「MANTA」Tim Binnington & Dani Binnington Special Interview

MANTA マンタ ヘアブラシ

2022年10月1日(土)より発売となった英国のヘアブラシ「MANTA」。4in1の機能を持ち、その肌当たりと使い心地は驚くほどなめらかでソフト、かつリフレッシング。あらゆる髪質・性別・年齢・ライフステージに思いを馳せ、特許技術を駆使して作られたユニークなデザインと機能性を兼ね備えています。その革新性から2022年に栄誉ある英国女王賞を受賞しました。

「MANTA」は、英国で57店舗のサロン経営に携わり、30年以上の美容師としてのキャリアのあるティム・ビニントンによって2019年に誕生したヘアブラシのブランドです。

MANTA マンタ ヘアブラシ

彼の最愛の妻ダニは、がん闘病によって一度髪の毛を失い、闘病後また生えてきた髪の毛を見ても「ブラシを使うとまた髪の毛が抜けてしまう」とブラッシングを避けていました。その姿を目にしたティムは「髪と頭皮のスカルプケアは大事。ただ彼女にはもっと優しく、効率よくケアできるブラシが必要だ」と思い立ち、開発と試作に5年の歳月をかけたのが「MANTA」のはじまりです。

British Culture in Japanではまさに「MANTA」が日本に上陸する直前の2022年8月にティムとダニ夫妻にインタヴュー。「MANTA」の開発に至った経緯や、ほかのヘアブラシにはない魅力について語ってもらいました。

──まずは英国女王賞の受賞おめでとうございます。受賞を知った際に、どのような思いを抱かれましたか?

ティム 賞をいただいたのは、とても光栄でした。「MANTA」の開発はほかの人とは違うことをしていて、流れに逆らうような気持ちで挑んでいましたので、何年間も苦労してきたことが認められたということですので。ほかのヘアブラシにはないヘアブラシを求めていましたので、受賞がわかった時には、今までやってきたことに価値があったんだ、報われたんだというような気分になりました。バッキンガム宮殿で賞を授与される時、何も持っていってはいけない規則だったんですが、「MANTA」を隠して持っていったんです(笑)。セキュリティに止められたものの、アン王女殿下にギフトとして持ってきましたと伝えたところ、10分間ほど待たされた後、無事に渡すことができました。

今回、「MANTA」は革新的な商品を生み出した企業ということで賞をいただいたんですが、英国の輸出産業に貢献した企業や、サステナビリティに貢献した企業も女王賞に選ばれていましたので、そうした企業の方々ともつながることができたことも良い機会となりましたね。

──輸出産業に貢献しているのは「MANTA」も同様ですね。こうして日本でも10月1日から販売が始まりましたし。

ティム そうありたいものです。現在、16~20くらいの国で「MANTA」が発売されていますが、うれしいことに日本もその国のひとつになりました。

ダニ 「MANTA」は今までのものとは違ったヘアブラシです。従来のメイクブランドが販売しているヘアブラシとは一線を画すバックグラウンドを持っていますので、「MANTA」が掲げるミッションだったり、開発に至った経緯を理解してくれたパートナーと一緒にやっていきたい。ヘアブラシを売るというビジネスだけではなく、「MANTA」に共感してもらうところが重要で、ビジネスパートナーというよりも共に旅をする仲間というように私たちは考えています。

──開発の経緯は、まさにダニさんのご病気がきっかけとなっていますね。日本では「髪は女の命」という言葉があります。闘病で多くの髪の毛を失ったことに対して、どんな思いを抱いていましたか。

ダニ ガンに侵された時、治療が終わったら、また以前のような通常の生活に戻ることを期待していました。乳がんと診断された時、双子の娘たちはまだ4歳でしたし。1年かけて手術をして、その後は化学治療も行いました。まさに天地がひっくり返るような経験で、通常の生活に戻ることなんて、幻想にすぎないことがわかったんです。ふたつの意味で私とティムの人生は変わってしまいました。

私に関しては、どうしても今までのヘアブラシで普通にブラッシングをすると髪が抜けてしまって、ブラッシングをするとしても撫でるようにするしかなかったんです。しかも肩に切れ毛が残ってしまい、髪の毛に対する悩みを抱えていました。私は元々、ジュエリーデザイナーだったんですが、この仕事も諦めて、ヨガだったり、健康的な食生活だったり、マインドフルネスの方に切り替えたんです。乳がんが寛解するまでに5年かかりました。

一方、ティムはその時点で30年ほどの美容師の経験があり、現在では英国で57店舗を経営するまでになっています。彼は何千人もの何万人ものお客さまの髪をお世話していて、がん患者だけでなく、例えば産後で髪の毛が抜けてしまう女性だったり、閉経してしまって髪の毛を抜けてしまった方、あとうまく手の力が入らなくてブラッシングしづらい方など、様々な髪の毛の問題を抱えているお客様を目にしていました。

そこで夫婦ふたりで髪の毛の問題に対して、しっかり向き合おうというところで、5年間かけて一緒に「MANTA」を開発しました。その開発期間中、色々な美容製品や家電などが進化しているのにも関わらず、ヘアブラシだけは1950年代の同じ形のままというところに疑問を持ったんです。歯ブラシも電動になっていますし、車も電気で動くようになりました。どうしてヘアブラシだけはずっと同じなんでしょう。そこにティムは気づいたんです。これはもう変化の時だというところで、「MANTA」の開発が始まり、誕生したんです。

もともと私の個人的な髪の悩みからスタートしましたが、色々な方の髪の悩みや問題をサポートするものでした。ですので、私のためのブラシだけではないのです。ライフステージが移っていくことで髪の毛の問題は変わっていきますが、「MANTA」はそのサポートをしていきたいのです。
 

MANTA マンタ ヘアブラシ

 

──ティムさんはベテランの美容師ですが、その経験が「MANTA」の開発に活かされましたか?

ティム ヘアサロンにいらっしゃるお客さまはカラーリングなどの髪の毛の施術にはすごくお金のかけるのに、ブラシには全然お金をかけないんですよね。サロンでブラッシングするときも抜けた髪の毛がブラシに残るのがすごく気になっていました。毎日、ヘアサロンのスタッフに必ずヘアブラシを綺麗に掃除してねと言っていたんですが、どうしてヘアブラシに髪の毛が抜けて残るのかというのを、それまで全然疑問に思わなかったんですが、妻の病気をきっかけに気づいたんです。

みなさんが何気なくブラッシングされているときに、頭皮にどんな負荷がかかっているのか、何が起きているのか、頭皮はすごく敏感なところなのに何をしてるのか、あまり気にされていません。シャンプーやトリートメントなどのヘアケア商品にはすごくお金を使うのに、それに反比例するかのようにヘアブラシにかけるお金とはどんどん安くなっています。ヘアブラシのコストはすごく安く、本当にチープなヘアブラシしかありません。

妻が病気になった後に、どういうヘアブラシが良かったかと聞いたら、自分の手がいちばんだったと答えたんです。手ぐしですね。じゃあ、手にブラシが生えたようなものを作ろうとなったんです。

「MANTA」の手を添える部分は柔軟性があって、力を抜くと元の形に戻ります。髪の毛が当たるピンの部分もちゃんとブラシッシングできるように髪の毛に結構入り込むぐらいの硬さがあります。このふたつの部分は似ているようで、違う素材なんですね。このふたつの異なる素材のパーツをひとつにくっつけたというところが、フレックスガードテクノロジーと名付けた特許技術になっています。フレキシブルに曲がるんですけど、形状記憶されているってところが、この技術の特徴で、この異素材をふたつ組み合わせて型を作るというのがとても難しかった点です。

MANTA マンタ ヘアブラシ

──今、ティムさんが見せてくれたブラッシングの動きで気づいたんですが、「MANTA」はあのMANTAから名前が取られているんですね。

ティム わかりましたか(笑)。MANTAは力を入れないで優雅に泳いでいるように見えますよね。そこが我々の「MANTA」に通じるところがあって、気に入ったんです。あと、スペイン語で“MANTA”というのはブランケットを意味するんです。体を包んでくれるもの、何かから守ってくれるものというところで、そういった意味もあるのがいいんじゃないかな、というところでネーミングしました。

──発売後、世界各国で愛用されている「MANTA」ですが、様々なフィードバックが届けられていると思います。どういった声が多いですか?

ダニ 5点満点で5点のレヴューがほとんどなのですが、たまにネガティヴな意見をいただくことがあります。その際はどうやって使ったんだろう、何が足りなかったんだろうと、参考にする機会を与えてくれますので、そうした声も大切なんですよね。

ティム 感動して心に残っているのは最初の頃に手紙でいただいたレヴューでした。少しお年を召された女性からで、すごく「MANTA」のことが気に入っていて、ひとつ後悔があるとするとどうしてもっと早く使えなかったのか、もっと若い時に使えていればよかったということが記されていました。

──日本人女性の髪の太さは、平均約0.08ミリと言われています。欧米人の平均は約0.05ミリで、日本人の髪は平均して欧米人の1.5倍の太さがあるそうです。そんな日本人の髪にも「MANTA」は合うのでしょうか?

ティム 髪質によってブラッシングの仕方を変えないといけないんですが、私たちの娘は髪の毛が太めの髪質で、そういう方は毛束を分けてブラッシングするとブラシのピンがすべての髪に行き届くようになります。髪全体を一度にブラッシングすると、今までのヘアブラシと同じで、髪の毛を強い力で引っ張ってしまうので、髪の毛にダメージを与えてしまいます。髪質が太目の方には毛束に分けてブラッシングすることをおすすめしています。

ダニ 大事なのは髪質にこだわらず、自分の髪の毛ですので、自分でコントロールする、自分に対してマインドフルにケアすることが大事で、頭皮に対しては髪の毛に対して引っ張らずに優しくというのが「MANTA」を使うポイントなんですよ。
 

MANTA マンタ ヘアブラシ

 

──私も今日出かける前のシャワーでも使い、スタイリングの際も使いましたが、とても頭に心地よく、リフレッシュした気分になりました。男性も「MANTA」をどんどん使ってほしいと思います。

ティム 男性の方にもどんどん使っていってほしいですね。男性ももっとヘアブラシに関心を持つべきだと思いますので。私は頭皮がドライなタイプなので、ちゃんとケアをしないと角質が落ちてきてフケのように見えてしまうんです。毎日歯を磨くように頭皮をブラッシングしてるとマッサージ効果による血液の循環がよくなり、酸素がいきわたりますので、頭皮が健やかになるんです。 歯を磨く時も歯が悪くなってから磨くんじゃなくて、毎日磨くことで虫歯を予防していると思うんですけど、同じような感覚で「MANTA」を使ったヘアケアを毎日やっていただきたいですね。あと、顔と頭皮は繋がっていますので、スキンケアをする感覚でブラッシングしてください。

ダニ 性別に関係なく、人には髪の毛があって頭皮があります。ウェルビーイングに関わってくるんですけども、髪の毛のことは気にしないで、とりあえずマッサージをする ことで1日を始めてみてはいかがでしょうか。そうすると気分も良くなって1日がすごく心地よく始められるはずです。1日のルーティンに組み込んでもらうというところも「MANTA」の目的でもあって、それは男性も女性も、ノンバイナリーな方も関係なく、1日のウェルビーイングに繋がっていきます。
 

MANTA マンタ ヘアブラシ

 

──「MANTA」は、がん治療やその他の病気で自分の髪を失った子どもや若者に、本物の髪のウィッグを無料で提供する慈善団体「The Little Princess Trust」を支援しています。どうして支援しようと思われたのですか? また、「MANTA」を購入することで、購入者も間接的に「The Little Princess Trust」を支援することになりますね。

ティム ひとつのウィッグを作るのに14名分のヘアドネーションが必要で、「MANTA」を贈ることで、髪の毛を失くした若者たちはウィッグ だけでなく自分の頭皮にブラッシングすることもできますし、闘病後に自毛が生えてきたときもブラッシングできるので、長い間使ってもらえると考えています。。「MANTA」がローンチしてから現在に至るまで6千個を配ったところです。お金はかかりますが、これからも続けていきますよ。

ダニ 「The Little Princess Trust」はあまり大きなチャリティー団体ではないんですが、その代わりに積極的に関わることができるんです。大きいチャリティー団体だと資金援助をするだけで終わり、というようなこともありますから。コロナ禍で色々な慈善団体が資金繰りに苦戦されていた中、「The Little Princess Trust」に関してはコロナ禍で髪の毛が伸びたけれど、外出することができずにヘアサロンで切ることができなかったので、髪の毛の提供が増えたそうです。

また、我々は「The Little Princess Trust」に対して資金援助をするのではなく、ウィッグを病気のお子さんに贈る際に「MANTA」も一緒に送ってもらうことで支援しています。「MANTA」をローンチしたのはお金のためだけではなく、「The Little Princess Trust」をはじめとする人の役に立つことを行いたいという願いがありました。その思いが「MANTA」を通常のブラシとまったく異なるものにしていると自負しています。

「The Little Princess Trust」に寄贈した「MANTA」の数は6,124個で、価格にして15,3250ポンドになりました。

──すばらしい理念ですね。最後にこれから「MANTA」を使用する日本のユーザーにメッセージをお願いします。

ティム 「MANTA」はとてもパーソナルなヘアブラシで、様々な方の状態に合わせて使っていただけるというところが魅力です。例えば力を入れて握らなくても済むので、握力が弱かったり、関節炎で手がうまく動かせない方には力を入れずにブラッシングしていただけますし、お母さんが子供に毎朝するブラッシングにも使えます。年齢、世代、性別問わずに手軽に簡単に髪をケアできるのが「MANTA」なのです。よく昔から1日100回ブラッシングするといいと言われていますが、それは間違っています。100回ブラッシングするのがいいのではなく、頭皮から出てくる脂を髪の毛に行き渡らせることが大事なんです。「MANTA」でブラッシングすることで、頭皮の良い脂が行き渡りますので、ぜひ一度あなた自身の髪で「MANTA」を体験してみてください。

MANTA マンタ ヘアブラシ

ダニ 日本の方だけではなくて、皆さんに考えていただきたいことがあります。今自分がしているヘアケアは本当に正しいのか? ということです。そのヘアケアは自分にとって気持ち良いのか、心地が良いのかを自問自答してヘアケアをしてみてください。1日かけたヘアケアではなくて、毎朝3分でいいので、3分かけて自分が心地よくなるような、例えばマッサージしてみたり、自分の今までのヘアケアのルーティンって本当によかったのかな? と心にちょっと問いかけてみましょう。

私の母が毎朝「MANTA」で髪の毛を梳かす時に、耳の周辺やこめかみも一緒に刺激しています。その部分を刺激すると、脳が活性化するかどうかはわかりませんが、リフレッシュすると言っていました。朝にコーヒーを飲むような感覚で、頭をグリグリしているそうです(笑)。

ですので、ご自分の髪の毛に、意識を向けたり 、マインドフルになって、もう少し好奇心や遊び心を持って、「MANTA」と共に髪の毛と向き合ってほしいですね。

マンタ ヘアブラシ

MANTA マンタ

 

カラー展開
オリジナル ホワイト、ピンク
価格
各6,050円
発売日
2022年10月1日(土)
公式通販サイト
https://fitsonlinestore.com/c/manta

Link

https://fitsonlinestore.com/c/manta

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