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エディンバラ~ダンディー~グラスゴーを巡るプレスツアー日記・2日目
英国政府観光庁の招待で9月12日よりエディンバラ~ダンディー~グラスゴーを巡るプレスツアーに参加しました。その2日目の様子をフォトダイアリーとしてお伝えします!
スコットランドの玄関口とも言えるエディンバラのウェイヴァリー駅の目の前という最高の立地にあるザ・スコッツマン・ホテル。1日目の日記に書いたように時差ボケで朝5時に目覚めてしまい、朝食を今か今かと待ちわびていました。
ザ・スコッツマン・ホテルは1817年創刊の新聞「ザ・スコッツマン」の本社だっただけに、各部屋に届けられる新聞はもちろん「ザ・スコッツマン」。9月13日の朝刊1面を飾ったのは15日に開館するスコットランド初のデザイン美術館、ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム ダンディでした。
朝刊を眺めてから朝食へ。着席するとメニューがあったので、「Eggs Royale」をオーダー。
スコットランドのスモークサーモンを使ったエッグベネディクトでそれはもう美味しかったのですが、注文してからイングリッシュ・ブレックファーストのビュッフェがあることに気付き、お腹も空いていたので両方いただいちゃいました。
ビュッフェにも二種類のサーモンとスモークされたコッドが。チーズも数種類あり、どれも食べてみたかったのですが8時にはホテルを出発してダンディーに向かうことになっていたので泣く泣く断念。このスコットランドの食材をふんだんに使ったすばらしい朝食は14.95ポンドで食べることができますので、朝食だけでもザ・スコッツマン・ホテルで、というのもアリですね。朝食メニューは⇒ https://scotsmanhotel.co.uk/menus/scotsman/scotsman-breakfast.pdf
通勤客が行き交うウェイヴァリー駅からダンディーへ向かいます。ダンディーまでは便にもよりますが、1時間から1時間20分くらいで到着します。
©VisitScotland / Kenny Lam
ウェイヴァリー駅を発車してからほどなくすると、世界遺産に登録されているフォース橋を通過します。1890年に開通したカンチレバートラス式の橋で、この建設にはグラスゴー大学に留学した日本の土木技術者である渡邊嘉一も参加しました。その建設の功績を讃えて、スコットランド銀行の20ポンド紙幣には彼とふたりの設計者の写真があしらわれています。ちなみに日本を代表する指揮者だった朝比奈 隆は渡邊嘉一の子息で、生後間もなく養子で朝比奈家に入りました。
©VisitScotland / Kenny Lam
さらにダンディーの手前にさしかかると、テイ川を渡るテイ橋が見えてきます。現在のテイ橋は二代目で初代は1878年に完成し、当時は世界一長い橋(約3,200メートル)でした。しかし、1879年の年末に嵐のために橋が崩壊。走行中の列車も巻き込んだ大惨事となりました。その初代を設計したトーマス・バウチはフォース橋の設計も担当していましたが、基礎工事が始まっていたフォース橋の建設は事故で一時中断に。設計を見直すことになり、バウチは失意に中で亡くなりました。ドラマがあるふたつの橋を通るエディンバラ=ダンディー線。見どころたっぷりですので、鉄道での移動をおすすめします。
そうこうするうちにダンディー駅に到着。出口を出ると、目に入ってきたのが…
そう、V&Aダンディーです。ダンディーの新しいランドマークとして、美しい姿を見せてくれました。
V&Aダンディーはテイ川に面し、その美しい景色と街並みと調和しています。スコットランド独特の崖をイメージした水平に積み重ねられたコンクリートのファサードは、変化のある影を地面に落とし、時間や天候によって様々な表情を見せてくれます。
エントランスを過ぎるとカフェ、ショップがあるスペースが広がります。
ギャラリーがある2階へと向かう階段途中からの写真。奥がショップになります。
このTシャツが欲しかったのですがキッズ・サイズのみで残念。
ショップでは設計を担当した隈 研吾さんデザインのグッズもたくさん揃っていました。
ギャラリーのある2階も居心地の良い空間が広がっています。
この2階のスペースでメディア向けのレセプションが行われ、隈さんもスピーチをされました。
常設ギャラリーではスコットランドのデザインの歴史が展示されています。
開館の9月から2019年2月24日までは「Ocean Liners: Speed and Style」展が開催されています。タイタニック号やノルマンディー号、クイーン・メアリー号、キャンベラ号など、大洋を渡っていった客船の歴史をデザイン面から振り返る企画で、その贅沢で美しい意匠や当時の貴重な資料が展示されています。
2階にはテイ川の雄大な景色を眺めながら食事ができるレストラン「Tatha Bar and Kitchen」があります。ランチをこちらでいただきました。こちらのレストランではダンディーの71もの生産者から仕入れた食材を使ったメニューを楽しむことができます。特にダンディー・ジンと、日本でも知られる「マッカイ」のマーマレードを使ったメニューがおすすめ。ちなみにダンディーはマーマレード発祥の地でもあります。そして、窓から見える船は「ディスカバリー号」でダンディーで造船され、1901年に就航。英国初の南極探検に向かうために特別設計された船です。
メディアからひっきりなしにインタヴューを申し込まれていた隈 研吾さん。我々、プレストリップのメンバーからの質問も丁寧に答えてくれました。
V&Aダンディーを後にして、ダンディーの街を歩きながら、次はゴシック・リヴァイヴァル建築の「McManus Galleries」へ。ここはダンディーの美術館・博物館になります。“McManus”の文字が消されて、“McMenace”になっているのは……
1938年にダンディーで創刊されたコミックブック『The Beano』の創刊80周年を記念して、人気キャラクター「Dennis the Menace」にちなんで期間限定で改名されました。創刊当時の貴重な原稿や活き活きとした表情のキャラクターイラストなどが展示されています(会期は2018年10月21日まで)。
常設ギャラリーも充実していて、見ごたえがありました。
次の目的地に移動する途中、皇帝ペンギンが。そうでした、ダンディーは南極探検船「ディスカバリー号」のふるさとですからね。
到着したのは「ダンディー・レップシアター」。スコットランドだけでなく英国全土を代表する演劇シアターで、ドラマやミュージカル、コンテンポラリー・ダンス、コメディなど、幅広い演目を毎日上演しています。
今回はその舞台裏を見せてもらいました。驚くほどの数の衣装部屋や、手作り感のある小道具、大道具部屋など、たくさんのスタッフがひとつの作品を最高のものにしようと力を合わせていた姿に心を動かされました。きっとその光景は1939年の設立から変わりないのでしょう。
続いては「Dundee Contemporary Arts Print Studio」を訪れました。こちらでは最新のデジタル技術を使った紙の印刷、写真のプリントが可能で、誰でも申し込めば手軽に利用ができます。
プロ、アマチュア関係なく、様々なアーティストたちがこちらで真剣に作品に取り組んでいました。こうしたアートへの尊重、助成がダンディーの到るところで感じられました。
続いてやってきたのは「Vision Building」。ダンディー周辺は、デジタルメディアを中心としたクリエイティヴ産業が発展している都市でもあり、350以上の企業、3300人を超える人たちが従事しています。この「Vision Building」のある地区「Seabraes」は鉄道貨物倉庫の跡地で、テイ川のウォーターフロント地域の開発プロジェクトの一環としてデジタルメディアや文化産業の拠点となるべく都市デザインされました。「Vision Building」には「Denki」という会社が入っていたり、スタートアップ支援のシェアオフィスでは『AKIRA』のフィギュアや手塚治虫のコミックがあったりと、日本のカルチャーの影響が随所に感じられました。
「Vision Building」見学後は少し自由時間があったので、レコード屋さんをのぞいたり、テイ川のウォーターフロントを散歩したりしてからホテルへ。
宿泊先の「ホテル・インディゴ・ダンディー」はオープンしたばかりで、インターコンチネンタルホテルズグループのデザイナーズホテルです。
織物工場のビルディングをリノベーションしたホテルのフロントもダンディーの産業にちなんだグッズやデザインとなっています。
落ち着いたトーンのお部屋のファブリックとアンティーク家具は、麻貿易で栄えた頃のダンディーをイメージしているそう。テイ川も遠くに眺められて、静かで居心地のよいお部屋でした。もういちど泊まりたい!
チェックインした後はダンディーのアーティストやデザイナー、フード&ドリンク会社のCEOたちが出席したレセプションへ。2017年度の「Scottish Gin of the Year」に輝いたダンディーのクラフト・ジン「VERDANT」のジントニックをいただきながら、創業者のアンドリュー・マッケンジーさんのジンにまつわるお話を聞きました。
その後、ホテル内の「Daisy Tasker」でディナー。V&Aダンディーとコラボレーションしたメニューで、タリスカーの10年を使ったサーモンが絶品でした。食後は近くのパブで一杯、と考えていましたが、さすがのハードスケジュールで部屋に戻ったら寝落ち……(涙)。3日目に続きます。
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