Rex Orange County『Apricot Princess』Interview

Music 2018.07.20 Text by Masashi Yuno

BBCが今年推す新人の第2位にランクしたレックス・オレンジ・カウンティのインタヴューを公開!

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エイミー・ワインハウスやアデル、ジェイムス・ブレイクらを輩出したブリットスクール出身で、今年5月に20歳になったばかりのレックス・オレンジ・カウンティことアレックス・オコナーはまさにサウス・ロンドンど真ん中と言える、ソウルやヒップホップ、ジャズなど様々なスタイルを並列に吸収したオーガニックなインディー・ポップ〜ロック・サウンドに、ジェイミー・カラムからザ・ストリーツを引き合いに出される屈託無く人懐っこい天性のヴォーカルが印象的な逸材。

 

彼の才能をいち早く見抜いたタイラー・ザ・クリエイターは、最新アルバム『フラワー・ボーイ』にも2曲でヴォーカルとしてフィーチャー。最近では、映画『トイストーリー』主題歌でもある「You’ve Got A Friend In Me」(邦題:君はともだち)を、オリジナルを歌ったランディ・ニューマンと共にカヴァーし、さらにチャンス・ザ・ラッパーらと共に、ピーター・コットンテールの新曲「Forever Always」に参加するなど、様々な話題を提供しています。

 

SUMMER SONIC 2018への出演も決定しているレックス・オレンジ・カウンティ待望の世界初CD化作品『アプリコット・プリンセス』は、歌詞対訳と解説書付きで7月20日に発売! そのリリースと初来日を記念して、彼へのインタヴューを公開!!

 

 

親しみやすいのと伝わりやすいのが“ポップ”・ミュージックだと思うんだ

 

──サリー州にほど近いグレイショットで育ったそうですが、音楽を志そうとしたのはいつ頃からですか? またグレイショットではどんな音楽を聴いていたのでしょう?

 

ブリット・スクールに通い始めてからだよ。音楽を作り始めたのは、グレイショットからロンドンまでの電車の中なんだ。学校でドラムを習うようになって、それで電車の中で曲を作るようになって。グレイショットでは、主にギター・ミュージックを聴いてたよ。あとは、ジェイ・Zとかエミネムとか、ヒップホップもたくさん聴いてたよ。

 

──クロイドンにあるブリット・スクールに16歳で入学したそうですね。この学校は英国のミュージシャンにとってはエリートコースだと思いますが、ミュージシャンを目指すために入学したのでしょうか?

 

ある意味そうだけど、それも頭にあった、というくらいかな。カリキュラムが充実していたし、ブリット・スクールは、強制的に生徒をミュージシャンにさせようとするような学校ではないから、そこがいいと思ったんだ。宿題に追われて自分の自由がなくなるとか、そういう状況にはなりたくなかった。でもブリット・スクールは、生徒の意思を尊重してくれるんだ。

 

──その学校で得た経験は、今のあなたの音楽性にどのように影響していますか?

 

受けた教育そのものが直接的に自分の音楽に影響しているとは思わないけど、学校に通ったことでたくさんのミュージシャンたちに出会って、新しい音楽を知ったのは大きく影響しているかな。学校に通い出してから、ワールド・ミュージックやエレクトロニック・ミュージックを知ったからね。

 

──キング・クルールとロイル・カーナーは学校の先輩です。少し年齢が離れていますが、あなたの音楽からは時おりふたりの音楽を思わせる瞬間があります。それは同時代に音楽を作っているということもあるでしょうが、一方で学校を含む地域性も関連しているのではないかと思います。クロイドンをはじめとする南ロンドンの地域があなたの音楽にもたらした影響はありますか?

 

彼らは南ロンドン出身で、小さいころからそこで育っているけど、ぼくは南ロンドン出身じゃないからね。だから、彼らほどは影響は受けていないと思うよ。でも、もちろんなじみのある場所ではあるから、曲を書く上で歌詞の内容の場所が南ロンドンが元になっていたり、南ロンドンにいる時に感じたことが曲になったものもあるとは思うけどね。

 

 

──1stアルバム『bcos u will never b free』でのコスモ・パイクとのコラボですが、彼も南ロンドン出身です。どのようなきっかけでコラボが実現したのでしょうか。

 

コスモとは同じ学校に通っていたんだ。正直、スタジオに入って本格的にコラボしたんじゃなくて、彼と自分が同じ時期に曲を作り始めて、その流れで一緒にコラボすることになった、という流れだったんだよね(笑)。だから、何かを学んだとか、影響を受けたということも特にはないかな。友達同士で楽しく曲を作ってみたというだけ。でも、その曲を作り始めた時期にお互いをインスパイアし合ったのは確かだね。ぼくは、特に彼のギタープレイからインスパイアされたと思う。

 

──『bcos u will never b free』がタイラー・ザ・クリエイターの耳に届いて、彼の作品に参加することになったのでしょうか?

 

そう。タイラーがサウンドクラウドか何かでぼくの音源を聴いたらしくて、それで彼から連絡が来て、彼の作品に参加することになったんだ。

 

──彼とのコラボはどのように進められたのでしょうか?

 

彼がぼくに合いそうなトラックを選んでくれて、それを自分でちょっと練習して、彼のところへ行って短時間でレコーディングしたんだ。そのあと、他にもぼくに出来そうなトラックが出てきたから、それもやってみることになった。データのやり取りというよりは、彼のアイディアがあらかじめ固まっていて、それにぼくが合うと彼が判断して、それを彼のところに行って加えた感じかな。

 

──コラボ後、あなたを取り巻く状況の変化はありましたか?

 

環境というより、あのコラボがあったおかげでアルバムを作りたいという気持ちが起きた。彼が作業しているのを見て、すごくインスパイアされたんだ。あと、彼とのコラボを通して自分のことを知る人が増えたから、その人たちにこれが自分の音楽だと提示できる作品、つまりアルバムを作りたいと思うようになったんだ。そうして『アプリコット・プリンセス』を作り始めたんだよ。

 

──その『アプリコット・プリンセス』は、よりメロディや歌に重心を置いた作風に変化したと感じましたが、それは意識的なものだったのでしょうか?

 

そうだね。さっきも少し話したように、前よりも音をただ作るのではなく曲や作品を作ることを意識するようになったから、その流れだと思う。表現方法、表現するものを前よりも考えるようになったことでそうなったんじゃないかな。前と少し違うこともしたかったし、曲と曲それぞれに個性ももたせたかった。ただランダムにサウンドを作るわけではなく、今回は曲を作るということを考えていたんだ。

 

 

──60、70年代のポップスから映画音楽、インディ・ロック、ヒップホップなど、様々な音楽要素があなたのフィルターを通して、ポップに展開されていきます。

 

自分が作っているのはポップだという意識はあるよ。自分のどこかで、キャッチーなサウンドを作りたいという気持ちがある。その方がやっぱり親しみやすいし、より多くの人が繋がりを感じることが出来るからね。親しみやすいのと伝わりやすいのが“ポップ”・ミュージックだと思うんだ。

 

──ベニー・シングス、ランディ・ニューマンとのコラボレーションはどのようにして決まったのでしょう?

 

長い間ずっと尊敬し続けてきたベニーが住むアムステルデムに行って、彼と一緒に作業をすることが出来たのは、本当に価値のある経験だった。ランディも同じ。あんなに素晴らしいキャリアの持ち主とコラボが出来たなんて光栄だよ。でも、ランディとは実際には会っていないんだ。自分のパートを録音して、彼に送るという形で作業を進めた。でも、彼のメロディやハーモニーには大きく影響を受けているし、そのは自分の音楽からもかなり見られると思うよ。

 

 

──SUMMER SONICで日本での初ライヴが実現します。「Japan」という曲も作っていますが、何か特別な思い入れがあるのでしょうか?

実は、日本にはまだ行ったことがないんだよ(笑)。だから、思い入れがあるわけではまだないんだ(笑)。でも、ずっと行ってみたいと思っている国のひとつだよ。「Japan」を作った時は、あまり曲名をつけずにたくさんトラックを作っていて、何かクールな名前をつけようと思って「Japan」にしただけなんだ(笑)。サマソニは、すごく良いショーになると思うよ。バンドも連れて行くし、シングルを全曲プレイできたら良いなと思ってる。日本のみんなの反応を見るのがすごく楽しみだね。日本に行けるのを本当に楽しみにしているよ!

 

■Disc info

 

 

レックス・オレンジ・カウンティ
『アプリコット・プリンセス』
Beat Records
Now on Sale

 

■Link

https://www.beatink.com/artists/detail.php?artist_id=2396

 

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