V&Aイースト開館展「The Music is Black」展示・料金・会期まとめ──ブラック・ブリティッシュの125年にわたる音楽史を辿る

Photo: © David Parry/ V&A

ロンドン東部のクイーン・エリザベス・オリンピック・パーク内に、V&Aイースト・ミュージアム(V&A East Museum)が4月18日(土)に開館しました。こけら落としとなる展覧会『The Music is Black: A British Story』では、ブラック・ブリティッシュ・ミュージック125年の歴史を200点超のオブジェクトで体感できます。会期は2027年1月3日(日)まで。




「ザ・ミュージック・イズ・ブラック」──4幕構成で辿る125年のブラック・ブリティッシュ音楽史

Photo: © David Parry/ V&A

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展覧会はアフリカの音楽的伝統にルーツを持ち、植民地主義・移民・革新によって形成されてきた音楽の歴史を、4つのパートで構成します。マルチセンソリー(多感覚)体験として設計されており、音響インスタレーションや映像作品が展示物とともに空間を満たします。キュレーターはV&Aのアフリカ・ディアスポラ・パフォーマンス担当のジャクリーン・スプリンガーが務めています。

各パートの概要は以下の通りです。

  • パート1「Origins of Music」:アフリカの音楽的伝統を起点に、ブラック・ブリティッシュ音楽の根源を探る
  • パート2「’Great’ Britain: 1900–1969」:20世紀初頭から1960年代までの歴史、植民地支配・移民の波がもたらした音楽的変容を辿る
  • パート3「British-Born Black Music」:2トーン、ラヴァーズ・ロック、ブリット・ファンク、ジャングル、ドラムンベース、トリップ・ホップ、UKガラージ、グライムなど、英国生まれの固有ジャンルの誕生と発展
  • パート4「The British Sound Of」:現在のブラック・ブリティッシュ・ミュージックのシーンと、その未来を展望する



展示ハイライト──ストームジーのグラストンベリー・ベストからウィニフレッド・アトウェルのピアノまで

Photo: © David Parry/ V&A

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200点超のオブジェクトのうち60点はV&Aコレクションへの新規収蔵品です。展示の時間軸は1900年から現在に至り、楽器・テクノロジー・写真・ファッション・個人の遺品・アートワークなど多岐にわたります。20世紀初頭を代表する展示としては、音楽史に輝く先駆者ウィニフレッド・アトウェルのピアノと、作曲家サミュエル・コールリッジ=テイラーが1900年代に使用した指揮棒が出品されています。

Photo: © David Parry/ V&A

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現代アーティストの展示では、ストームジーが2019年のグラストンベリー・フェスティバルで着用したバンクシーがデザインしたベスト(ナプキンの裏に着想されたことでも知られる)、ジェイミー(JME)がスケプタとともにボーイ・ベター・ノウを結成する前の初期音楽実験に使ったスーパーファミコンとマリオペイントが並びます。ファッション面では、1997年にグラストンベリー史上初の黒人女性としてヘッドライナーを務めたスキン、デイム・シャーリー・バッシー、シャーデー、リトル・シムズらが着用した衣装が展示されています。

Photo: © David Parry/ V&A

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写真コーナーでは、デニス・モリスによるボブ・マーリーの初期作品、エディ・オッチェーレによるドラムンベースのパイオニアDJであるケミストリーとDJストームの二連作、スーラ・ペトローによるUKガラージ・トリオ、ミスティークのポートレート、スケプタの2016年マーキュリー・プライズ受賞を祝う家族の情景を収めたローラ・“ハイパーフランク”・ブロスナンのプリントなど、多くが今回初公開です。また、ソニア・ボイス、ザック・オヴェ、ソカリ・ダグラス・キャンプ、デンジル・フォレスターらのアートワークも展示されています。



無料の常設ギャラリー「Why We Make」と開館記念イベント

Photo: © David Parry/ V&A

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ミュージアムへの入館は無料で、常設ギャラリー「Why We Make」では500点超のV&Aコレクションを無料で鑑賞できます。ヴィヴィアン・ウェストウッド、アレクサンダー・マックイーンのファッション、リー・バウリーのバレエ衣装、インカ・イロリのファニチャー、ビシラ・ノハのセラミクスなど、アート・建築・デザイン・パフォーマンスを横断する作品が、アイデンティティや社会正義といった現代的なテーマで再編集されています。

開館を記念したオープニング・プログラムとして、ニア・アーカイヴスによるDJ、アーティスト主導のワークショップ、トーク、ライブ・パフォーマンスが予定されています。なお、展覧会に関連した「The Music is Black Festival」がBBCおよびイースト・バンクのパートナー機関と連携し、2026年夏にオリンピック・パーク周辺で開催されます。館内には「クロスボーダー・クッキング」で知られるレストラン・グループとのパートナーシップによるカフェ「カフェ・ジコニ」もあります。



開館時間・料金・アクセス

 

V&A East Museum © Hufton+Crow (3)

Photo: ©Hufton+Crow

V&Aイースト・ミュージアムはストラトフォードのイースト・バンク内、クイーン・エリザベス・オリンピック・パークに位置します。ミュージアム自体の入館は無料ですが、「The Music is Black: A British Story」展は有料です。チケットは公式サイトから事前購入が可能です。

The Music is Black: A British Story

 

会期
4月18日(土)〜 2027年1月3日(日)
開館時間
毎日10時〜18時、木曜・土曜は22時まで夜間開館
入場料
平日 £22.50 / 週末 £24.50(学生・26歳未満は £10から)
チケット予約
https://www.vam.ac.uk/exhibitions/the-music-is-black-a-british-story

V&Aイースト・ミュージアムは、2025年5月31日(土)にオープンしたV&Aイースト・ストアハウスとともに、ロンドン2012年五輪・パラリンピックのレガシーを受け継ぐイースト・バンクを構成しています。イースト・バンクにはBBCミュージック・スタジオ、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション、サドラーズ・ウェルズ・イースト、UCLも集結しており、ロンドン市による6億ポンド超の投資によって整備された、1851年の万国博覧会以来最大規模の文化的投資プロジェクトです。

Cover Photo: © David Parry/ V&A

Text by British Culture in Japan編集部

 

Link

https://www.vam.ac.uk/exhibitions/the-music-is-black-a-british-story

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