ザ・クラッシュ『ロンドン・コーリング』40周年記念イヴェントをレポート!

12月22日にジョー・ストラマーの17回目の命日を迎えるザ・クラッシュの『ロンドン・コーリング』40周年記念イヴェントが14日にロンドンで行われました。

ザ・クラッシュの最高傑作といわれる『ロンドン・コーリング』が、1979年にリリースされてから今年で40周年。これを記念して、ロンドンではさまざまなイベントが開かれています。11月15日からロンドン博物館で開催中の「ザ・クラッシュ:ロンドン・コーリング」展と連動して、英国映画協会の本部BFIサウスバンクでザ・クラッシュのドキュメンタリー映画の上映会とバンドのメンバーのミック・ジョーンズとポール・シムノン、そして監督のドン・レッツとザ・クラッシュのツアー・マネージャーだったジョニー・グリーンが登場する座談会を組み合せたスペシャル・イヴェントが、英国でのアルバム・リリース日からきっかり40年目に当たる2019年12月14日に開催されました。

 

 

上映されたのは、ザ・クラッシュの数あるドキュメンタリーの中でも最も信頼性が高いといわれる『ザ・クラッシュ:ウエストウェイ・トゥ・ザ・ワールド』。バンドの古くからの友人で映像作家 / DJのドン・レッツ監督による2000年の作品で、ドンが長年にわたって撮り貯めたバンドのライヴ映像と、メンバー全員が真摯に語るインタヴューから構成されています。ジョー・ストラマー、ミック・ジョーンズ、ポール・シムノン3人のそれぞれの生い立ちからアートスクール時代、バンド形成期、スクォット(若者たちが不法占拠して住んでしまう空家など)でのリハ、4人目のメンバー、トッパー・ヒードンの加入、怒涛のパンク時代、気力が充実しきった中での3作目『ロンドン・コーリング』リリース、社会派バンドへの脱皮、反人種差別運動などの社会活動、音楽性の広がり、アメリカ進出、世界進出、ニューヨークでの16夜連続公演、スタジアム・バンドへの成長、それから、やがてバンドが疲弊して、アメリカでの華々しい成功の真っ只中で空中分解してしまうまでの様子が、まるで歴史の教科書のように整然と描かれています。

 

上映後の座談会では、このようなタイムリーな質問も客席から飛びました。「ザ・クラッシュは、ボリス・ジョンソンの好きなバンドNo.2だそうですが、それについでどう思いますか?」。これに対して、ポール・シムノンはムスッとしてこう答えたそう。「あの人、きっと歌詞を聴いたことがないのさ」。

 

 

12月22日はジョー・ストラマーの17回目の命日を迎えます。彼は映画が公開された2000年の2年後の2002年12月22日、何の前ぶれもなく、心臓の疾患で50歳の若さで全く突然にこの世を去ってしまいました。座談会でもジョーを想い偲んで各人がコメントを寄せました。

 

「映画が完成した時ジョーはまだ生きていて、プレミアは全員揃って見ることができたよ」(ミック)。
「ジョーが21世紀の今もし生きていたらどこにいるだろう」(ドン)
「ガレージで曲でも作ってるんじゃないか?」(ポール)
「だといいね。我々には今もジョーが必要だから」(ドン)
「彼の歌詞は現代にもつながっているよね」(ポール)

 

40周年を記念して「ロンドン・コーリング」のミュージック・ビデオがHDリマスター化され公開されていますが、この撮影秘話もイヴェントでは語られました。

 

 

バタシー・パークのテムズ河沿いの埠頭で撮影された「ロンドン・コーリング」のMVは「午後に撮る予定だったのが準備に時間がかかって夜になってしまい、雨の設定にしたかったが人工雨を降らせるような予算はないしなと考えていたところへ本物の雨が降り始めた。偶然が重なり、凍えるほど寒く雨降るロンドンというこれ以上ないパンクな状況が出来上がった」(ドン)。それはよかったが、撮影が終わる頃には、あまりの寒さと疲れでヤケっぱちな気分になり、機材捨てちゃおうぜ、というジョニーのかけ声にみんなその気になり、何と撮影機材一式をテムズ川に投げ込んでしまう、というこれまたパンクな展開に。「やっちゃいけないことだった。何せレンタルした機材だったから。ザ・クラッシュのアイテム・コレクターの方々、今でもあの辺に潜れば機材が沈んでいるかもしれません。でも、所有者はザ・クラッシュじゃなくて機材レンタル会社ですがね(笑)」(ジョニー)

 

 

なお、『ロンドン・コーリング40周年記念盤』は、120ページの豪華ハードカバーにCDを収納した豪華仕様盤(日本盤のみ高品質Blu-spec CD2仕様)と2枚組アナログ盤(日本のみクリア・ヴァイナル)で発売中です。

 

■Link
https://www.sonymusic.co.jp/artist/TheClash/

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