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ギネスがコヴェント・ガーデンに大型醸造施設を12月11日オープン、2つのレストランや限定ビールを提供
ギネスは2025年10月29日(水)、ロンドンのコヴェント・ガーデンに新施設「ギネス・オープン・ゲート・ブルワリー・ロンドン」(Guinness Open Gate Brewery London)を12月11日(木)に正式開業すると発表しました。約54,000平方フィート(約5,017平方メートル)の敷地に醸造施設、2軒のレストラン、小売店舗、イベントスペースを備えた複合施設で、ビール愛好家や観光客に新たな体験を届けます。
マスター・ブルワーが率いるマイクロ醸造施設

新施設には世界トップクラスのマイクロ醸造設備が導入され、マスター・ブルワーのホリー・スティーブンソン(Hollie Stephenson)氏が指揮を執ります。スティーブンソン氏はボルティモアのギネス・オープン・ゲート・ブルワリーで醸造責任者を務めた経歴の持ち主で、訪問者は英国で人気のギネス・ドラフトに加え、限定クラフトビールや季節限定品を味わえます。ラガー、IPA、ペールエール、ポーターは常時提供され、ノンスタウト品種や低アルコール選択肢も用意されます。
ツアー体験は多彩な内容となっています。360度没入型の「ステップ・イントゥ・ザ・パイント」では、コヴェント・ガーデンにおけるギネスのレガシーを体感できます。稼働中の醸造所を巡る「専属醸造所アクセス」、マスター・ブルワーによる試飲セッション「ブルワーズ・ルーム・テイスティング・エクスペリエンス」も用意。232バーでは「ポア・ユア・オウン・パイント」として、ギネス特有の注ぎ方と「サージ・アンド・セトル」の儀式を習得できます。ツアー所要時間は約90分で、施設内を約30分かけて歩く内容。チケットと飲食予約は2025年11月から公式サイトで受付開始予定となっています。
ミシュラン出身シェフが手がける2軒のレストラン
シェルトン・ストリート棟には、エグゼクティヴ・シェフのピップ・レイシー(Pip Lacey)氏が監修する2軒のレストランが入ります。レイシー氏はミシュラン星付きのムラーノ(Murano)やヒッチ(Hicce)で腕を振るった経歴を持ちます。

1階の「ザ・ポーターズ・テーブル」(The Porter’s Table)は、コヴェント・ガーデンの市場で働いたポーター(荷役労働者)に敬意を表した空間となります。地元食材を活かした英国産食材のシェアメニューを提供。肉類は英国各地の信頼できる生産者から調達して西ロンドンで熟成、魚介は英国の海域で水揚げされたもの、野菜はロンドン近郊の農園で栽培されたものを使用します。

屋上階の「ギルロイズ・ロフト」(Gilroy’s Loft)は、ギネスの伝説的な広告キャンペーンを手がけたジョン・ギルロイ氏にちなんで命名されました。ホースシュー型のバーを中心に、一本釣りの魚や新鮮な生牡蠣など英国沿岸の食材を中心とした料理を提供。ロンドンのスカイラインを一望できる空間で、1837年から親しまれてきたギネスと牡蠣の組み合わせも楽しめます。

中庭「オールド・ブルワーズ・ヤード」(Old Brewer’s Yard)では、著名なシェフ、カラム・フランクリン(Calum Franklin)氏が手作りするパイを提供。フランクリン氏は「パイ・キング」の異名で知られる存在で、ホルボーン・ダイニング・ルームの「パイ・ルーム」の立ち上げやハロッズのザ・ジョージアンでのキャリアで評価を確立しました。予約不要の屋外席があり、アート、音楽、文化イベントも開催されます。
限定グッズと地域貢献の取り組み
来訪者はふたつの小売店舗でギネス関連商品を購入できます。ニール・ストリートの「ギネス・グッド・シングス」(Guinness Good Things)では、ファッション、アート、ライフスタイル分野の限定コラボレーション商品、限定グッズ、カスタム体験を常時展開。醸造棟内の「ザ・ストア」(The Store)では定番のギネス・グッズやアパレル、ファン向け人気商品を扱います。
施設は地域社会への貢献も重視しており、最大250人の雇用創出と年間約50万人の来場者を見込んでいます。ラングリー・ストリートの地下には多目的イベントスペース「ザ・ギネス・ヴォールト」(The Guinness Vaults)があり、2026年から音楽、文化、エンターテインメント関連のイベントを開催予定。18歳以上を対象とするツアーはアクセシビリティにも配慮され、車椅子利用者向けのエレベーターとエスカレーターが設置されます。
施設内には持続可能性に重点を置いた複数のシステムを導入。2階の「サステナビリティ・ハブ」では醸造に使用した水を再利用し、3階の実験室にはCO2回収システムが設置されました。屋上にはグリコール冷却器とエアコンプレッサーが配備され、これらの取り組みにより施設は世界トップクラスのゴールドまたはプラチナ基準の認証取得を目指しています。
アクセスと料金

施設はロンドンのコヴェント・ガーデン地区、ザ・ヤーズ(The Yards)内に位置し、入口はマーサー・ウォーク(Mercer Walk)沿いにあります。最寄駅はピカデリー線コヴェント・ガーデン駅で徒歩4分、レスター・スクエア駅からは徒歩4分、トッテナム・コート・ロード駅からは徒歩10~13分となります。最寄りのバス停はケンブリッジ・サーカスで、19、24、29、38、176番のバスが停車し、施設までは徒歩5分。施設内に駐車場ありませんが、近隣のQ-Park Covent GardenまたはQ-Park Chinatownが利用可能です。
ツアーチケットの具体的な料金は現時点で未公表ですが、2025年11月から公式サイトで予約受付が開始されます。事前予約が推奨されており、当日券は空きがある場合のみマーサー・ウォーク棟1階のツアー受付デスクで購入できます。レストラン「ギルロイズ・ロフト」と「ザ・ポーターズ・テーブル」の予約も11月から開始されますが、現在料金は未公表となっています。中庭「オールド・ブルワーズ・ヤード」は予約不要で利用できます。なお、施設は完全キャッシュレスで運営され、現金は使用できません。
なお、18歳未満の方はレストランと小売店舗のみ利用可能で、成人の同伴が必須。中庭エリアとツアーは18歳以上に限定されます。介護者は1名まで無料でツアーに参加可能で、盲導犬を除き、ペットの入場はできません。
ギネスの英国における新たな拠点

ギネスGB(英国)マーケティング・ディレクターのデブ・カルドウ(Deb Caldow)氏は声明で次のように述べました。「ギネス・オープン・ゲート・ブルワリー・ロンドンは何年もの準備を経て、いよいよその時が近づいています。ロンドンの方々、そして英国や世界中からの訪問者を歓迎できることを楽しみにしています。これは英国におけるギネスの拠点であり、遺産を祝い、革新を取り入れ、訪問者が新しい味、体験、物語を発見できる場所となります」。
ギネスは1759年にアーサー・ギネスがダブリンのセント・ジェームズ・ゲート醸造所で9,000年のリース契約を結んで創業されました。水、大麦(麦芽およびロースト)、ホップ、酵母の4つの天然原料で醸造され、世界で最も人気のあるスタウトとして知られます。現在49か国で醸造され120か国以上で販売されており、英国、アイルランド、米国、ナイジェリア、カメルーンで最も多く消費されています。英国とアイルランドで消費されるギネスはすべてセント・ジェームズ・ゲート醸造所で製造されています。
2025年9月にはNetflixで歴史ドラマ『ハウス・オブ・ギネス』(House of Guinness)が配信開始されました。1868年のダブリンを舞台に、ギネス家の家長ベンジャミン・ギネス卿の死後、4人の子供たちが遺産と権力を巡って繰り広げる葛藤を描く全8話のシリーズで、『ピーキー・ブラインダーズ』を手がけたスティーヴン・ナイトが製作を担当。19世紀アイルランドの宗教対立や政治的分断を背景に、ギネス家の栄光と暗部を描いた重厚な作品として注目を集めています。ロンドン新施設の開業は、ドラマで描かれたギネス家の遺産が現代に受け継がれ、新たな体験として結実する象徴的な出来事となりそうです。
Link
https://opengatelondon.guinness.com/en
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