映画『アウェイデイズ』 まるで刃物の様な切れ味の予告編が公開に

映画『アウェイデイズ』場面写真

1979年のマージーサイドを舞台に破滅的な若者たちと、日本ではほとんど紹介されることのなかった英国フットボール発祥の文化<カジュアルズ>。11年の歳月を経て10月16日(金)より新宿シネマカリテほかにて日本初公開される、その黎明期を描いた映画『アウェイデイズ』の予告編が公開に。

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圧倒的な暴力とセクシャル、そしてロックンロールに満ちあふれ、現代人にとってはどこか滑稽にも映ってしまう映画『アウェイデイズ』の世界は、ザ・ファームの活動にも携わっていたマージーサイド出身の小説家ケヴィン・サンプソンが1998年に上梓した同名小説を基に、ポスト・パンク時代の研ぎ澄まされていたエナジーを記録した真実の物語。ジョイ・ディヴィジョン、ザ・キュアー、マガジン、エコー&ザ・バニーメン、ウルトラヴォックスらの音楽をバックに、若者たちが自らの拠りどころを探し、絶対的な者へ憧憬を抱き、そして形成された“族”の中で避けることの出来ない運命にもがき苦しむ様をリアルに映像化しています。

 

 

 

また、これまで日本ではほとんど紹介されることのなかった英国フットボール発祥の文化“Football Casual”<カジュアルズ>の黎明期を初めて切り取った映画で、本国では公開当時『さらば青春の光』(1979年)、『トレインスポッティング』(1996年)、『コントロール』(2007年)、さらには『スタンド・バイ・ミー』(1986年)などの映画を例えに、さらにこれらすべての要素を詰め込んだ、若者の生き辛さを描いた小説『ライ麦畑でつかまえて』のジャックナイフ版であると紹介されました。

 

 

 

 

一般的にイングランドでは毎週末にフットボール・スタジアムに通う労働者階級のファッションを“Football Casual”と呼びます。フーリガンの別称として“カジュアルズ=Casuals”という言葉を使う向きもありますが、Football Casualという言葉自体は80年代に入ってから雑誌がカテゴライズして広まった言葉であり、70年代の終わりに、何千というリヴァプールのサポーターたちがチームに帯同してヨーロッパをまわり、アディダスのスニーカーを手に入れ、それを履いてロンドンのチームとの試合に行く、それを見たロンドン子たちが衝撃を受け真似ていったという大きな流れがあります。リヴァプールでは自分たちを“Scallys(スカリーズ)”と呼び、カジュアルズはロンドンでの呼称として広まりました。まずフットボールありきで、スタジアムに入りやすくするためにスポーツ・ブランドに身を隠す様になったと言われています。

 

 

 

 

このたび公開された予告編は、悪名高きTHE PACK(パック)に憧れる主人公カーティが自分とは対照的なエルヴィスと出会い、次第に集団の中でのし上がっていく様が疾走感とともに切れ味鋭く凝縮されています。本国公開より11年の月日を経て遂に日本での劇場公開が決定。英国青春映画の足りなかったピースがようやく埋まろうとしています。

 

 

■Story

 

1979年、イングランド北西部マージーサイド州バーケンヘッド。カーティとエルヴィスはエコー&ザ・バニーメンのギグで運命的な出会いを果たす。そしてふたりの間には誰にも邪魔することの出来ない友情が芽生える。しかし、それは互いに惹きつけ合いながらもどこか不安定で、いつ壊れてもおかしくないコントロール不能なものだった──。

 

 

母親を1年前に亡くした19歳のカーティは下級公務員として働きながら、郊外の中産階級の家庭で悲しみにくれる父、そして血気盛んな妹モリーと暮らしていた。収入のすべてはクラブ遊び、レコード、サッカー、ライヴに費やしている。エコー&ザ・バニーメンのライヴで出会ったエルヴィスはカーティが魅了されていた悪名高いギャング集団“パック”の一員だった。彼らはピーターストームにフレッドペリー、ロイスのジーンズ、そしてアディダスのスニーカーを履いてスタジアムで常に問題を起こしていた。エルヴィスはカーティに“パック”と付き合うことが危険であることを警告する。それよりもエルヴィスはカーティのようにアート、音楽、詩、そして死について語り合える友人をずっと待っていた。そして、いつしかエルヴィスはカーティに夢中になっていく。

 

 

しかし、カーティの“パック”への憧れはエスカレートして行き、エルヴィスの警告にもかかわらず、危険な世界の扉を徐々に開いていくのだった。ある日の遠征(=Awayday)でカーティは成果を得るが、“パック”のボス、ゴッドンに認められることはなかった。自分よりも、謎に包まれた存在のエルヴィスが尊敬を集めていることに苛立つカーティ、自分の想いが届かないことに苦悩するエルヴィス。次第に綻びは大きな傷になっていくのだった……

 

 

■Film info
『アウェイデイズ』

 

 

監督 : パット・ホールデン
脚本 : ケヴィン・サンプソン
原作 : ケヴィン・サンプソン『AWAYDAYS』
出演 : スティーヴン・グレアム、ニッキー・ベル、リアム・ボイル、イアン・プレストン・デイヴィーズ、ホリデイ・グレインジャー、サシャ・パーキンソン、オリヴァー・リー、ショーン・ワード、マイケル・ライアン、リー・バトル、レベッカ・アトキンソン、ダニエレ・マローン、デヴィッド・バーロウ、アンソニー・ボロウズほか

 

2009年 / イギリス映画 / 英語 / 原題 : AWAYDAYS
配給 : SPACE SHOWER FILMS
10月16日(金)より新宿シネマカリテほかにてロードショー 以降、全国順次公開
©RED UNION FILMS 2008

 

■Link
https://awaydays-film.com/

 

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