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17.50ポンドのチケットに一晩中並んだ!オアシス1996年マンチェスター公演ファン写真展開催
マンチェスターのキンプトン・クロックタワーホテル内のレストラン&バー「The Refuge」で7月2日(水)から8月31日(日)まで、オアシスが1996年に行ったメイン・ロード・スタジアム公演時のファンを撮影した写真展「OASIS FANS 1996」が開催。17.50ポンドのチケットを求めて一晩中並んだファンたちの姿を、写真家ジョン・シャードが記録した貴重な作品の展示となります。入場無料。
1996年メイン・ロード公演:オアシス黄金期の象徴
1996年4月27日と28日、マンチェスター・シティFCのホームグラウンド、メイン・ロード・スタジアムでオアシスが開催した2日間のコンサートは、バンドの絶頂期を象徴する伝説的な公演となりました。8万人のファンが詰めかけたこの公演は、オーシャン・カラー・シーンとマニック・ストリート・プリーチャーズがサポートを務め、多くのファンにとって「世代を定義する瞬間」となりました。
当時のチケット価格は17.50ポンドで、現在のダイナミックプライシングによる高額チケットとは対照的に、労働者階級の若者たちでも手の届く価格設定でした。この価格設定は、オアシスが「ワーキングクラスのための音楽」として位置づけられていたことを象徴しています。
チケット購入のための一晩中の行列
オンラインチケット販売が普及する前の1995年から1996年の冬、ファンたちはメイン・ロード・スタジアムで一晩中行列を作ってチケットを購入しました。写真家ジョン・シャードは、NMEからの初めての依頼でこの光景を撮影し、「街で最もホットなチケットを求めて極寒の中で待つファンたちの献身」を記録しました。
ファンの証言:労働者階級の若者たちの音楽体験
写真展では、当時のファンの生の声も紹介されています。日曜日の公演に参加したリア・ウォーカーは、「メイン・ロードでチケットを確保するためにキャンプしたキッズのひとりでした。公演当日、市内中心部からメイン・ロードまで歩きました。スタジアム周辺のラスホルムやモス・サイドは活気に満ちていました」と振り返っています。
彼女は続けて、「公演は主に私のようなワーキングクラスのキッズたちで埋め尽くされていました。ファンの視点から言うと、オアシスはメイン・ロード以降、これ以上良い公演をしたとは思いません。史上最高の公演でした!」と当時の興奮を語っています。
世代を定義した音楽とその社会的意義
ブリティッシュ・カルチャー・アーカイヴのポール・ライトは、「オアシスは世代を定義し、カウンシル・フラットのキッズたちに声を与えました。まさにワーキングクラスのための音楽でした。1994年から1997年の間はオプティミズムと素晴らしい夜に満ちており、オアシスはその時代を支配するサウンドトラックだったんです」と述べています。
写真家ジョン・シャードと英国音楽シーンの記録
今回の写真展の作品を撮影したジョン・シャードは、1990年代の英国音楽とレイヴ・シーンの決定的瞬間を捉えることからキャリアをスタートした写真家です。現在は肖像写真、音楽、広告分野で広く認知され、世界的に有名なスポーツスターやミュージシャンのポートフォリオを手がけています。
彼の作品の一部は、ナショナル・ポートレート・ギャラリーのパーマネントコレクションにも収蔵されており、マンチェスターのスタジオを拠点に国際的なクライアントとの商業的・創作的プロジェクトを続けています。
ブリティッシュ・カルチャー・アーカイヴの使命
主催者のブリティッシュ・カルチャー・アーカイヴ(BCA)は、英国のドキュメンタリー写真の保存と評価に特化した写真アーカイヴ兼出版社です。2017年の設立以来、戦後英国から現在までの強力な視覚的物語をオンラインギャラリー、プリントコレクション、巡回展を通じて紹介しています。
現代との対比:チケット購入方法の変化と音楽文化
この写真展は、オアシスの15年ぶりの再結成とダイナミックプライシングをめぐる論争を背景に開催されています。1996年当時の17.50ポンドのチケットと現在の高額なチケット価格は、音楽業界とファン文化の大きな変化を物語っています。
当時は会場やボックスオフィスで一晩中並ぶことがチケット確保の手段でしたが、ジョン・シャードは「オンライン販売が主流になる前の時代で、直接並ぶことには魅力がありました。人々は一晩中外にいて寒さに耐える覚悟がありました。それ自体がイベントであり、ファンにとってほぼ通過儀礼のようなものでした」と回想しています。
マンチェスター音楽文化の継承と1996年の意義

1996年のメイン・ロード公演は、マンチェスターの音楽カルチャー史において特別な位置を占めています。この公演は、労働者階級の街から生まれたバンドが地元で最高潮に達した瞬間を記録しており、ブリットポップ時代の社会的・文化的背景を理解する上で重要な記憶にもなっているのです。
写真展「OASIS FANS 1996」は、単なる音楽イベントの記録を超えて、1990年代中期の英国社会と若者文化の貴重な証言として、現在のマンチェスターで展示されます。この展示は、音楽が社会に与える影響と、ファン文化の変遷を考察する機会も提供しているのです。

Photo : ©jon shard – british culture archive
Link
https://britishculturearchive.co.uk/
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