新国王チャールズ3世陛下の肖像が描かれた初の記念コインが発売。裏面の女王陛下とは逆向きに描かれた理由とは？

英国君主史上最長、在位70年の輝かしい功績を称え、新国王陛下への王位継承を刻む歴史的コイン「女王エリザベス2世記念コイン」が4月10日（月）より、全国の主要金融機関で予約販売が開始されます。

本製品は、1952年の即位から英国君主として史上最長の在位70周年（プラチナ・ジュビリー）まで、英国硬貨の「顔」として親しまれてきたエリザベス2世女王陛下への深い敬愛を表すとともに、5月6日に戴冠式を控える新国王チャールズ3世陛下の肖像が初めて刻まれる、歴史的な記念コインです。

裏面のデザインは、女王の肖像を英国の象徴的なモチーフと共に描いた2種と、1953年の戴冠式に発行された記念コインの図柄を復刻した計3種類で、金貨と銀貨の全7種類をラインアップしています。

新国王への王位継承を刻む歴史的記念コイン

100ポンド金貨 792,000円

女王陛下は、在位期間70年と214日にわたって英国のために心を尽くし、献身を誓うという国民との約束を守り続けてきました。また英国のみならず世界中から愛された女王の輝かしい功績を称えると共に、新国王チャールズ3世の肖像が初めて表面に刻まれる、歴史的な記念コインとなります。

各時代の女王の記念コインを手がけてきた英国王立造幣局が鋳造

25ポンド金貨 209,000円

コインを鋳造する英国王立造幣局は、886年に設立され、1100年以上の歴史を有します。また戴冠式から在位25周年、在位50周年、英国最長在位、ご成婚70周年、在位70周年など、各時代を代表する女王の記念コインを手がけてきました。

英国史上最長君主としての輝かしい功績を表現したデザイン

5ポンド金貨 858,000円

女王の肖像は、近年の女王陛下の記念コインを多く手がけているデザイナーのジョン・バーグダールによるもので、女王陛下の横顔を英国国花のバラと共に優美に描いたものや、若き日と近年の肖像を左右に配置し長年の在位を象徴的に表現したもの、そして1953年の戴冠式の際に発行された図柄を復刻したデザインも登場します。

高品位の純金や英国伝統のピンクゴールド金貨

50ペンス金貨 363,000円

金貨は、高品位の純度99.99%（フォーナイン）の2種と、英国の伝統的な「ピングゴールド」と呼ばれる独特の温かみのある色合いが特徴の純度91.67%（22金）を2種ラインアップ。

3種のデザインを手軽に楽しめる銀貨セット

銀貨3種セット 63,800円

銀貨各種は、直径27.30〜38.61mmのサイズで、99.9%、92.5%の高純度。3種セットでデザインを手頃に楽しむことができる商品です。

デザインと解説

逆向きの理由は古くからの慣習

女王エリザベス2世記念コイン

新国王陛下チャールズ3世の肖像が描かれた初の記念コイン。デザインを担当したのは、作家や詩人など人物のパブリックアートの彫刻を長年手がけている彫刻家マーティン・ジェニングスで、肖像画は国王自らによって承認されました。

横顔は前国王（エリザベス2世女王陛下）とは逆の左向きで描かれており、これは1660年から続く“次代は先代の逆を向く”という慣習によるものです（一部例外あり）。周囲には、額面、発行年、「CHARLES III・D・G・REX・F・D」（Dei Gratia Rex Fidei Defensor : 神の恩寵による王、信仰の守護者の略）と刻まれています。

100ポンド金貨 / 25ポンド金貨 / 2ポンド銀貨

女王エリザベス2世記念コイン

気品に満ちた女王陛下の横顔を英国国花のバラとともに優美に表現しています。デザインを手がけたのは、英国王立造幣局の代表的アーティストのひとりであるジョン・バーグダール。

同氏は、ご成婚70周年（プラチナ・ウエディング）、在位70周年（プラチナ・ジュビリー）といった近年の女王の記念コインを多く手がけています。周囲には「ELIZABETH REGINA」と生没年「1926-2022」が刻まれています。

5ポンド金貨 / 5ポンド銀貨

女王エリザベス2世記念コイン

若き日と晩年の女王陛下エリザベス2世の肖像が向い合うように描かれ、70年に及ぶ在位の長さが表現されています。上部には、バッキンガム宮殿に展示されており、戴冠式でも使われる王室祭具「聖エドワード王冠」、下部にはエリザベス2世のシンボル文字（ロイヤル・サイファ）である「EIIR」、その周囲には「ELIZABETH REGINA」と生没年「1926-2022」が刻まれています。

額面が5ポンドのコインは「クラウン」とも呼ばれ、英国王室などの国家的に重要な特別行事を記念して発行されています。

50ペンス金貨 / 50ペンス銀貨

女王エリザベス2世記念コイン

1953年、当時27歳のエリザベス2世女王陛下の戴冠式を記念して発行されたコインの復刻デザイン。英国を構成する3ヵ国の紋章（左上と右下 : イングランド王室、右上 : スコットランド、左下 : 北アイルランド）と、4ヵ国の国花（上から時計回り : イングランドのテューダーローズ、北アイルランドのシャムロック、ウェールズのリーキ、スコットランドのアザミ）、中央には戴冠式で女王が被った3,174個の宝石が散りばめられた王冠が描かれています。七角形という特殊な形は、同じ程度の大きさのコインと見た目や手触りで容易に区別つくように採用されました。

英国の伝統が息づく“ピンクゴールド”金貨

「5ポンド金貨」と「50ペンス金貨」は、品位が91.67%の22金。そのピンク色の温かみのある優しい色合いは「ピンクゴールド」とも呼ばれ、英国では古くから発行されている伝統ある記念コインです。高品位な金本来の輝きはそのままに、他の金属を配合することで強度を高め、傷つきにくい堅牢さと、うっとりする美しさを兼ね備えています。