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『スノーマン』の著者が両親の人生を描いた原作をアニメ化した映画『エセルとアーネスト ふたりの物語』が日本公開
世界中で愛される絵本「スノーマン」の著者レイモンド・ブリッグズが自身の両親の人生を描いた原作をアニメーション化した映画『エセルとアーネスト ふたりの物語』が9月28日(土)から日本公開されます。
世代から世代へ受け継がれ、愛され続ける絵本『スノーマン』や『さむがりやのサンタ』、核戦争の恐ろしさを伝えた『風が吹くとき』など、世界中にファンを持つイギリスの絵本作家レイモンド・ブリッグズ。そのブリッグズが、漫画のようなコマ割りスタイルと独特のユーモアで、自身の両親の人生を描き、英国ブックアワードを受賞した傑作『エセルとアーネスト』が原作となっています。
映画化にあたり絵本がそのまま動き出したかのような質感の手描きアニメーションを作り上げたのは、映画『スノーマンとスノードッグ』の監督ロジャー・メインウッド。映画『風が吹くとき』にアニメーターとして参加するなど、ブリッグズと長く仕事を共にし、個人的にも親交が深い監督です。全スタッフがブリッグズの人柄と作品への敬意を持ち、細部まで何ひとつおろそかにせず、心を込めて本作を製作しました。
1928年ロンドン。牛乳配達のアーネストとメイドだったエセルは恋に落ち、結婚。ふたりの小さな家を構えます。最愛の息子レイモンドの誕生と成長、第二次世界大戦中の苦難の日々にも、ふたりは寄り添い、ユーモアを忘れません。戦後の経済発展、やがて静かに忍び寄る老い。しかしいつもエセルの横にはアーネストがいました。どんな時にも、ありふれた日々の暮らしがあり、ばかげたことに笑いあう大切な時間がありました。そんな“普通”をせいいっぱい生きたふたりの姿がこれほどまでに愛おしいのは、この物語が世界中どこにでもいた多くの父母の物語でもあるからでしょう。
この物語は、階級社会の色濃い1920年代から、ヒトラーの台頭、第二次大戦、ヒロシマへの原爆投下、終戦と戦後、若者文化の到来、そして1969年の月面着陸まで、ごく平凡な夫婦であったエセルとアーネストの目を通して語られる庶民の暮らしの貴重な記録でもあり、この映画のもうひとつの見どころとなっています。
日本人にも懐かしい洗濯絞り機やテレビ放送の始まり、家に電話が来たときの驚きや、初めて買ったマイカーの嬉しさ。そして60年代の長髪ファッションやスクーター。映画では、生活用品やファッション、建物にいたるまで、詳細な調査に基づき、細密に再現されています。
母エセルには、『秘密と嘘』でカンヌ国際映画祭女優賞に輝いたブレンダ・ブレッシン。父アーネストの声には、『アイリス』『パディントン』などのアカデミー賞俳優ジム・ブロードベント。成長したレイモンドの声を『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』のルーク・トレッダウェイが担当。そのほか、エセルの雇い主を伝説的女優ヴァージニア・マッケンナ(『野生のエルザ』)が演じるなど、実力ある英国俳優たちが声のキャストとして集結しました。
印象的な音楽は、国際的に活躍する作曲家カール・デイヴィス。それぞれの時代を彩る音楽として、多彩なアーティストの楽曲が使われているのも聴きどころ。そして特筆すべきは、ポール・マッカートニーがエンディング曲を書き下ろし、自ら歌い演奏していること。もともとブリッグズの大ファンだったマッカートニーは、ブリッグズ直筆の依頼の手紙を受け取り、今回のオファーを快諾したそうです。
原作にはない声と音楽によって、映画ならではの豊かな魅力を増した本作。ブリッグズは完成した作品を見てこう言っています。「自分の本が映画化されるのは素晴らしいことで、夢のようです。ブレンダ・ブレッシンとジム・ブロードベントは私の両親そのものを演じてくれました。彼らの声が聞こえてくると、母と父が部屋にいるようでした」
■Film info
『エセルとアーネスト ふたりの物語』
監督 : ロジャー・メインウッド
原作 : レイモンド・ブリッグズ(バベルプレス刊)
音楽 : カール・デイヴィス
エンディング曲 : ポール・マッカートニー
声の出演 : ブレンダ・ブレッシン、ジム・ブロードベント、ルーク・トレッダウェイほか
2016年 / イギリス・ルクセンブルク映画 / 英語 / 原題 : Ethel & Ernest
配給 : チャイルド・フィルム / ムヴィオラ
9月28日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー
© Ethel & Ernest Productions Limited, Melusine Productions S.A., The British Film Institute and Ffilm Cymru Wales CBC 2016
■Link
https://child-film.com/ethelandernest/
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