- Food
ブライトン美術館で「モッズ:ファッションとスタイル展」が開幕!60’sUKカルチャーの象徴を体感できる特別展
ブライトン美術館&アートギャラリーで、「The In Crowd: Mod Fashion & Style 1958–66(ジ・イン・クラウド:モッズファッションとスタイル 1958-66)」展が5月10日(土)に開幕しました。2026年1月4日まで開催される本展は、60年代の英国を席巻したモッズ・カルチャーの歴史と革新的なファッションを紹介する特別展です。
モッズ・カルチャーの聖地ブライトンで開催される意義

© Keystone Pictures USA/ZUMAPRESS.com/Alamy Live News
ブライトンは1960年代、モッズとロッカーズの対立が頂点に達した象徴的な場所として知られています。1964年5月、ブライトンの海岸で起きた大規模な衝突は、当時のBBC報道によると1,000人以上の若者が関与し、50人以上が逮捕される事態となりました。この出来事は後に映画『さらば青春の光(Quadrophenia)』でも描かれ、モッズ・カルチャーの歴史において重要な転換点となりました。
ブライトン美術館&アートギャラリーのマート・ペル(テキスタイル&衣装キュレーター)は「モッズは戦後の質素な時代に背を向け、鮮やかな色彩と明確なラインを持つ大胆で新しいアイデンティティを受け入れました。彼らは単におしゃれをしていただけでなく、若くて英国人であることの意味を再定義したのです」と展示の意義を語っています。
モッズとは何か? その歴史的背景
モッズは1950年代末にロンドンで誕生した若者文化で、「モダン(Modern)」の略称です。当初は裕福な中産階級出身のユダヤ人ティーンエイジャーを中心に広がりました。彼らはモダン・ジャズを愛好し、モダンでクールであることをモットーとしていました。

©David Bagnall/Alamy Stock Foto
第二次世界大戦後の経済成長により、若者たちは可処分所得と自由時間を手に入れ、自分たちのアイデンティティを表現する手段としてファッションに注目しました。伝統的な階級社会に対する反発もあり、彼らは細身のスーツ、ミリタリーコート(後にモッズコートと呼ばれる)、ボタンダウンシャツなどを着用し、ランブレッタやヴェスパといったスクーターに乗ることで独自のスタイルを確立しました。
展示の見どころと特別コレクション
本展では、映画『さらば青春の光』や『アブソリュート・ビギナーズ』などのスタイリングを手がけ、デヴィッド・ボウイ、ビートルズ、ローリング・ストーンズなどの文化的アイコンとコラボレーションしてきたロジャー・K・バートンのヴィンテージコレクションから、35体以上のマネキンに着せられた貴重な初期モッズファッションが展示されています。
注目の展示アイテム
展示では、ジョン・スティーブン、そして地元ブライトン発祥のベン・シャーマンによるオリジナルデザインなど、モッズ・ムーヴメントを定義した影響力のあるデザイナーの作品が紹介されています。特にギャラリー3では、現代の音楽とファッションテレビの舞台を設定したTV番組「Ready Steady Go」に特別な焦点が当てられています。
バートン氏は「モッズは単なるファッションではなく、世代の落ち着きのない精神を捉えたものです。戦後のイギリスに登場したモッズは1950年代を拒否し、鋭いテーラリング、大胆な色使い、そして若者文化の精神を捉えたモダンさを好みました」と説明しています。
ベン・シャーマンとのコラボレーション
本展のヘッドラインスポンサーであるベン・シャーマンは、モッズカルチャーと深く結びついたブランドとして知られています。1963年にブライトンで創業されたベン・シャーマンは、モッズ・ムーヴメントに好まれた仕立ての良いデザインと現代的な美学を持つ、鋭い英国スタイルの象徴となりました。
5月23日からは、美術館のファッションギャラリーで「Ben Sherman: The Decades(ベン・シャーマン:ザ・デケイズ)」と題した特別インスタレーションがオープンします。このインスタレーションでは、12体のマネキンと、シグネチャーシャツ、ハリントンジャケット、伝説的なミュージシャンや文化的アイコンが着用したり、インスピレーションを受けたりした衣服など、アーカイヴピースの厳選されたコレクションが展示されます。
モッズファッションの現代への影響

モッズは1960年代後半には衰退したものの、その遺産は今日まで生き続けています。モッズは、その鋭さと洗練さにおいて独特の英国的ライフスタイルを作り上げながらも、その視点においては大胆にモダンでした。その影響はイギリスを超えて世界中のファッションに影響を与えました。
モッズ・ファッションの特徴である細身のスーツ、ボタンダウンシャツ、ポロシャツ(特にフレッド・ペリーやラコステなど)、ドクターマーチンやクラークスのデザートブーツなどは、今日でも多くのファッション愛好家に支持されています。
バートン氏は「モッズはライフスタイルを作り出しました。それは世代を超えて関連性を保ち続けた文化的運動でした。戦後のイギリスでの若者の反抗として始まったものが、世界的な現象になりました。この展示会では、そのスピリットが今日のファッションにどのように影響を与え続けているかを示します」と語っています。
「The In Crowd: Mod Fashion & Style 1958–66」展は、ファッションと社会に消えることのない痕跡を残した変革的な若者文化の世界に足を踏み入れる機会です。この時代を生きた方も、初めて発見する方も、本展はモッズ・スタイルがどのようにファッション界を変えたかを探る没入感のある魅力的な体験をできることでしょう。
展示は2025年5月10日から2026年1月4日までブライトン美術館&アートギャラリーで開催されています。モッズ・スタイルがファッション界をどのように変えたかを探る機会をお見逃しなく。
Link
https://brightonmuseums.org.uk/wearethemods/
Sponsered Link
Sponsered Link
Recommends
合わせて読みたい
Sponsered Link
Sponsered Link
Ranking
注目の記事ランキング
- Food
- Food
- Travel
- Home