「ピーター・ドイグ展」開催再開と会期延長が決定

Art 2020.06.01 Text by 編集部

現代における世界で最も重要なアーティストのひとりと言われるピーター・ドイグの、初期作から最新作までを紹介する日本初の展覧会「ピーター・ドイグ展」の開催再開と会期延長が決定しました。

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ロマンティックかつミステリアスな風景を描くスコットランド生まれの画家、ピーター・ドイグ。1990年代のデビュー以降、名だたる美術館で作品が収蔵され、「現代アートのフロントランナー」として世界的な活躍を続けてきました。1994年に、主にイギリスで活躍する現代アーティストに贈られる名誉ある賞「ターナー賞」にノミネートされて以来、テート(ロンドン)、パリ市立近代美術館、スコットランド国立美術館(エディンバラ)、分離派会館(ウィーン)などの美術館で個展が開催されてきました。同世代、後続世代のアーティストに多大な影響を与え、過去の巨匠になぞらえて、しばしば「画家の中の画家」と評されています。美術市場でも高く評価されており、彼の代表作のひとつ『のまれる』(本展出品予定)は、2015年のクリスティーズ・オークションで、約2,600万米ドル(当時約30億円)で落札されました。

 

『のまれる』1990年、油彩・キャンバス、197×241cm、ヤゲオ財団蔵
©Peter Doig. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006

 

ドイグの作品は一見、幻想的で個人の想像力のみで生み出された光景のようにも見えます。しかしながら、それはゴーギャン、ゴッホ、マティス、ムンクといった近代画家の作品の構図やモチーフ、映画のワンシーンや広告グラフィック、自らが暮らしたカナダやトリニダード・トバゴの風景などの、多様なイメージの組み合わせによってつくりあげられているのです。例えば『スキージャケット』は、日本のニセコのスキー場の新聞広告をもとに描かれています。また、『ラペイルーズの壁』は、トリニダード・トバゴにある墓地の外壁沿いを歩く男性が描かれた作品ですが、作家いわく、小津安二郎の映画『東京物語』における「計算された静けさ」も念頭に置いて描いた作品とのこと。ありふれた既存のイメージや作家自身の経験が重なり、私たちの想像力を誘う、見たことのない風景がつくりあげられます。

 

『スキージャケット』1994年、油彩・キャンバス、295×351 cm、テート蔵
©Peter Doig. Tate: Purchased with assistance from Evelyn, Lady Downshire’s Trust Fund 1995. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006

 

『ラペイルーズの壁』2004年、油彩・キャンバス、200×250.5cm、ニューヨーク近代美術館蔵
©Peter Doig. The Museum of Modern Art, New York. Gift of Anna Marie and Robert F. Shapiro in honor of Kynaston McShine, 2004. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006

 

本展のポスター・フライヤーのメインビジュアルにもなっている『ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ』は、ダム湖のほとりを写したドイツの古い白黒の絵葉書と、ドイグが学生時代に衣装係として働いていた英国国立歌劇場で撮った写真をもとに制作されました。描かれているふたりの人物のうち、左は作家自身です。時代も場所も異なるイメージが組み合わされ、夢と現実が交錯するかのような謎めいた光景がつくりあげられています。ちなみに、ドイグの作品には「カヌー」が度々登場します。この作品の湖の上にも、カヌーが小さく描かれています。

 

『ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ』2000-02年、油彩・キャンバス、196×296cm、シカゴ美術館蔵
©Peter Doig. The Art Institute of Chicago, Gift of Nancy Lauter McDougal and Alfred L. McDougal, 2003. 433. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006

 

現代美術を代表する画家の日本初の個展ということで大きな注目を集めていましたが、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、2月29日(土)から臨時休館に。しかし、首都圏を対象とする緊急事態宣言の解除を受け、十分な対策を講じた上で、10月11日(日)まで会期を延長して開催する運びとなりました。新たな会期は以下の通りとなります。

 

■会期日程
当初の開催日程 2020年2月26日(水)~6月14日(日)

新たな開催日程 2020年2月26日(水)~10月11日(日)

※6月11日(木)まで臨時休館とし、6月12日(金)から再開

 

『夜の水浴者たち』2019年、油彩・麻、200×275 cm、作家蔵
©Peter Doig. Courtesy Michael Werner Gallery, New York and London. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006

 

『ポート・オブ・スペインの雨(ホワイトオーク)』2015年、水性塗料・麻、301×352cm、作家蔵
©Peter Doig. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006

 

『ブロッター』1993年、油彩・キャンバス、249×199 cm、リバプール国立美術館、ウォーカー・アート・ギャラリー蔵
©Peter Doig. National Museums Liverpool, Walker Art Gallery, Presented by the John Moores Family Trust 1993. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006

 

『赤い男(カリプソを歌う)』2017年、油彩・麻、295×195cm、マルグリット・スティード・ホフマン蔵
©Peter Doig. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019

 

『ストレンジャー・ザン・パラダイス(「スタジオフィルムクラブ」より)』2011年、油彩・紙、93.5×61.5cm、マイケル ヴェルナー ギャラリー蔵
©Peter Doig. Courtesy Michael Werner Gallery, New York and London. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019

 

■Exhibition info
ピーター・ドイグ展

会場 : 東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー
会期 : 2月26日(水)~10月11日(日)
開館時間 : 10:00~17:00(入館は閉館30分前まで) ※当面の間、金・土曜の夜間開館を行いません。
休館日 : 月曜日(ただし8月10日、9月21日は開館)、8月11日,9月23日
※新型コロナウイルス感染症予防対策のため、日時指定チケットを導入。詳細は展覧会公式サイトを確認ください。
※前売り券をふくめ事前に購入いただいたチケットは、全会期中使用できます。

 

■Link
https://peterdoig-2020.jp/

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