ミナリマ『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』interview

Film 2018.11.19 Text by 編集部

『ハリー・ポッター』魔法ワールドシリーズ、そして11月23日から全国公開される『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でデザインを担当したグラフィックデザイナーチーム、ミナリマ。ミラフォラ・ミナさんとエドゥアルド・リマさんによるデザイナーコンビが、あの世界観を創造しています。最新作である『黒い魔法使いの誕生』をはじめとするシリーズのデザイン、そしてロンドンでのお気に入りスポットについておふたりにお話をうかがいました。

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──『ハリー・ポッター』シリーズから『ファンタビ』シリーズまで長きにわたって、その世界観を創造してきていますが、デザインする上での意識の変化はありますか?

 

ミナ : デザインにおける基本理念は作品が違っても変わりません。デザインはストーリーとキャラクター、そのキャラクターたちの動機をきちんと理解するところから始まり、どうヴィジュアルに体現していくかということを考えるわけですが、そのヴィジュアルをもって観客にストーリーあるいはモチベーションを理解してもらうかが鍵となります。

 

魔法使いが出てくる映画以外でもそのアプローチは変わりません。シリーズは20年近くにわたって続いていますが、それなりにスキルも習得しましたし、それを活かすことができている、できていると自信を持って言えたらいいんですが(笑)。でも、私たちだけでなく、『ハリー・ポッター』『ファンタビ』を手がけているスタッフに共通して言えることだと思います。

 

リマ : ふたり組でやっていますので、お互いに意見交換をしながらシリーズを手がけてきたわけですから、個別でやるよりもふたりのアイデアをカクテルのようにミックスして相乗効果を生み出してこれたんじゃないでしょうか。それに18年の間にテクノロジーも発達しましたし、使えるツールも格段に増えたことは変化と言えるでしょうね。

 

──『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は1920年代のニューヨークで、今回の『黒い魔法使いの誕生』はパリが舞台です。デザインの面でもその文化の違いが表れていると思いますが、いかがでしょうか? また、現代にないものを作る上で、今では使わないような変わった手法を用いることもあるんでしょうか?

 

リマ : 『ハリー・ポッター』は現代劇ですから、マグルの世界も当然現代になります。でも、『ファンタビ』はマグルの世界も1920年代が舞台となりますから、その時代を表現、デザインするのはとても楽しかったですね。ニューヨークもパリも確固たるスタイルがありましたから。

 

ミナ : ただ、それだけに手が込むようになって、仕事量は格段に増えましたけどね(笑)。例えば、1920年代の街なかにある広告は手描きだったんです。マグルの世界でもそういうことを念頭に置いて作らないといけませんし、魔法の世界でもその仕様に変えていくのにも工夫も要しましたね。

 

 

──1920年代はアールデコの様式は花開いていた時期ですが、その一方で魔法の世界は中世の時代観が続いています。そのふたつの世界のバランスはどのように取っているのでしょうか?

 

リマ : 『ハリー・ポッター』では中世のゴシックっぽさと現代をサラダのようにごちゃまぜにしてきましたが、『ファンタビ』はマグルの世界の方が前面に出てきますので、20年代の方のデザインが強く打ち出されていると考えます。

 

ですので、『魔法使いの旅』はニューヨークですのでアールデコ調のデザインで、『黒い魔法使いの誕生』はパリでアール・ヌーヴォーが流行り始めていた時代ですので、それを反映しています。流行前のちょっと古いポスターの上に、アール・ヌーヴォーの様式を取り入れたポスターを貼り付けたり、そうしたレイヤー感も盛り込んだりしましたね。

 

ミナ : 例えば魔法の世界の新聞やパッケージも1920年代をある程度意識していますので、マグルの世界と魔法の世界のデザインは『ハリー・ポッター』よりはシンクロしていると思います。その上で一貫していたのは、魔法の世界で登場するものであっても現実の世界にありそうだというところを起点にデザインしているということです。

 

だいたい20%くらい魔法の世界っぽくするというバランス。J・K・ローリングも原作でまさに同じようなバランスでやっていますので、彼女に倣いました。読者のみなさんが魔法の世界を身近に感じられるのは、J・K・ローリングが100%のファンタジー・フィクションにしなかったからだと思うんです。

 

──『ハリー・ポッター』のダイアゴン横丁のモチーフとなったヨークのシャンブルストリートはまさに“現実の世界にある”ものですが、ほかにもお気に入りの場所はありますか?

 

ミナ : やっぱりロンドンですかね。どこかに魔法の世界が潜んでいるんじゃないかと考えるのがとても楽しい。

リマ : もちろん、キングス・クロス駅の9と3/4番線も忘れてはいけません(笑)。あとはエディンバラですね。あそこに行くとJ・K・ローリングのインスピレーションの源に触れるような気持ちになります。まさにホグワーツですよね。

 

 

──では、ミナリマのお店に行った後におすすめしたい場所はどこですか?

ミナ : お店からレスター・スクエアまで行く間に古本屋が点々としていて、そこを覗いてみるのをおすすめします。私たちがデザインのリサーチをするのはなんだかんだ言って、古本やアートブックなので、しょっちゅう通っています。あとはシャフツベリー・アベニューから入った歩行者しか通れない路地をぶらぶらするのもいいですね。

 

魔女のグッズを取り扱ったお店とかもあって、まさに『ファンタビ』の世界に触れられると思います。お店の隣には有名なメゾン・バトーもあります。フランスのパティスリーで、ロンドン最古のティールームと言われていて、日本の観光客の方々にも人気ですよ。

 

■Film info
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

監督 : デイビッド・イェーツ
脚本 : J・K・ローリング
出演 : エディ・レッドメイン、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、エズラ・ミラー、キャサリン・ウォーターストン、ダン・フォグラー、アリソン・スドルほか

2018年 / イギリス・アメリカ映画 / 英語 / 原題 : Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald
配給 : ワーナー・ブラザース
公開 : 11月23日(金・祝)全国ロードショー
© 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights © J.K. Rowling

 

■Link
fantasticbeasts.jp

 

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