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【デイヴィッド・ホックニー展の見どころ】27年ぶりの大型個展が東京都現代美術館で開催!
東京都現代美術館で2023年7月15日(土)から11月5日(日)まで、開催される「デイヴィッド・ホックニー展」は、日本では27年ぶりとなる大規模な個展となります。現代で最も革新的な画家のひとり、デイヴィッド・ホックニーの作品120点余りを展示。本記事では、本展の見どころを紹介します。
デイヴィッド・ホックニーは60年以上にわたり、絵画、ドローイング、版画、写真、舞台芸術といった分野で多彩な作品を発表し続けてきました。本展では、イギリス各地とロサンゼルスで制作された多数の代表作に加えて、近年の風景画の傑作〈春の到来〉シリーズやCOVID-19によるロックダウン中にiPadで描かれた全長90メートルにもおよぶ新作まで120点余りの作品が展示されています。
本展の見どころは以下の3つです。
1. 日本では27年ぶりとなる待望の大型個展
デイヴィッド・ホックニーは現在、世界で最も人気のある作家のひとりです。2012年ロイヤル・アカデミー(ロンドン)での個展では60万人以上、2017年ポンピドゥー・センター(パリ)での個展でも60万人以上の来場者数を記録しました。日本では1996年以来、実に27年ぶりに大型個展が開催されます。60年以上におよぶ画業をたどる本展は、日本におけるこれまでで最も充実したホックニー展となります。
2. 近年の代表作〈春の到来〉シリーズ、日本初公開
ホックニーの故郷、イギリスのヨークシャー東部で2011年に制作された、幅10メートル、高さ3.5メートルの油彩画《春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年》(2011年)が、日本で初めて公開されます。本展では、同じく日本初公開となる大判サイズのiPad作品12点とともに、本作を展示します。豊かな色彩感覚によって芽吹きの季節をダイナミックにとらえた会心作は必見です。
3. 今を生きる画家ホックニーの世界を体感する─全長90メートルの新作、世界初公開の自画像
2023年に86歳を迎えてなお一層制作に打ち込み、自らの芸術を刷新し続けるホックニー。60年以上にわたり現代美術の第一線で活躍し、新作を発表し続けるホックニーの「今」を紹介します。コロナ禍で制作された作品には、国や文化、世代の違いを越えて、同じ時代を生きている私たちにしか感じ取ることができないメッセージがあるはずです。2023年だからこそ出会える作品の数々を、ぜひ直接会場で体感してください。
全8章で構成される展示構成
1959年、デイヴィッド・ホックニーはロンドンの王立美術学校に入学。抽象表現主義やポップ・アートが欧米の美術を席巻していた当時、さまざまな様式や作家たちに学び、その影響を作品に反映させる一方で、特定の動向に与することなく自らの表現を切り拓こうとした若き画学生は、時代の寵児として一躍注目を集めました。
1964年、ロサンゼルスに移住したホックニーは、南カリフォルニアの開放的な空気の下、明るい日差しが降り注ぐプールの水面やスプリンクラーの水しぶきを描きました。こうした刻々と変化する光の反射や水の動きをいかにとらえるかという造形上の試みは、長年ホックニーの関心をかき立て、新たな画材や描写の探究につながりました。
ホックニーはまた、実に多くの肖像画を手がけています。代表作《クラーク夫妻とパーシー》(1970-71年)のように、「ダブル・ポートレート」と呼ばれるふたりの人物が描かれた構図は、その代名詞のひとつといえるでしょう。ホックニーが目を向けるのは、家族や恋人、友人たちといった近しい関係の人です。こうした肖像画からは、目の前にいる相手をじっと見つめ、その人の内面までとらえようとする画家の静謐な眼差しがうかがえます。
「同じことを反復するのではなく新しいなにかを発見したい」と語るホックニーにとって、自らの芸術を次々と変貌させた20世紀の巨匠ピカソは最も敬愛すべき画家でした。1980年代、ピカソのキュビスムや中国の画巻を参照しながら生み出された「フォト・コラージュ」や〈ムーヴィング・フォーカス〉シリーズは、「見る」という現実の経験をそのまま平面上に再現した画期的な作例であり、こうした複数の視点の統合というアプローチは、近年の「フォト・ドローイング」やマルチチャンネルの映像作品にも引き継がれています。
そして、本展の後半部分で展示される作品は、すべて日本初公開となります。1997年からおよそ15年間、ホックニーは幼少期に慣れ親しんだヨークシャー東部の自然や風物を抒情豊かに描きました。破格の大きさを誇る油彩画《ウォーター近郊の大きな木々またはポスト写真時代の戸外制作》(2007年)は、タイトルが示すように複数のカンヴァスを戸外に持ち出し、自然光の下でモチーフとなる木々を前にして制作された風景画です。
また、2010年4月の発売と同時に入手したタブレット型端末iPadは、その創作に新境地を開きました。大型の油彩画とiPadドローイングで構成される〈春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年〉シリーズは、日ごとに劇的な変化を遂げる世界と向き合い、克明に描き切ったホックニーの卓越した力量を物語っています。
2019年、フランス北西部のノルマンディーに拠点を移した後、未知の感染症の予期せぬ拡大により世界中が一時停止するなか、辺境の地でその影響をほとんど受けることがなく、周辺の自然や季節の移ろいを真摯に見つめ続けた画家は、ついに全長90メートルの大作《ノルマンディーの12か月 2020-2021年》(2020-21年)に挑みました。本展を通じて、視線の先に広がる身近な日常をひたむきに描きとめ、それらを他者と惜しみなく分かち合おうとしてきたホックニーの創作の歩みをたどります。
東京都現代美術館はホックニーの作品を150点所蔵し、開館まもない1996年に「デイヴィッド・ホックニー版画展」を開催しました。本展はこうした作家と美術館の継続的な関係性をもとに構想され、作家からの全面的な協力を受けて実現する待望の個展です。
デイヴィッド・ホックニー David Hockney
1937年イングランド北部のブラッドフォードに生まれ、同地の美術学校とロンドンの王立美術学校で学ぶ。1964年ロサンゼルスに移住し、アメリカ西海岸の陽光あふれる情景を描いた絵画で一躍脚光を浴びた。60年以上にわたり美術表現の可能性を探る試みを続け、現在はフランスのノルマンディーを拠点に、精力的に新作を発表している。2017年には生誕80年を記念した回顧展がテート・ブリテン(ロンドン)、ポンピドゥー・センター(パリ)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)を巡回し、テート・ブリテンでは同館の記録となる約50万人が来場するなど、ホックニーは現代を代表する最も多才なアーティストのひとりとしてその名を確立している。
デイヴィッド・ホックニー展
- 会場
- 東京都現代美術館 企画展示室 1F / 3F
- 会期
- 2023年7月15日(土)~11月5日(日)
- 休館日
- 月曜日(7月17日、9月18日、10月9日は開館)、7月18日、9月19日、10月10日
- 開館時間
- 10時~18時(展示室入場は閉館の30分前まで)
- 観覧料
- 一般 2,300円 / 大学生・65歳以上 1,600円 / 中高生 1,000円 / 小学生以下無料
Link
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/hockney/
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