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映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』フィン・ホワイトヘッドのインタヴュー映像が公開に
『ダンケルク』『ヴォイジャー』でも注目を集め、2月25日(金)より公開される映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』でも存在感あふれる演技が光るフィン・ホワイトヘッドのインタヴュー映像が公開に。
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『ダンケルク』の主役に大抜擢された24歳
ロンドン・ナショナル・ギャラリー史上唯一にして最大の盗難事件の真相を描く驚きの実話、映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』。ジム・ブロードベント演じる主人公ケンプトン・バントンの息子ジャッキー役を熱演するフィン・ホワイトヘッドのインタヴュー映像が公開されました。
ロンドン生まれのフィンは、皿洗いのアルバイトをしながらオーディションに通い、クリストファー・ノーラン監督の大作映画『ダンケルク』(2017)の主役に大抜擢。
その後、エミー賞を受賞したNetflixオリジナル映画『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』(2018)で主演を務め、タイ・シェリダンとリリー=ローズ・デップと共演し、3月に公開を控えるSF大作『ヴォイジャー』(2021)などの話題作に出演。
現在24歳というフレッシュな若さで、これからの活躍が期待される英国俳優のひとりとして注目を集めています。
本作でフィンが演じたのは、主人公ケンプトンの次男で、船大工として働くジャッキー。何かと口喧嘩が絶えない両親の仲を取り持つ心優しい青年で、事件に隠されたキーパーソンでもあります。
到着したインタヴュー映像では、本作について「当時のイギリス北部の階級格差に対する市民の声が込められていると思う」と述べ、自身の役どころを「彼は父親の影響で制度に従う気はなくて、さまざまなことに疑問を持っている。政府が絵画に払った莫大なお金を福祉に回すべきだという父親に賛同している。映画の中の彼は怒りをため込んでいるけど、本当はとても物静かな人間で頭にあることを全て口にしようとはしない」と説明。
主人公である父のケンプトンについては、「年金生活者は無料にすべきだとケンプトンは真剣に考えている。テレビ受信料は不公平で、老人の孤独を救っているのがテレビだと信じている。そのために絵画の身代金を要求するんだ。英雄的な行動だよね。人の行動がいかに社会を変えるかという、いい見本だと思う」と魅力を語っています。
名優ジム・ブロードベントとヘレン・ミレンと念願の初共演を果たしたフィン。「最高の共演者に恵まれて至福の時だった。ふたりとも僕にとっては長年の憧れと尊敬の存在だったけど、そんなふたりによくしてもらって楽しく仕事ができた」と振り返り、最後に観客に向けて「観客のみなさんも心を打たれると思うし、見終わったあとに心が晴れるといいな」とメッセージを贈っています。
パスポートを盗まれてロンドンの美術館ざんまい
また、都内で先行上映が実施され、上映後に評論家・山田五郎と、ウェブ版「美術手帖」編集長の橋爪勇介が登壇しトークイヴェントが開催に。
橋爪から映画の感想を聞かれた山田は「本作のおもしろいポイントは台詞。夫婦のやりとりもそうだけど、特に裁判のシーンのセリフ回しは、イギリスらしくユーモアにあふれている」と語り、本作で主人公を陰ながら支える妻役のヘレン・ミレンのことも「実にイギリスらしい女優。エリザベス女王から、スパイ役、本作ではニューカッスルという田舎の労働者の奥さん役まで演じられる。役柄が幅広く、大好きな女優さんです」と語りました。
映画に登場するロンドン・ナショナル・ギャラリーについては「ヨーロッパの美術館は王室コレクションがベースとなった美術館が多いが、ここは個人コレクションから始っているのが珍しくて異色。銀行家であるジョン・ジュリアス・アンガースタインの個人コレクションがベースになっていて、その後国が買い上げて市民のために運営していっているので、非常に開かれた美術館であること。イギリスはヨーロッパ全体においてターナーが登場するまで、絵画の分野で美術後進国と言えるので、ナショナル・ギャラリーが美術史を教えようとしている教育的配慮があり、西洋美術史を俯瞰するようなコレクションになっている」と説明してくれました。
自身の留学時代、パスポートを盗まれ再発行のために1か月ほど思いがけずロンドンに滞在中することになった思い出も語り、「大きすぎない、ちょうどいいコンパクトさで見やすく回りやすい美術館で、自分が一番勉強になった美術館だった。毎日のように大英博物館とナショナル・ギャラリーに通った。当時は地下にあった、今までナショナル・ギャラリーが買ってしまった偽物を展示している贋作の部屋が、本当に勉強になった。そういった絵を展示している美術館は、懐が深いというか、すごいと思った」とコメント。
また、イギリスの英雄である絵画「ウェリントン公爵」のアメリカへの流失を防ごうとする映画のいくつかのシーンについては、「海外では自国の貴重な絵画が流出することに対して世論が高まり、その絵画を国として買い戻そうとした例がいくつかあるが、日本では驚くほどそれがない。さらっと流失して、里帰りして戻ってくることもある」と語りました。
「『ウェリントン公爵』の表情については、無表情だ、冷たい顔をしている、と評されることがあって、ゴヤはウェリントン公爵に反感をもっていたのではないかと言われるが、そんなことはない。彼は数多くの戦勝を上げて公爵までスピード出世した軍人であり、ナポレオン率いるフランスからスペインを救った英雄なので、ゴヤは宮廷画家としてきちんと描いた。ゴヤは本当に絵が上手い人で、実際にウェリントンさんは戦争続きで本当に疲れた顔をしていたんだと思う(笑)。トーマス・ローレンスというイギリスの宮廷画家が描いたウェリントンも疲れているから、本来この顔なんだよ(笑)」と山田が語り、会場を沸かせました。
最後に、「60年代のロンドンが忠実に表現された、時代を感じる映画だと思う。おそらく当時の映像も使用されているんじゃないかな。主人公は労働者だけど、戯曲を書いたり本を読んだり、昔の労働者階級は教養があったんだなと思った。かつての日本も同じだったと思う。この事件が起こった1961年は、ガガーリンが月に行った、ケネディが大統領になった、日本ではトリスを飲んでハワイに行こう、と言っていた時代だった」と懐かしく語りました。
ゴヤの名画と優しい泥棒
- 監督
- ロジャー・ミッシェル
- 出演
- ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、フィオン・ホワイトヘッド、アンナ・マックスウェル・マーティン、マシュー・グードほか
- 作品情報
- 2020年 / イギリス映画 / 英語 / 原題 : THE DUKE
- 公開日
- 2月25日(金)よりTOHO シネマズ シャンテほか全国公開
- 配給
- ハピネットファントム・スタジオ
- 後援
- ブリティッシュ・カウンシル
©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020
Link
https://happinet-phantom.com/goya-movie/
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