- Food
山田太一原作の映画『異人たち』:寂しさと孤独を抱えたふたりの出会い描く本編映像公開
山田太一作の長編小説『異人たちとの夏』を、『荒野にて』、『さざなみ』など数々の賞に輝き、世界で絶賛された作品を送り続ける監督・脚本家アンドリュー・ヘイの手により再映画化した『異人たち』が4月19日(金)に公開。このたび、本編映像が公開となりました。
多くの賞レースにノミネートされる2024年最注目作品
2023年11月29日に惜しくも亡くなった山田太一の原作による本作は、英国インディペンデント映画賞で作品賞・監督賞・脚本賞・助演男優賞(ポール・メスカル)・撮影賞・編集賞・音楽監修賞など、主要部門を独占する最多7冠に輝き、第77回英国アカデミー賞では作品賞・監督賞・助演男優賞・助演女優賞・脚色賞・キャスティング賞にノミネート。さらに、第81回ゴールデングローブ賞において、主演男優賞(ドラマ部門)にアンドリュー・スコットがノミネートされるなど、賞レースでも注目を集めています。
英国では、大作・競合ひしめく中、2位で初登場。引き続き、4週連続トップ10を維持するスマッシュヒットとなり、山田氏のオリジナリティあふれたストーリーに、ヘイ監督ならではの感性あふれる脚色と演出が加えられたことで、時代を超えて多くの人々の心に残り続ける新たな傑作が誕生しました。
アダムとハリーの出会いを描く本編映像公開
今回公開されたのは、アンドリュー・スコット演じる主人公・アダムとポール・メスカル演じるハリーが出会う本編映像。ロンドンにそびえ立つ真新しいタワーマンションの上層階で暮らすアダムは、12歳の時に両親を交通事故で亡くす悲劇を経験して以来、埋めようのない喪失感に苛まれずっと孤独に生きてきました。
ある夜、ハリーと名乗るミステリアスな青年が、アダムの部屋のチャイムを鳴らします。日本製のウイスキーをちらつかせて「飲まない?」と誘ってくるハリー。「俺が怖い?」「部屋の外に吸血鬼がいるんだ」そんな謎めいたことを言う彼は酩酊しているようです。突然の訪問に戸惑うアダムですが、ハリーの姿からは、必死に人の温もりを求めているような、どこか切羽詰まった雰囲気が感じられました。ハリーもまた、アダムと同様に寂しさと孤独を抱えた日々を送っていたのです。この日を境に、アダムはハリーのことを気にかけるようになり、次第にふたりは親密な関係になっていき……。
演じるのは大変な役だったと語るアンドリュー・スコット
アダムを演じたアンドリュー・スコットは、『SHERLOCK シャーロック』のモリアーティ教授役で人気を博し、英国アカデミー賞助演男優賞を受賞。さらに『Fleabag フリーバッグ』、『1917 命をかけた伝令』、『否定と肯定』、『007 スペクター』など、話題作への出演が続き、いま絶大な支持を集める注目の実力派俳優。スコットは「アダムはとても孤独な人物です。とても危うい境地にまで行かなければならないという意味で、演じるのは大変な役でした」と演じたアダムについて明かし、アダムを演じる難しさを痛感していたと言いますが、本作について「即座に心を奪われました」と出演を即決するほど魅了されたそう。
真のつながりを見つけた語るポール・メスカル
一方、ハリー役を演じたポール・メスカルは、『aftersun アフターサン』で第95回アカデミー賞主演男優賞にノミネート、2023年には英国アカデミー賞主演男優賞を受賞し、2024年以降の出演作として、リドリー・スコット監督の『Gladiator 2』、クロエ・ジャオ監督の『Hamnet』、リチャード・リンクレイター監督の『Merrily We Roll Along』など、錚々たる作品に出演が決まっている今大注目の期待の俳優です。
メスカルは自身が演じたハリーとアダムの関係について、「彼らは真のつながりを見つけるのだと思います。映画の中でアダムとハリーが持っているようなつながりを見つけるのは、ますます難しくなっているのです」と明かしています。劇中、彼らは、孤独によって見失った互いの魂を見つけ出すように深い愛を紡いでいき、心の底からのつながりを見出していく。そんなふたりの関係は、他者とのつながりを求める全ての人の心にそっと寄り添ってくれる印象を抱かせ、その切なさに胸を打たれることでしょう。
ふたりの演技を絶賛するヘイ監督
ミステリアスな暗い影と少年のような無邪気さが同居するハリーを好演したメスカルについて、ヘイ監督は「とても自然体で素晴らしい俳優で、以前から好きでした。繊細さと力強さが絶妙に融合された、実に興味深い存在です」と次代を担う才能あふれる俳優として絶賛。
共演者であるスコットも「彼には信じられないほどの才能があります。親密なシーンをたくさんこなさなければなりませんでしたし、一緒に笑い合える相手、背中を押してくれる相手がいることはとても重要なことです。この物語には悲しみがたくさんありますが、彼は、決して多くの俳優に備わっているわけではない、明るさを演じる能力を持っています」とメスカルの存在に助けられたことを明かしています。
実はヘイ監督とスコット、メスカルは撮影前にライヴに出かけ、互いの人生について語り合う時間を設けたそう。そのおかげで、早い段階から彼らの間には強い信頼関係が築かれ、繊細で胸を打つ、リアリティあふれる演技がより豊かなものになっていきました。スコット、メスカルのほかにも、本作には父親役・母親役として、『リトル・ダンサー』『ロケットマン』のジェイミー・ベル、『ザ・クラウン』『蜘蛛の巣を払う女』のクレア・フォイが出演。主な登場人物は彼らが演じるわずか4人。実力派キャストだからこそ成し得た、美しく夢幻的な映画体験が堪能できる本作。ぜひ大きなスクリーンで体感してみてください。
ヘイ監督の長編第2作目『WEEKEND ウィークエンド』の限定上映が決定
また、このたび『異人たち』の公開にあわせて、ヘイ監督の初期作『WEEKEND ウィークエンド』が4月5日(金)から10日(水)にかけて渋谷シネクイントでの限定上映が決定。
世界的な評価を不動のものにした『さざなみ』『荒野にて』に先立つ、アンドリュー・ヘイ監督2作目の長編作品。『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスら、後進に多大なる影響を与えた伝説のラヴ・ストーリーで、ロンドン映画批評家協会賞での新人監督賞ほか、多くの賞を獲得し、世界中の映画祭で上映されました。
一夜限りのパートナーを求め赴いたバーで出会ったラッセル(トム・カレン)とグレン(クリス・ニュー)は、ともに週末を過ごすうちにお互いのこだわり、秘密、切実さを学んでゆく。ゲイであること、ストレートの友人との関係、親へのカミングアウト、プライヴェート/パブリックでの振る舞いなどについて語られる、パーソナルかつ真に迫ったストーリーになっています。
ヘイ監督は再上映について「『WEEKEND ウィークエンド』が日本で再公開されるということで、こんなにうれしい出来事はありません。11年前に作った時は誰も観てくれないのではないかと思っていたあの作品が、今も上映され、観ていただけて、観た方にとっても意味のある作品になっているなんて。自分の最初のメジャー作品ということもあって、一番誇らしく思える作品かもしれません。こうして今だに愛され、みなさんに響いているのですから。」と喜びのコメントを寄せてくれました。
アンドリュー・ヘイ監督が世界的な飛躍を遂げるきっかけとなった『WEEKEND ウィークエンド』と、最新作『異人たち』。ぜひ、両作品をスクリーンで堪能してみてください。
Story
ロンドンのタワーマンションで暮らすアダムは、12歳の時に交通事故で両親を亡くした40代の脚本家。それ以来、孤独な人生を歩んできた彼は、在りし日の両親の思い出に基づく脚本に取り組んでいる。そして幼少期を過ごした郊外の家を訪ねると、そこには30年前に他界した父と母が当時のままの姿で住んでいた。その後、アダムは足繁く実家に通って心満たされるひとときに浸る一方、同じマンションの住人である謎めいた青年ハリーと恋に落ちていく。しかし、その夢のような愛おしい日々は永遠には続かなかった……。
- 監督
- アンドリュー・ヘイ
- 原作
- 「異人たちとの夏」山田太一著(新潮文庫刊)
- 出演
- アンドリュー・スコット、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイほか
- 作品情報
- 2023年 / イギリス映画 / 英語 / 原題 : ALL OF US STRANGERS
- 公開日
- 2024年4月19日(金)より全国公開
- 配給
- ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
Link
https://searchlightpictures.jp
Sponsered Link
Sponsered Link
Recommends
合わせて読みたい
Sponsered Link
Sponsered Link
Ranking
注目の記事ランキング
- Food
- Food
- Home
- Travel