Gail’s、2025年に英国全土で大規模拡大へ：40店舗の新規出店と1,000人の雇用創出を計画

英国のベーカリーチェーン「Gail’s（ゲイルズ）」が、2025年に30〜40店舗の新規出店を計画していることが明らかになりました。CEOのトム・モルナー氏は、この拡大計画に伴い1,000人の新規雇用を創出し、3億ポンドの売上目標を掲げています。

Gail’sの急成長と市場価値

Gail’sは2005年にロンドンのハムステッドに1号店をオープンして以来、急速な成長を遂げてきました。現在、同チェーンは約152店舗を展開し、その市場価値は推定5億ポンドにまで達しています。2024年10月にはワトフォードに150店舗目をオープンし、同年12月にはロンドンのセントパンクラス駅とロンドンブリッジ駅に初の駅構内店舗をオープンしました。

拡大戦略と高街の空き店舗活用

モルナー氏は、Gail’sの急速な成長の背景に、ハイストリートの空き店舗の活用があると説明しています。多くの場合、これらの物件は元銀行の建物で、魅力的な条件で賃借できるとのことです。

「現在、ハイストリートには多くの空き物件があります。貸主から非常に魅力的な条件を提示されるのです。これが私たちの成長の基盤となっています」とモルナー氏は述べています。

課題と価格上昇の可能性

しかし、この拡大計画には課題もあります。モルナー氏は、雇用主の国民保険負担金と最低賃金の引き上げ、さらにビジネスレート（事業用固定資産税）軽減措置の縮小により、Gail’sのコストが150万〜200万ポンド増加すると予想しています。

これらのコスト増加に対応するため、価格の引き上げが避けられない可能性があります。ただし、モルナー氏は価格上昇を最小限に抑えるよう努力すると述べています。

地域社会との関係と論争

Gail’sの急速な拡大は、一部の地域で論争を引き起こしています。2024年8月、ウォルサムストウの住民がGail’sの出店に反対する請願を行いました。地元の独立系カフェや店舗を大切にする住民たちは、Gail’sの進出が地域の特色を損なう可能性を懸念しています。

一方で、Gail’sは食品廃棄物削減のための取り組みも行っています。余った食パンを使用したサワードウパンの販売や、2023年には余剰食品を配布するためにNeighbourlyとパートナーシップを結びました。

Gail’sの成長と英国のカフェ文化の変容

Gail’sの大規模な拡大計画は、英国のカフェ文化とハイストリートの景観に大きな影響を与える可能性があります。高品質な製品と快適な空間を提供するGail’sの成功は、消費者の嗜好の変化を反映していると言えるでしょう。

一方で、地域の特色を大切にする声にも耳を傾け、各地域の文化や需要に合わせた店舗展開が求められます。Gail’sが掲げる食品廃棄物削減の取り組みなど、社会的責任を果たす姿勢も、今後の成長に重要な役割を果たすでしょう。

2025年に向けて、Gail’sの拡大計画がどのように実現され、英国の食文化にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。

 

Link

https://gails.com/