デヴィッド・ビントレーのバレエ3作品が日本初上演!『雪女』や“現代のドガ”による美術も見どころ

デヴィッド・ビントレー『雪女』

バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の芸術監督を24年間務めたデヴィッド・ビントレー。彼の振り付けたバレエ3作品が、3月16日(土)と17日(日)に新国立劇場中劇場で上演されます。日本では初めて見ることができる作品ばかりで、バレエファンはもちろん、美術や文学に興味のある方にもおすすめです。

デヴィッド・ビントレーとは?

 

デヴィッド・ビントレー

©Richard Battye

 

デヴィッド・ビントレーは、英国を代表する名振付家です。ロイヤル・バレエ・スクールを卒業後、サドラーズウェルズ・ロイヤル・バレエ団(現バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)に入団し、卓越したキャラクター・アーティストとして活躍しました。その後、ロイヤル・バレエ団のレジデント・コレオグラファーになり、多くの作品を制作。1995年からは、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の芸術監督に就任し、2019年まで24年間務めました。2010年から2014年までは、新国立劇場の舞踊芸術監督も兼任し、日本のバレエ界にも貢献。舞踊界への功績から、2001年に大英帝国勲章CBEを、2020年にKBEを授与されました。

ビントレーによる3作品の紹介

『雪女』 : 小泉八雲の物語をバレエ化した世界初演作

 

デヴィッド・ビントレー『雪女』

「雪女」ディック・バードによる衣裳デザイン

今回の特別公演では、デヴィッド・ビントレーがスターダンサーズ・バレエ団のために創り上げる世界初演作「雪女」が上演されます。この作品は、日本の伝承に基づく小泉八雲の物語「雪女」を題材とした、恐ろしくも切ないバレエです。ビントレーは、新国立劇場舞踊芸術監督として日本滞在中に「雪女」に出会い、それがストラヴィンスキーのバレエ「妖精の接吻」と似ていたことに驚きました。そこから着想を得て、雪女と巳之吉(みのきち)の間の悲恋を描きました。舞台装置や衣裳は、世界で活躍する舞台美術デザイナーのディック・バードが手がけています。日本の風景や文化を反映した美しいヴィジュアルも見どころのひとつです。

『The Dance House』 : “現代のドガ”の美術が魅力の日本初演作

 

ロバート・ハインデル

The Dance House ©Robert Heindel 2024

もうひとつの日本初演作は、『The Dance House』です。この作品は、中世ドイツの“死の舞踏”からインスピレーションを受け、親しい友人の死への哀歌としてビントレーが振り付けたバレエです。1995年にサンフランシスコ・バレエ団のために制作されました。この作品の特徴は、バレエダンサーを多く描き“現代のドガ”とも称されたロバート・ハインデルが手がけた舞台美術です。ハインデルは、スタジオでのひたむきなダンサーの姿を捉えた数々の名作を生み出し、ウェールズ公妃ダイアナや高円宮殿下が愛した画家としても知られています。ビントレーは、本作のセットと衣裳のデザインをハインデルに依頼しました。まるで絵画に命を吹き込まれたかのように躍動するダンサーの舞は必見です。

『Flowers of the Forest』 : スコットランドの民族舞踊が魅力のビントレーの秀作

 

『Flowers of the Forest』

本公演では、このほかにスコットランドの民族舞踊を取り入れた複雑なステップが特徴のビントレーの秀作『Flowers of the Forest』も上演されます。スコットランドの歴史を想起させる本作の振付には民族舞踊のステップを取り入れ、光と影を象徴するかのような対照的なふたつのパートで構成されています。2017年にスターダンサーズ・バレエ団が国内バレエ団として初演し、以来再演を望む声の絶えない人気作品です。2019年の吉田都引退公演でも上演され話題となりました。

スターダンサーズ・バレエ団公演『オール・ビントレー』

スターダンサーズ・バレエ団公演『オール・ビントレー』

 

場所
新国立劇場 中劇場
日時
2024年3月16日(土)、17日(日)14時開演(13時15分開場)※13時40分より総監督の小山久美のプレトークを予定
指揮
田中良和 / 管弦楽 : 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、ピアノ : 小池ちとせ、トランペット : 島田俊雄
料金
S席11,000円 / A席9,000円(子ども 6,000円) / B席6,000円(子ども 4,000円) / C席3,000円 / 学生券2,500円(座席指定不可)※未就学児入場不可、子ども料金は小学生~中学生対象

Link

https://www.sdballet.com/performances/2403_allbintley/

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