【2024年日本公演】英国ロイヤル・オペラの音楽監督パッパーノが贈る集大成の舞台

英国ロイヤル・オペラ

英国ロイヤル・オペラは、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、パリ・オペラ座、メトロポリタン歌劇場と並び世界の五大歌劇場と称されています。その中でも一番勢いがあるのがロイヤル・オペラです。2024年には、足かけ22年かけてこの劇場のポテンシャルを高めてきた音楽監督アントニオ・パッパーノが最後の日本公演を行います。パッパーノが選んだのは、ヴェルディの『リゴレット』とプッチーニの『トゥーランドット』のふたつの名作。これらのオペラは、音楽的にも演劇的にも明確な主張を持ち、パッパーノの集大成を示す総力をあげた舞台です。日本のオペラ・ファンはいながらにして、英国ロイヤル・オペラの魅力を目の当たりにすることができるのです。

英国ロイヤル・オペラの歴史とパッパーノの功績

アントニオ・パッパーノ
Photo : David Bebber / ROH

英国ロイヤル・オペラは、1732年にコヴェント・ガーデンに最初の劇場が建てられたロイヤル・オペラはウィーンに次いで2番目に長い歴史をもっています。この長い歴史において、アントニオ・パッパーノの音楽監督在任期間は歴代最長で、2002年の就任以来、パッパーノはさまざまなレパートリーに挑み、この劇場のポテンシャルを高めてきました。パッパーノの強いリーダーシップによって、ロイヤル・オペラに華々しい躍進と栄光がもたらされたのです。

パッパーノは1959年ロンドンに生まれ、13歳のときに米国に移りました。数年をリハーサル・ピアニストとして研鑽を積んだ後、1987年にノルウェー歌劇場で指揮者デビュー。1990年には同歌劇場の音楽監督に就任し、1992年から2002年までブリュッセルの王立モネ劇場音楽監督を務めました。この間にはウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場、バイロイト音楽祭へのデビューも果たしています。英国ロイヤル・オペラ音楽監督在任中の2005年からはローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団音楽監督も務めました。2024年9月よりロンドン交響楽団首席指揮者に就任する予定です。

パッパーノは、エリザベス2世女王陛下よりナイトの称号(サー)を与えられたほか、イタリア共和国功労勲章カヴァリエーレ・ディ・クローチェ(大十字騎士)の称号も与えられました。2016年には「イギリスで最も活躍するイタリア人10人」に選ばれましたが、2023年5月の英国王戴冠式でコロネーション・オーケストラの指揮を任ぜられたことは、パッパーノが英国を代表する指揮者であることをあらわしています。

アントニオ・パッパーノからのメッセージ

 

アントニオ・パッパーノ

Photo : ROH

    日本のオペラを愛するみなさま、「音楽」、そして「劇場」という名の家族と共に、コヴェント・ガーデンで上演するように日本の劇場でオペラを上演することは私たちにとってまさにハイライトともいうべき瞬間です。

    それも今回は『リゴレット』と『トゥーランドット』という、とてもパワフルな物語があり、演劇的にも音楽的にも明確な主張を持ったオペラを皆様にお届けします。

    このふたつのオペラは素晴らしい名作ですが、様式的にはまったく異なるものです。イタリア・オペラという名の万華鏡の中のふたつの異なる色合い、そして私たちの異なる側面を皆様にみていただけるのは大きな喜びです。

    来日する度にみなさまが送ってくださるあたたかな反応は私たちにとって本当に特別なものです。みなさまと再びお目にかかり、願わくば、共に乾杯! を交わす日を心から楽しみにしています。

パッパーノが選んだふたつの名作

パッパーノが音楽監督としての掉尾を飾るべく日本公演に選んだのが、ヴェルディの『リゴレット』とプッチーニの『トゥーランドット』のふたつの名作です。これらのオペラは、音楽的にも演劇的にも明確な主張を持ち、パッパーノの集大成を示す総力をあげた舞台です。

『リゴレット』

 

英国ロイヤル・オペラ『リゴレット』
Photo : Ellie Kurttz / ROH

音楽監督のパッパーノが最後の日本公演で日本の観客に披露したいと固執したのが、この『リゴレット』です。ヴェルディが16作目の題材に取り上げたのはヴィクトル・ユゴーの戯曲「王はお愉しみ」です。人間的苦悩と父性愛の悲劇に惹かれたヴェルディは、自身が目指す「ドラマと音楽の合一」のために新しい表現方法に踏み出し、成功させました。リゴレット、その娘ジルダ、マントヴァ公爵といった登場人物は、それぞれが複雑な心情の持ち主です。善悪含めたその心の動きが、ドラマのなかで否応なく迫ってくるのはヴェルディの音楽の力というべきものです。

英国ロイヤル・オペラ『リゴレット』
Photo : Ellie Kurttz / ROH

コロナ禍による18カ月の劇場閉鎖の後、2021/22シーズン・オープニングにロイヤル・オペラを満員にしたのは、この『リゴレット』でした。パッパーノによる音楽づくりは「官能的で恐ろしいほどの美しさ!」「並はずれた才能を発揮したその音楽はスリリング」と大絶賛され、マントヴァ公爵が“美術と女性の蒐集家”であったことをドラマの根底に織り込んだオリヴァー・ミアーズによる新演出は、奇を衒うことなく、長く人々を魅了する絵画や彫刻と同じような「流行に終わることのない芸術的な作品」と評価されました。

英国ロイヤル・オペラ『リゴレット』
Photo : Ellie Kurttz / ROH

日本公演には、パッパーノ指揮はもちろん、タイトルロールにはその才能とテクニックにパッパーノが太鼓判を押すエティエンヌ・デュピュイ、ジルダ役にはこの役で世界的に活活躍しているネイディーン・シエラが登場します。マントヴァ公爵役がイタリア・デビューだった“驚異的テノール”ハビエル・カマレナによる「女心の歌」もけっして聴き逃せません。なお、6月22日(土)終演後にパッパーノによるアフタートーク(30分程度)、6月25日(火)開演前にオーケストラのメンバーによるミニイベントを開催予定。

会場
神奈川県民ホール、NHKホール
公演日時
神奈川県民ホール : 6月22日(土)15時~、6月25日(火)13時~ / NHKホール : 6月28日(金)18時30分~、6月30日(日)15時~
指揮
アントニオ・パッパーノ
演出
オリヴァー・ミアーズ
予定されている出演者
マントヴァ公爵 : ハヴィエル・カマレナ、リゴレット : エティエンヌ・デュピュイ、ジルダ : ネイディーン・シエラ / ロイヤル・オペラ合唱団、ロイヤル・オペラハウス管弦楽団
上演時間
約3時間(休憩1回含む)
入場料
S席 72,000円、A席 62,000円、B席 48,000円、C席 38,000円、D席 32,000円、E席 22,000円 / 横浜平日マチネ 特別料金 ※6月25日(火)のみS席 49,000円、A席 42,000円、B席 35,000円、C席 30,000円、D席 25,000円、E席 20,000円 / オペラ・ロイヤル・シート席 644,000円、サポーター席 122,000円 ※6月25日(火)のみ99,000円(S席 49,000円+寄付金50,000円)

『トゥーランドット』

 

英国ロイヤル・オペラ『トゥーランドット』
Photo : ROH

プッチーニの最後の作品『トゥーランドット』は、ヴェルディの『アイーダ』と同様に、音楽性に加えて、スペクタクル性やエンターテインメント性を備えた作品として人気を集めています。このアンドレイ・セルバン演出の『トゥーランドット』は、1984年に初演、1986年の日本公演でも上演され大成功を収めました。階段状の回廊、豪華な玉座に座った皇帝、豊かなイマジネーションをあらわす陰影に富んだ照明などなど、美しく壮麗な舞台装置が人々を魅了します。

英国ロイヤル・オペラ『トゥーランドット』
Photo : Marc Brenner / ROH

英国ロイヤル・オペラで愛され続けて40年、この間には演出が何度かヴァージョンアップされています。当初からの細部に至るまでのこだわりに、さらに、新鮮さや鮮やかさをもたらす色彩、さらにスピーディになりインパクトが強くなった振付など。印象的な変更は、オペラの開演前にカーテンが上がっており、深紅の吹き流しが滝のように下がっていることかもしれません。

英国ロイヤル・オペラ『トゥーランドット』
Photo : Tristram Kenton / ROH

パッパーノが『トゥーランドット』をオーケストラ・ピットで振ったのは2023年春が初めてというのは意外ですが、その時にも「どの指揮者よりも優れている」と絶賛されました。日本公演では、パワフルな声がトゥーランドット姫にぴったりのソンドラ・ラドヴァノフスキー、世界で最も有名なアリア「誰も寝てはならぬ」を聴かせるのはカラフ役で世界を席巻しているブライアン・ジェイド、そして現地ではすでに“リュー役の絶対的実力者”と認められているマサバネ・セシリア・ラングワナシャの登場も楽しみです。38年ぶりの日本再演の成功は約束されていると言っていいでしょう。

会場
東京文化会館
公演日時
6月23日(日)15時~、6月26日(水)18時30分、6月29日(土)15時~、7月2日(火)15時~
指揮
アントニオ・パッパーノ
演出
アンドレイ・セルバン
予定されている出演者
トゥーランドット姫 : ソンドラ・ラドヴァノフスキー、カラフ : ブライアン・ジェイド、リュー : マサバネ・セシリア・ラングワナシャ / ロイヤル・オペラ合唱団、ロイヤル・オペラハウス管弦楽団
上演時間
約3時間(休憩2回含む)
入場料
S席 72,000円、A席 62,000円、B席 48,000円、C席 38,000円、D席 32,000円、E席 22,000円 / オペラ・ロイヤル・シート席 644,000円、サポーター席 122,000円

社会の趨勢に合わせた様々な種類のチケット

近年の急激な円安や物価高により、オペラ引越し公演の開催は窮地にたたされています。日本にいながらにして現地と同じ舞台を体験できる引越し公演の伝統への支援を募るため、「オペラ・ロイヤル・シート」および「サポーター席」が設けられました。

これらの寄付金分は、高騰する航空運賃や海上輸送費、宿泊費など制作費の補填や、若い観客を育成して次世代に継承するためのU39シート、U29シートの設置などのために使われます。

一方で、今回は割安でオペラを楽しめるよう、「横浜平日マチネ特別料金」も設けられました。それぞれのスタイルに合ったチケットで英国ロイヤル・オペラを楽しめることになりそうです。

お得なチケット

 

2演目セット券

 

[S、A、B席]公演日および各席種の組み合わせは自由。NBS(WEB・電話)のみで発売。購入特典として1セットにつき公演プログラム(予価 3,000円)を1冊進呈。

U39シート(公演日限定)

 

公演当日に30歳~39歳までの方を対象したチケット。6月22日(土)、6月26日(水)の公演は18,000円、6月25日(火)の公演は16,000円で、NBS WEBチケットのみで5月16日(木)21時から引換券を発売。座席指定不可。座席指定券は公演当日の引き渡しになります。公演当日、年齢が確認できる身分証を提示ください。

U29シート

 

公演当日に小学生~29歳までの方を対象としたチケット。6月25日(火)の公演は8,000円、6月25日以外は10,000円で、NBS WEBチケットのみで5月16日(木)21時から引換券を発売。座席指定不可。座席指定券は公演当日の引き渡しになります。公演当日、年齢が確認できる身分証を提示ください。

Link

https://www.nbs.or.jp/stages/2024/roh/index.html

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