ウェールズ版なまはげ!? 年末年始の伝統行事「マリ・ルイド」を紹介するオンラインイベント2月15日開催

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ウェールズで年末年始に行われる伝統行事「マリ・ルイド」を紹介するオンラインイベントが、2026年2月15日(日)21時より開催。リボンや電球で飾った馬の頭蓋骨が家々を訪ねて歌合戦をしかけ、招き入れられた家庭に幸福な1年を約束するこの行事を、2026年1月9日に現地で撮影した最新映像とともに解説します。




マリ・ルイドとは何か

マリ・ルイド(Mari Lwyd)は、とくに南ウェールズで行われる年末年始の伝統行事です。「灰色の牝馬」という意味で、飾り立てた馬の頭蓋骨に棒を差し込み、白い布をかぶせて家々を訪ねます。馬丁のほか道化師やコメディのキャラクターがお供することもあり、一行は玄関先で「中に入れてくれ」と歌い、家人も歌で「入れないぞ」と応えます。

このウェールズ語の押韻詩歌で行う歌合戦はpwnco(プンコ)といい、最後にはマリ・ルイドが勝って家に入ることを許されます。食べ物やお酒をふるまわれる代わりに、マリ・ルイドはその家に新年の幸せと繁栄をもたらします。インパクトの強いビジュアルから「怖い」と思われがちですが、じつはユーモラスな性格で、歌に合わせて踊ったりいたずらしたりと軽妙な動きを見せます。



馬の頭蓋骨が持つ象徴性

マリ・ルイド

どうして馬、しかも頭蓋骨なのかといえば、ウェールズの伝説では馬はこの世とあの世を行き来する動物とされているためです。ウェールズの中世幻想物語集『マビノギオン』でも、主人公の前に異界の姫が馬に乗って現れます。頭蓋骨は死を意識させるもので、去りゆく年は死を、新しい年は再生を象徴します。キリスト教が伝わる以前のアニミズム的な世界観が育んだ、ウェールズ独自の民俗文化といえます。

じつはこのマリ・ルイドは、20世紀半ばにはほぼ消滅しかけていました。ところがウェールズ議会政府の設立やウェールズ語復興運動によって「我らの独自文化を守ろう」という機運が高まり、各地で復活しました。その際、昔ながらの行事をなぞるだけでなく、現代的な体験要素なども加味されています。



ナショナル・トラストのマナーハウスで撮影

Newton House Dinefwr Estate

今回のイベントで紹介される映像は、中部ウェールズの街・ランデイロ(Llandeilo)郊外に広がるナショナル・トラストのディネヴル・パーク(Dinefwr Park)内に建つNewton Houseで撮影されました。ウェールズ史に名を残すリース卿の子孫が暮らした邸宅で、『ダウントン・アビー』のミニ版のようなマナーハウスです。貴族の暮らしを再現したインテリアやクリスマスのデコレーションも見どころのひとつです。

昨年は室内のみでしたが、今年は屋外でもイベントが行われ、観衆を参加させたり、方角に象徴的な意味を加えたりと、だれもが楽しめる演出が見られました。関西ウェールズ協会メンバーが現地で取材した最新映像は、YouTubeで予告編も公開されています。



オンラインイベントの内容と参加方法

2月15日のオンラインイベントでは、単に最新映像を見せるだけでなく、関西ウェールズ協会のひろのちかこ氏がマリ・ルイドの説明やウェールズ史におけるマリ・ルイドの位置、マリ・ルイドを復活させたウェールズ人の心情などを解説します。映像紹介パートでは、ボレダ企画のなかうちゆうこ氏をMCに、取材・編集担当の渡辺丈起氏が実際のイベントの様子や感想を語ります。

イベントは2026年2月15日(日)21時から22時まで開催され、参加費は700円です。参加者限定かつ期間限定の見逃しアーカイヴ配信もあります。申し込みはPeatixで受け付けており、ウェールズに関心のある方はもちろん、英国の地方文化や民俗学に興味をお持ちの方にもおすすめです。

幸をもたらす冥界の使者、マリ・ルイド──隠れカルチャーの宝庫・ウェールズから最新映像でご紹介。

日時
2026年2月15日(日)21時~22時
参加費
700円
申込先リンク
https://marilwyd.peatix.com



ウェールズ独自の文化を知る機会

関西ウェールズ協会、ボレダ企画、日本カムリ学会

関西ウェールズ協会は、国籍を問わずウェールズという国、その文化およびウェールズ語に深い興味と関心がある人のための友好団体で、かつては日本ウェールズ協会の関西支部でしたが、運営と活動の自由度を高めるため、発展的に独立しました。名称に「関西」とついているのは当時の名残ですが、会員は日本全国、ウェールズにまで及んでいます。

ボレダ企画は欧州と日本を拠点に、ウェールズとの架け橋となるプロジェクトを企画運営しており、ウェールズ語に精通したスペシャリストがウェールズ語メディアやポップカルチャーのコーディネート、リサーチ、ガイダンスを行っています。また、日本カムリ学会は、カムリ(ウェールズのウェールズ語名称)の言語・歴史・文学・社会・文化など、さまざまな側面で学術研究を行うとともに、啓蒙活動を行っています。

Photo: © Crown Copyright

 

Link

https://kansaistdavidsocietyjapan.jimdofree.com/

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