

2019年クンストハレ・ベルンの大規模な個展をはじめ、各国で展覧会が開催されるほか、ドクメンタ、ヴェネチア・ビエンナーレなどの国際展での展示、 2010年セントラルパーク(ニューヨーク)における屋外彫刻などのパブリックアートも知られています。

日本では2017年に国立国際美術館(大阪)の個展およびガンダーのキュレーションによる同館の収蔵品展が同時開催されて話題になりました。

ライアン・ガンダーの作品が伝えるもの

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン

「2000年来のコラボレーション(予言者)」2018
公益財団法人石川文化振興財団蔵
Courtesy the artist and TARO NASU photo : Stevie Dix

ガンダーの作品は、日常生活で気に留めることすら忘れているあたりまえの物事への着目を出発点として、オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、映像などそのジャンルは多岐にわたります。

制作の背景には、“見る”ということについての考察や日常経験の鋭い分析など、知的な好奇心が満ちあふれていて、その作品は見る人の思考や創造力を刺激して、私たちにさまざまな問いを抱かせます。
 

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン

脇役(バルタザール、ヴェニスの商人 : 第3幕第4場)2019-2020
Courtesy the artist and Lisson Gallery photo : Mark Waldhauser

意外なもの同士を結びつけ、情報を部分的に隠蔽し、ユーモアをまじえて“そもそも”を考えるきっかけをつくるのは、ガンダーの作品の真骨頂です。

作品を前にすれば、思わずクスっとしたあとに、はっとするような発見が待っていることでしょう。新作を含めて空間全体をひとつの作品として創り上げることを目指す今回の個展を、ガンダー自身も楽しみにしています。

『ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展』も再開催

ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展

「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展 色を想像する」展示風景 2021
photo : 中川周

昨年4月に予定されていた個展が、英国のロックダウンによって延期となったのは開幕わずか4か月前のことでした。

途方に暮れたギャラリー側に届いたのはガンダーからの「ぼくになにかできることはない?」「収蔵品展のキュレーションは英国からでもできるのでは」というメッセージでした。

こうして「個展あらためガンダーが選ぶ収蔵品展」を全館で開催することとなりました。

ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展

「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展 ストーリーはいつも不完全……」展示風景 2021
photo : 中川周

展覧会は3階、4階それぞれにテーマを設け、「色を想像する」「ストーリーはいつも不完全……」というふたつの企画として行われ、ガンダーならではのアイデアで、いずれも驚きの収蔵品展となりました。

東京オペラシティ アートギャラリーのコレクションが故寺田小太郎のプライヴェート・アイ・コレクションであることを踏まえ、寺田のまなざしに注目したガンダー。

「すべての人間は、まったく同じものを何通りもの方法で理解する力を持っていること」。今回の収蔵品展にもあっと驚かされることでしょう。

『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』の見どころ

いよいよ、東京で初めての大規模個展

 

『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』

「クロノス・カイロス、14.58」2021
Courtesy the artist and gb agency, Paris photo : Aurélien Mole

国内では2017年国立国際美術館(大阪)での個展をはじめ、各地の芸術祭やグループ展、アートフェアなどで紹介されてきたライアン・ガンダー。東京の美術館での大規模個展は今回が初めて。

本来、昨年の開催を予定されていましたが、コロナ禍による延期を経て、2022年7月の今回、ようやく実現します。

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン

「最高傑作」2013
公益財団法人石川文化振興財団蔵
Courtesy the artist and TARO NASU photo : Martin Argyroglo

世界中で注目を集め続けているアーティストの今を、空間全体で味わうまたとない機会になりそうです。

“見る”ことから生まれる問い、そして想像力

 

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン

「首にかけた重石(時間を無駄にしなかった証)」2019
Courtesy the artist and TARO NASU photo : Stevie Dix

ガンダーの作品は、オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、映像など多岐にわたります。こうした幅広い制作活動に一貫しているのが、“見る”ということへの考察です。

私たちが普段見過ごしていること、あたりまえと片付けてしまっていること、それすら忘れていることへの注目をうながし、さまざまな問いを抱かせます。

『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』

「編集は高くつくので」2016
公益財団法人石川文化振興財団蔵
Courtesy the artist and TARO NASU photo : Yasushi Ishikawa, Okayama Art Summit

この問いは、お定まりのものごとを今までと違った視点で考えるきっかけであり、そこには新しい発見があるでしょう。それが私たちを「創造する」ことへと導くのです。

時間 / お金・価値 / 教育 / よく見ないと見えないもの……

 
『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』

「はじめに、言葉がある以前、そこには……」2021
Courtesy the artist and gb agency, Paris photo : David Tolley

今回の展覧会では、ガンダーの新旧さまざまな作品を組み合わせながら、大きな展示室をひとつの作品として創り上げます。

これらの作品一つひとつでは、ガンダーが制作活動の初期から持ち続けてきた関心̶̶時間、お金・価値、教育、よく見ないと見えないもの──が俎上にあげられています。
 

『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』

「ウェイティング・スカルプチャー」2022
Courtesy the artist and TARO NASU photo : David Tolley

私たち誰にとっても大切なものごとの本質とは? まじめに、少しばかりのユーモアを交えて“そもそも”を考えるガンダーの世界に、頭を柔らかくして飛び込んでみましょう。

そこでは、私たちの生きる今という時代のサインがそれぞれに見えてくるはずです。

『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』

「ひっくり返ったフランク・ロイド・ライト+遠藤新の椅子、数インチの雪が積もった後」2022
Courtesy the artist and TARO NASU photo : David Tolley

『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』

「もはや世界はあなた中心ではない」2008
大林コレクション蔵
Courtesy the artist and TARO NASU photo : TARO NASU

『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』

「なぜフランス人は窓から外を眺める?」2008
Courtesy the artist and TARO NASU photo : David Tolley

『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』

「時間の問題にすぎない」2020
Courtesy the artist

 

『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』

「有効に使えた時間」2019
タグチアートコレクション蔵
Courtesy the artist and TARO NASU photo : Thierry Ball, TARO NASU

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン

 

会場
東京オペラシティ アートギャラリー
会期
7月16日(土)~9月19日(月・祝)※月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月7日(日)は休館日
開館時間
11時~19時(入場は18時30分まで)
入場料
一般1,400(1,200)円 / 大・高生1,000(800)円 / 中学生以下無料 ※かっこ内は各種割引料金。同時開催『ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展』、『project N 87 黒坂祐』の入場料を含む
後援
ブリティッシュ・カウンシル
リンク
https://www.operacity.jp/ag/exh252/

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