ケン・ローチ監督が最後の作品と語る『オールド・オーク』日本公開決定、4月24日より全国上映

ケン・ローチ監督最新作『オールド・オーク』

イギリスの巨匠ケン・ローチ監督が自ら「最後の作品」と語る映画『オールド・オーク』が、2026年4月24日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国で公開。本作は2023年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、ロカルノ国際映画祭で観客賞を受賞した作品で、日本版ヴィジュアルが解禁となりました。




イギリス北東部3部作の最終章

『オールド・オーク』は、『わたしは、ダニエル・ブレイク』(2016年)と『家族を想うとき』(2019年)に続く「イングランド北東部3部作」の最終章です。市井の民を見つめ、彼らの生活と闘争を描き続けてきたケン・ローチ監督が、長年タッグを組む脚本家ポール・ラヴァティとともに作り上げた本作は、炭鉱町の最後のパブを舞台に、分断と共存のテーマを描きます。

物語の舞台は、イングランド北東部ダラムのかつての炭鉱町で唯一のパブ「オールド・オーク」です。活気あふれる時代から30年の時を経て厳しい状況に陥っているパブですが、町に住む人々にとっては最後の砦となる存在となっています。映画では、オークション価格が1軒8,000ポンド(約160万円)にまで下落した住宅市場の現実や、脱工業化と緊縮財政によって荒廃したコミュニティの姿が描かれます。



階級政治と難民問題を交差させる視点

店主のTJ・バランタイン(デイヴ・ターナー)は試行錯誤しながらパブを維持していましたが、町がシリア難民を受け入れ始めたことで、パブは居場所を争う諍いの場になってしまいます。ローチ監督は本作を単純な善悪の物語にせず、数十年にわたる新自由主義と緊縮財政によって疲弊した労働者階級のコミュニティを背景に置いています。

カメラを持ったシリアの女性ヤラ(エブラ・マリ)との出会いを通じて、TJは喪失や未知への恐怖、希望を見つけることの難しさについて知っていきます。ヤラはアサド政権の残虐行為から逃れてきた写真家で、到着直後からこの村の歴史に魅了され、写真を撮り始めます。ふたりは慈善ではなく連帯の精神で、コミュニティ全体が直面する困難を解決しようと協力します。



日本版ヴィジュアルも公開

公開された日本版ヴィジュアルには、ずれてしまった看板文字の位置を正そうとするTJと、微笑みながらその様子を見守るヤラの姿が捉えられています。「変えられる―この場所には 希望があるから」というコピーが添えられており、思わぬ分断の時を迎えることになったパブ「オールド・オーク」が、どのような変化を遂げていくのか期待が高まる1枚です。

出演はデイヴ・ターナー、エブラ・マリ、クレア・ロッジャーソンで、上映時間は113分です。撮影監督はロビー・ライアンが務め、ふたりの主人公に焦点を当てた計算されたカメラワークで、キャラクターの脆弱で内省的な側面を深く掘り下げています。



国際的評価と即興演技の力

『オールド・オーク』は2023年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、同年のロカルノ国際映画祭では観客賞を受賞しました。The Guardianは「思いやりと連帯への、巨匠監督からの切実な最後の呼びかけ」と評し、The New York Timesは「希望への大胆な挑戦」と激賞しています。映画評論家ロジャー・イーバートのレビューでは「ローチの最高傑作と同じくらい魅力的で、思慮深く、心のこもった、怒りに満ちた、希望に満ちた、そしてまったく価値のある作品」と評価されました。

ローチ監督が奨励する半即興的で自然主義的な演技スタイルにより、俳優たちは衝撃的な偏見や意見を説得力を持って表現しています。カウンティ・ダラムの社会主義運動に関わる活動家など、実際の非俳優も出演しており、リアリズムを強化しています。ターナーとマリの演技は、お互いに心を開いていく過程で、不安定で傷つきやすい側面を深く感動的な方法で示しています。



ローチ監督60年のキャリアの集大成

87歳のケン・ローチ監督にとって本作は、60年近くにわたるキャリアの集大成となります。監督は一貫して労働者階級と貧困層の人々が、戦争の混乱と暴力、資本主義の冷酷さ、人口構成の変化に立ち向かう姿を描いてきました。パルム・ドールを2度受賞した監督の作品は、紋切り型のステレオタイプやリベラル的な手の施しようのない嘆きを避け、尊厳を持って対象を描くことで知られています。

本作では、パブのサロンを再開して人々に食事を提供し、コミュニティの絆を強めるイベントを開催する過程が描かれます。前作『わたしは、ダニエル・ブレイク』や『家族を想うとき』がより暗く怒りに満ちた結末だったのに対し、『オールド・オーク』はコミュニティ、強さ、回復力の力を通じて困難を乗り越えることを示す、前向きで高揚感のある結末で輝かしいキャリアを締めくくっています。

公開情報

監督
ケン・ローチ
脚本
ポール・ラヴァティ
出演
デイヴ・ターナー、エブラ・マリ、クレア・ロッジャーソンほか
作品情報
2023年 / イギリス、フランス、ベルギー映画 / 英語、アラビア語 / 原題 : The Old Oak
公開日
4月24日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開
配給
ファインフィルムズ

© Sixteen Oak Limited, Why Not Productions, Goodfellas, Les Films du Fleuve, British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2023

 

Link

https://oldoak-movie.com/

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