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AIの「人工親友」が孤独を癒やす、カズオ・イシグロの最新長篇『クララとお日さま』が3月2日発売
刊行前に異例の3度の重版決定したノーベル文学賞作家カズオ・イシグロの最新長篇小説『クララとお日さま』が3月2日に発売されます。
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ノーベル文学賞受賞第1作となる本書。その内容がヴェールに包まれていますが、カズオ・イシグロから物語のさわりを紹介したコメントが届いています。
「この本の語り手クララは人間の形をしたAI搭載の機械です。10代の若者が大人になる手助けのために開発されたAF(Artificial Friends)、つまり「人工親友」です。物語の冒頭、クララは他のAFたちと店先に並び、買った人が外の世界へ連れ出してくれるのを楽しみにしています。その間、ウィンドー越しに街の様子を観察して、人間の世界をわかろうと努めます。そして孤独な人間たちに興味を持ち始めます。なぜなら人間の世界に入ったクララの大切な仕事は、“人の孤独”を癒すことなのです。これまでの私の作品をお読みになったかどうかわかりませんが、新作は『わたしを離さないで』と『日の名残り』の流れをくむものです。皆さんにお読みいただけるとうれしいです」
また、いち早く読まれた映画監督の是枝裕和氏もコメントを寄せています。
「イシグロ。AIロボット。少女。境界を越えた心の交流。読まずにいられるわけがない」
■Book info
『クララとお日さま』
著者 : カズオ・イシグロ
翻訳 : 土屋政雄
出版社 : 早川書房
判型 : 四六判上製
ページ数 : 448ページ
定価 : 2,750円
■著者プロフィール
カズオ・イシグロ/Kazuo Ishiguro
1954年11月8日長崎生まれ。1960年、5歳のとき、海洋学者の父親の仕事の関係でイギリスに渡り、以降、日本とイギリスのふたつの文化を背景に育つ。その後英国籍を取得した。ケント大学で英文学を、イーストアングリア大学大学院で創作を学ぶ。
1982年の長篇デビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年発表の『浮世の画家』でウィットブレッド賞をそれぞれ受賞した。1989年発表の第三長篇である『日の名残り』では、イギリス文学の最高峰ブッカー賞に輝いている。ほか長篇に『充たされざる者』(1995)、『わたしたちが孤児だったころ』(2000)、『わたしを離さないで』(2005)、『忘れられた巨人』(2015)、短篇集に『夜想曲集』(2009)がある。
2017年にはノーベル文学賞を受賞。2018年には日本の旭日重光章を受章し、2019年には英王室よりナイトの爵位を授与された。
『日の名残り』はジェイムズ・アイヴォリー監督/アンソニー・ホプキンス主演、『わたしを離さないで』はマーク・ロマネク監督/キャリー・マリガン主演で映画化されている。日本でも『わたしを離さないで』『浮世の画家』がそれぞれTBS(綾瀬はるか主演)、NHK(渡辺謙主演)でドラマ化された。『わたしを離さないで』は蜷川幸雄演出で舞台化もされている。
著者は現在、黒澤明監督の映画『生きる』の英語版リメイクの脚本に携わっている。
■Link
https://www.hayakawa-online.co.jp/
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