フォールズ来日直前インタヴュー

Music 2020.02.24 Text by 編集部

3月3日(火)の名古屋公演を皮切りに単独来日ツアーをスタートさせるフォールズ。ドラマーのジャック・ベヴァンが来日直前インタヴューに答えてくれました!

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──まず最初に、NMEアウォーズのベスト・ライヴ・バンド賞受賞おめでとうございます!

 

ありがとう! 最高だよ、誇りに思うよ。ライヴ・バンド賞は欲しかった賞なんだ。とにかくツアーをたくさんやり、力の限りを尽くし、バンドとしてライヴ・パフォーマンス能力の底力をつけたと思うから、それに見合う賞をもらえてうれしい。

 

 

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──オリジナル・ベーシストのウォルター・ジャーヴァースが脱退した後、彼の後任を務めていたエヴリシング・エヴリシングのジェレミー・プリチャードが自分のバンドに戻ったと聞きました。新しいベースは誰になるんですか。

 

新ベースは、ジャグウォー・マのジャック・フリーマンなんだ。「ジャック」がふたりになる。彼らとはツアーを共にしたことがあるし、このバンドのメイン・ソングライターのひとりでプロデューサーのジョノとはレコーディングをしたこともある。ジャックはすごくいいヤツで、すでにバンドになじんでいる。この2週間、彼を含めてリハをやってるんだが、すごくいい感じなんだ。一緒にツアーに出るのが楽しみだよ。

 

──最新作『エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト』のパート1、パート2にに限らず、フォールズの作品にはギリシャの要素が強いですよね。アテネだったりイカロスだったり。これはやはりヤニスのギリシャ人の血と関係があるのでしょうか。

 

そうだね。歌詞はすべてヤニスが書いているから、僕が答えていいのかわからないけど、ヤニスは自分の出身地であるギリシャに強い思い入れを持っているので、それがギリシャ的要素となって歌詞ににじみ出てきているのは間違いないと思う。

 

──ギリシャ神話のストーリーやギリシャの神々のキャラクターはあまりにも普遍的なため、現代にも当てはまるんでしょうかね。たとえば『パート2』に出てくるイカロスの物語みたいに。

 

まったくそのとおりだと思う。古代ギリシャの神話が今日でも引き合いに出されるのは、その中身が現代にも通用するからだ。そこに描かれているのは、人間の本質であって、そういうものはどんなに時間が経っても変わらないから。

 

──「ザ・ランナー」のミュージック・ビデオで、ヤニスが自分の分身みたいな人と闘いますよね。あれは何を表わしているんですか。

 

言うなれば……自分自身との闘いだね。自分の足を引っ張るもうひとりの自分を打ち負かすシーン。監督のクェンティン・デロンジエは、それを観念的にでなく、目に見える形で表わしたかったんだと思う。

 

 

──こんなに壮大な叙事詩のようなアルバムを作ったあと、フォールズは一体どこへ向かうのでしょうか。

 

自分たちでも見当がつかないね。まだ話し合ったわけでもないし、曲を作り始めたわけでもないし。でも、この間ヤニスがちょっとした新曲のアイデアを出してきてね。それを聴いて気持ちが高ぶった。何しろ、前作2枚の制作を終えてから初めて聴く新曲だったから。さぁて、どうなるかな。めっちゃポップな方向へ行くかもしれないし、どうしようもなく変わったことをするかもしれない(笑)。

 

──その両方でもいいですね。

 

あはは、そうだね。

 

──ところで、そのヤニスの新曲ってすごく気になるんですけど。

 

何というか、イントロがちょっとザ・ローリング・ストーンズの「ギミー・シェルター」みたいで、中身はレッド・ツェッペリンぽくもある正統派ロック。ベストな意味での正統なロックだね。

 

──いち早く教えてくれて、ありがとうございます。フォールズの曲は、とてもドラマチックなため、たくさんの曲がイギリスではドラマなどに使用されています。『パート1』からの「イン・ディグリーズ」が最近BBCのドラマ『Giri / Haji』に使われたり。近作2枚から他に番組や映画に曲が使われる予定はありますか。

 

それが、自分たちでは全然わからないんだ。イギリスでは、楽曲使用料は自動的に支払われるけど、曲の版権所有者に知らせる義務がないんだ。だから、たまたまTVを見ていて自分たちの曲が使われているのを発見して、おっ、クールじゃん、なんて思ったりする。

 

──ご本人たちが把握してないとは知りませんでした。

 

してないんだよ。この間なんか、『エンバレッシング・ボディーズ』という体の醜い部分の悩みを皆が語り合う番組でいきなり「カシアス」がかかってビックリした。僕たちの曲はシネマティックなので、ドラマやTV番組に多用される。ビデオ・ゲームなんかにもね。「スパニッシュ・サハラ」が『ライフ・イズ・ストレンジ』というプレイステーションのゲームの重要な場面で使われているんだけど、この曲によってそこに思いきり情感が生まれている。ぴったりな場面で使用されると曲は威力を発揮するよね。

 

 

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──「ザ・ランナー」みたいな曲が、たとえばの話、東京オリンピックのTV中継のテーマソングなんかに使われたらかっこいいんじゃないかとひらめいたんですが。

 

ほんとだ。歌詞といい、曲の雰囲気といいぴったりだね。おもしろいよね、曲を作っている時は、何かに使用しようなんて一切意識してないのに、あとから、あれにいいかもこれにいいかも、と思いつく。「ザ・ランナー」はヘヴィ・ロック・チューンだから、そう言われてみれば、スポーツにうってつけだね。

 

──今年は東京オリンピックの年ですが、スポーツやオリンピックに関心ありますか。

 

大いに。十代のころサッカーをやっていたし、ここ数年はサイクリングに凝っている。オリンピックって、人間が膨大な時間を自己に投資してスポーツを極めた最高の姿を見せてくれる場。すばらしいよ。2012年のロンドン・オリンピックもまだ記憶に新しい。国全体が盛り上がれる機会でもあるよね。日本にとっても、今回のオリンピックは特別なものになると思う。

 

──ジャックはスケートボードをやると聞いてますが、今度のオリンピックで初めてスケボーが種目に含まれるんですよね。

 

あっ、それ、聞いたよ。いいことだと思う反面、変な感じもする。スケートボードってとてもクリエイティヴなものだから、あれが正式なスポーツと位置づけられてしまうことにちょっと抵抗がある。でも、ま、いいか。僕も長年スケボーやってきているから、技を極めた人の演技を楽しむことにするよ。

 

──日本に関する質問に移りますね。3月に単独日本ツアーが予定されています。

 

そう。もう何回目になるかな。数えてみると、少なくとも僕は5、6回くらい日本へ行っている。ツアーだけじゃなくて、個人的に旅行もしてるから。

 

──個人的にも行ってるんですね!

 

そう。ツアーで行くと、一都市に1日しかいられないから、自分で旅行し直したんだ。数年前に。京都へ行ってみたかったし。ツアーでは回れないところを訪ね。ツアーではできない体験をしてみたかった。リョカンに泊まったりとか。発音違ってたらすみません。

 

──大丈夫、合ってますよ(笑)。

 

リョカンに2軒泊まった。最高にエキサイティングだった。イギリスにはない形態の宿泊施設だから。あと、けっこう食べ物にこだわる方なんだけど、中でも日本食が大好きで。日本へ行ったら、食べ歩きが楽しみ。特に何って、もう挙げきれないよ。アイ・ラヴ・ヤキニク、ラーメン、シャブシャブ、スキヤキ。築地が引っ越す前にスシも食べにいったよ。目の前で魚をさばいて、世界一新鮮なスシだね。

 

──京都でどこへ行ったか覚えていますか。

 

とにかくお寺をたくさん訪ねた。奥行きのある長い商店街にも行った。カプセル・ホテルにも泊まってみた。

 

──本当ですか!

 

あれは楽しかったな。他でできない体験だ。とはいえカプセル・ホテルって、ちょっとツアー・バスで寝るのに似てるんだ。だから、どこかなじんだ感覚でもあった(笑)。バーにも何軒も入った。本当にいい旅だった。新幹線、最高。新幹線に乗るのって、景色を見るのにベストな方法じゃない? 景色がよく、静かで速くて、イギリスの列車と大違いだ。

 

──そのほかに日本の印象的な思い出はありますか?

 

桜を見たことだね! 旅行はガールフレンドと行ったんだけど、彼女は日本が初めてだったので、ぜひいろんなことを体験してほしいと思った。日本て世界のどことも違う国なので、目一杯楽しんでほしいと。京都にいる間中桜は開花せず、大阪に行った時もダメ。だけど、東京に戻って、帰国する前日になって一斉に花開いたんだ。その美しかったこと。明治神宮の隣の大きな公園で見た。彼女も感動してた。来月また日本へ行くんで、彼女にうらやましがられているんだ。

 

──あまり時間がないでしょうが、次回日本で行ってみたいところ、やってみたいことはありますか。

 

何とか1日だけ自由時間が取れそうなんだ。そうなったら、京都に1泊したい。ヤニスはまだ京都へ行ったことがないので、ヤツを連れていきたいんだ。前に泊まった旅館を予約しようと思ってる。バンドでツアーしてると、どうしても無味乾燥なホテルにばかり泊まりがちになるから、途中に旅館を入れると新鮮だし、いい思い出になると思う。

 

 

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──サマーソニックをふり返って、日本のオーディエンスの反応はどうでしたか。

 

すごくよかったよ。特に、前作『ホワット・ウェント・ダウン』のツアーでは日本へ行けず、すごく久しぶりだったから、新曲を披露でき、それに対して温かい反応を返してもらってうれしかった。日本では、ミート&グリートで直接ファンに会うのも楽しい。みんな熱いしフレンドリーだし。

 

──3月の日本公演はどんなものになりますか。

 

フェスティヴァルの時は時間が短いので、どうしてもヒット曲中心になるけど、単独公演だと1時間半から2時間あるので、曲数を格段に増やして、全体もっとディープなセットが構成できると思う。『パート2』からの曲もたくさんやる予定。聴きどころは、アルバムのラストの曲「ネプチューン」。壮大で、エネルギーあふれる曲だから、ライヴも聴き応えのあるものになるだろう。フォールズをよく知る人にも、ライヴを初めて見る人にも楽しめるものにしたい。よく知られている曲とツウ好みの曲を織り交ぜて。去年から、大昔のアルバム『トータル・ライフ・フォーエヴァー』の曲を掘り起こして演奏してるんだけど、いい反応が返ってきてるし。年頭で、みんなやる気にあふれていて、何もかもが楽しみだ!

 

──ヴィジュアルの方はどうですか。

 

『パート2』に関連したヴィジュアルも作ってるし、一方、曲は幅広く演奏したいから、どの曲にも当てはまるヴィジュアルも作っていて、両方を配合することになるだろう。今回は数パターンがあって、まだどれをアジア・ツアーに持っていくか決まってないので、詳細は言えないけど、クールなライトショーが見られる、これは確か。曲も増え、本物のビッグ・ショーができる立場になったので、『パート2』をたずさえてのライヴを早く見てもらいたいな。

 

──では、最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

 

長年に渡る愛とサポートをありがとう! 日本は世界一好きな国。こんなに好きになった理由の一端は、ファンが熱心に応援してくれたことにあるんだ。アイ・ラヴ・ジャパン。ラヴリー・ガイズ。3月に会うのを楽しみにしているよ!

 

ジャックの日本滞在を追ったフォトダイアリーはこちらから👉 https://www.sonymusic.co.jp/artist/foals/page/Photo

 

インタヴュー / 清水晶子 Akiko Shimizu ロンドン在住ジャーナリスト

 

■Live info

FOALS JAPAN TOUR 2020

3月3日(火) 愛知・Nagoya CLUB QUATTRO OPEN 18:30 / START 19:30
3月4日(水) 大阪・BIGCAT OPEN 18:30 / START 19:30
3月5日(木) 東京・新木場 STUDIO COAST OPEN 18:30 / START 19:30

 

■Disc info

 

フォールズ
『エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト・パート2』
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
Now on Sale

 

 

フォールズ
『エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト・パート1』
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
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