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『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』ケイト・ウィンスレットが語る8年越しの映画化プロジェクト
好評公開中の映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』の主演兼プロデューサーを務めたケイト・ウィンスレットのインタビュー映像が公開されました。トップモデルから20世紀を代表する報道写真家へと転身した実在の女性リー・ミラーの波乱に満ちた人生を描いた本作は、ウィンスレットが8年以上の歳月をかけて実現させた渾身のプロジェクトです。
ケイト・ウィンスレットが語る制作秘話と情熱
公開されたインタビュー映像では、ケイト・ウィンスレットがリー・ミラーの人生に惹かれ、映画化を決意するまでの経緯を語っています。ウィンスレットは当初「知っているのは戦争報道記者だったという程度」だったと明かしていますが、リー・ミラーに関するとあるテーブルとの出会いから彼女の人生に強く惹かれ、映画化を考え始めたといいます。
「私たちがこの映画の脚本を作っている最中に、世界は歴史的な変化を遂げた。変化のおかげで、リーの真の姿やほかの女性を支えてきたその在り方がより鮮明になった気がする」とウィンスレットは語り、「#MeToo」運動やウクライナでの戦争開始など、時代背景が本作の意義をより深めたことを強調しています。
『エターナル・サンシャイン』から始まった縁
実は、ウィンスレットとリー・ミラーの映画化構想は、『エターナル・サンシャイン』(2004年)の撮影現場にまで遡ります。同作品で撮影監督を務め、本作で監督を務めたエレン・クラスは「撮影していた2002年にケイトと知り合って以来、長く友人関係を築いてきました。実は『エターナル~』の現場で、“モデル時代のリー・ミラーとケイトって似ているよね”という話になって、みんなでケイトを“リー”と呼んだりしていたんですよ」と明かしています。
その時点ですでにウィンスレットは「彼女のことを映画化するには、誰が権利を持っているのかな?」と発言していたそうで、その後10年以上の時を経て、リー・ミラーの義理の妹が使っていたテーブルを購入したことをきっかけに、映画化権を持つプロデューサーと出会うという運命的な展開があったといいます。
リー・ミラーの波乱に満ちた人生
リー・ミラーは、映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』でキルステン・ダンスト演じる主人公のモデルにもなった実在の人物です。19歳の頃にニューヨークの街角でスカウトされ、「VOGUE」誌のファッションモデルとして活躍。その後パリに渡り、マン・レイ、パブロ・ピカソ、ココ・シャネル、ジャン・コクトー、ダリ、コンデ・ナストなど時代の天才たちを魅了しました。
しかし、「撮られる側ではなく、撮る側でありたい」という強い想いから写真家へと転身。第二次世界大戦が勃発すると、当時女性が行くことが許されていなかった戦争の最前線で活動する報道カメラマンとしての権利を勝ち取り、数々の歴史的な写真を残しました。
死後に明らかになった真実
インタビューの中でウィンスレットは、リー・ミラーが息子のアントニーに生前、戦争写真家であったことを一度も明かさなかったという驚くべき事実にも触れています。リーの死後、屋根裏部屋から発見された4万枚もの戦地での写真は、彼女が抱え続けた戦争のトラウマを物語っています。
「兵士や写真家、そして記者が経験したであろう悲惨な光景がすべて箱にしまわれていた。アントニーは母の真実を、亡くなったあとに箱の中で見つけた」とウィンスレットは語り、アントニー・ペンローズが母の遺志を継ぎ、その功績を後世に伝えるために尽力してきたことを明かしています。
映画で描かれる10年間の軌跡
本作は、リー・ミラーの波乱に満ちた人生の中から、特に報道写真家として活躍した30代からの約10年間にフォーカスを当てています。ウィンスレットは「男性を魅了したリーは忘れる」とし、「女性としての真の姿を見せたかった、つまり第二次世界大戦で戦争報道記者として活躍したリーの姿を」と語り、この10年間を描いた理由を明かしています。
映画は1938年のフランスから始まり、リー・ミラーが芸術家や詩人の親友たちと休暇を過ごしている時に芸術家でアートディーラーのローランド・ペンローズ(アレクサンダー・スカルスガルド)と出会い、恋に落ちるところから物語が展開します。しかし、第二次世界大戦の脅威が迫り、リーの人生は大きく変わっていきます。
戦場で見た真実
写真家としての道を歩み始めたリーは、アメリカ「LIFE」誌のフォトジャーナリスト兼編集者のデイヴィッド・シャーマン(アンディ・サムバーグ)と出会い、チームを組みます。1945年には従軍記者兼写真家としてブーヘンヴァルト強制収容所やダッハウ強制収容所など次々とスクープを掴み、ヒトラーのアパートの浴室でポートレイトを撮影するなど、戦争の終わりを伝える重要な役割を果たしました。
しかし、それらの光景は、リー自身の心にも深く焼きつき、戦後も長きに渡り彼女を苦しめることとなります。ウィンスレットは「傷にはいろいろある。見える傷だけじゃない」というリーの言葉を引用し、戦争が人々に与えた目に見えない傷の深さを表現しています。
公開情報と入場者特典

特製ステッカー
映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』は5月9日(金)より全国で公開中。本作は第82回ゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネートされ、第78回英国アカデミー賞では英国作品賞にノミネートされるなど、高い評価を受けています。
また、公開を記念して入場者プレゼントも実施中です(一部劇場を除く)。映画館に訪れた来場者限定で、リー・ミラー愛用のカメラ“ローライフレックス”がデザインされた特製ステッカーがプレゼントされます。数量限定となっていますので、早めの鑑賞をおすすめします。
著名人からの絶賛コメント
すでに多くの著名人が本作を鑑賞しており、絶賛のコメントが寄せられています。映画評論家の町山智浩氏は「彼女の実人生はどんな映画よりも波乱万丈だ」とリーの人生を称え、「その凄まじい経験をこの映画で目撃する!」と本作の魅力を強調しています。
また、文筆家の伊藤亜和氏は「使命を背負って走る姿は、こんなにも美しいのだ」と評し、写真家の長島有里枝氏は「考えるのを諦めない彼女の勇気を持つ人でありたいと思う」とコメントしています。
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』公開情報

- 監督
- エレン・クラス
- 製作
- ケイト・ウィンスレット、ケイト・ソロモン
- 出演
- ケイト・ウィンスレット、アンディ・サムバーグ、アレクサンダー・スカルスガルド、マリオン・コティヤール、ジョシュ・オコナー、アンドレア・ライズボロー、ノエミ・メルランほか
- 作品情報
- 2023年 / イギリス映画 / 英語 / 原題 : LEE
- 公開日
- 5月9日(金)より公開
- 配給
- カルチュア・パブリッシャーズ
©BROUHAHA LEE LIMITED 2023
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』は、ケイト・ウィンスレットが8年以上の歳月をかけて実現させた渾身のプロジェクトです。トップモデルから20世紀を代表する報道写真家へと転身し、戦争の最前線で真実を伝え続けたリー・ミラーの生き様は、現代の私たちにも多くの示唆を与えてくれるでしょう。
5月9日(金)より全国で公開中の本作は、単なる伝記映画ではなく、戦争が人間に与えた爪痕を浮き彫りにする作品として、多くの観客の心に深い印象を残すことでしょう。ケイト・ウィンスレットの熱演とエレン・クラス監督の繊細な演出に注目です。
Link
https://culture-pub.jp/leemiller_movie/
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