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Interview : ボビー・ギレスピー「僕たちはまるで、孤島のようなものだと思う。誰かと地続きのように繋がることはないんだ」
プライマル・スクリームのボビー・ギレスピーとサヴェージズのジェニー・ベスによるデュエット・アルバム『ユートピアン・アッシェズ』が7月7日にリリースされた。「愛の崩壊、真のコミュニケーションの不可能性、人生の中で避けられない現実に直面している夫婦の物語を表現している」とボビーがアルバムのテーマを語るように、ふたりの間で今こそ崩れそうな関係性をギリギリのところで維持している夫婦の心象風景が描かれている。その「悲しみと再生の物語」を描いたアルバムについて、ボビーがじっくりと話してくれた。
──ジェニーとは2015年にバービカンで行われたスーサイドのステージで出会ったのが最初のようですね。翌年、ジェニーがプライマル・スクリームのステージで「サム・ヴェルヴェット・モーニング」をデュエットしています。そこからどのようにして今回のコラボレーションが生まれたのでしょうか?
最初にジェニーと腹を割って話したのは、マッシヴ・アタックのフェスティバルの時だね。サヴェージズも出演していたんだ。プライマルのギターのアンドリューがジェニーのことをよく知っていて、彼女にゲストシンガーとして歌ってもらったらどうか、と言ってきて。それがすごく良い感じだったから、アンドリューがジェニーと一緒に曲を作ってみたらいいんじゃない? と薦めてくれたんだ。
──あなたはジェニーをどのようなアーティストとして見ていましたか?
彼女のことはサヴェージズの音楽を通してしか知らなかったけど、サヴェージズの1stアルバムを買って聴いてみたんだ。彼女たちの音楽は、とてもミニマルで白黒のコントラストがはっきりしているような印象を受けた。明確な方向性やマニフェストを持っているなという印象だったね。
ジェニーは自分の見せ方を分かっているし、こう見られたい、こう在りたいというのがとてもはっきりしているところに興味を持ったんだ。彼女たちの音楽には、たくさんのルールがあるように感じたよ。ギターソロは入れない、曲はすべて短くまとめる、みたいなね。彼女の音楽を聴いて、批判的思考に基づいた曲作りの世界観、というアイデアが浮かんだんだ。
──サヴェージズの音楽を聴いて、ジェニーとのコラボレーションにあたって曲作りに彼女たちの方程式を取り入れるようなことは考えましたか?
それはまったくなかったね。ただ、「サム・ヴェルヴェット・モーニング」のリハーサルをした時、彼女のプロフェッショナルな姿勢には感銘を受けたよ」
──実際に一緒にスタジオに入ってみて、彼女に対する印象は変わりましたか?
いや、全然変わらなかったね。依然として彼女はとてもプロフェッショナルだったから。絶対に遅刻しなかったし、歌は素晴らしいし、プロジェクトにとても集中していたよ。ジェニーは詩を書き留めたノートを何冊も持っていて、日記もこまめにつけていたんだ。「ストーンズ・オブ・サイレンス」のヴァースは、彼女のノートの中から歌詞を拝借したんだよ。それから、僕がコーラス部分を書いたんだ。
──基本的には、あなたが曲を書いて、一部の歌詞をジェニーが担当したという感じですか?
曲によって作り方はまちまちだったね。例えば「サンク・イン・レヴァリィ」や「リヴィング・ア・ライ」は僕が歌詞を全部書いたし、「ユー・キャン・トラスト・ミー・ナウ」はジェニーが一部を、残りを僕が書いた曲だしね。「イングリッシュ・タウン」は、「I want to fly away / From this town tonight / So high, so high」の部分だけジェニーが書いて、あとは僕が歌詞を書いた。
「リメンバー・ウィ・ワー・ラヴァーズ」は僕が書いたヴァースとジェニーが書いたコーラスを組み合わせた曲で、「チェイス・イット・ダウン」はコーラス部分だけジェニーが書いた。「ユア・ハート・ウィル・オールウェイズ・ビー・ブロークン」はジェニーがヴァースを、僕がコーラスを書いて、それからセカンドヴァース(Bメロ)も僕が書いたな。
──1曲の中で、実際に会話しているような感じで歌詞を書いていったんですね。アルバムを聴いていると、男女の対話が聞こえてくるのにはそういう理由があったんですね。
そんな感じだね。半分は僕が書いて、残り半分はジェニーが書いた曲もあるし、9割を僕が書いた曲もあって。男女の対話がこのアルバムのコンセプトだから、メロディと歌詞の関係もちょっと会話のようになっているかもしれない。
──アルバムにはプライマル・スクリームの主要メンバーも参加しています。アルバムがプライマル・スクリーム&ジェニー・ベスにならなかったのはどうしてでしょうか?
それは、このアルバムのコンセプトが、トラディショナルな男女のデュエットソングだったからだよ。ボビー・ギレスピーとジェニー・ベスのデュエットアルバムという体裁を取りたかった。男女の会話の持つダイナミズムにとても興味があったからね。それに、ジョン(ジョニー・ホスティル)もアコースティックギターを弾いてくれているし、プライマルのメンバーだけで作ったわけじゃないからね。
ジェニーも歌詞のかなりの部分を書いているし、プライマル・スクリームの曲作りとはまったく違うやり方で作ったレコードだという部分も大きいかな。この20年間のプライマル・スクリームのアルバムは、ほとんどコンピュータで曲作りをしてきたんだ。エレクトロニックなサウンドスケープを主軸にした作品を作ってきた。
でも、このアルバムの曲のほとんどはアコースティックギターで書いたんだ。初期のプライマル・スクリームに近い曲作りをした感じだね。
──確かに、このアルバムはプライマル・スクリームの近作に比べてずっとオーガニックな手触りを感じました。
その表現いいね。その通りだよ。
──グラム・パーソンズとエミルー・ハリスの『グリーヴァス・エンジェル』、ジョージ・ジョーンズとタミー・ワイネットの『ウィー・ゴー・トゥゲザー』などのカントリー・ソウルに触発されたともお聞きしましたが。
僕たちは、既存の曲をなぞるようなレコードを作ろうとは思っていなかったんだ。あくまでもオリジナルの音作りを目指していたし。ただ、プレスリリースにそう書いたのは、ジャーナリストにどんなタイプの音楽性を持つアルバムかっていう分かりやすい見本を示したのに過ぎないんだよ。トラディショナルな男女のデュエットアルバム、というコンセプトを理解してもらうためにね。
──アルバムコンセプトは「slow disintegration of a failing marriage」と聞いています。どうしてこのコンセプトになったのでしょうか?
「う~ん。説明が難しいな……僕はただ、普遍的な真実というものを描きたかったんだ。経験に基づいた実存的な現実というのかな。人間同士の相容れない矛盾や、不明瞭な感情といったもの。僕は、人間というのは分断によって結びつけられていると思うんだ。つまり、人間が背負っている痛みの大部分は、他の誰かと繋がりたい、結ばれたいという思いから来ているんじゃないか。
そう願っているのに、ぴったりと重なり合うことは永遠にないんだよ。ある一瞬、心が通ってひとつになることはあるし、精神的な結びつきをほんのわずかな間感じることもある。でも、それは永遠には続かないし、完全にひとつになることはないんだ。僕たちはまるで、孤島のようなものだと思う。誰かと地続きのように繋がることはないんだよね。
それがあらゆる種類のリレーションシップに対する真実だと思う。だからこそ、僕たちは誰かと繋がることにこれほどの魅力を感じるんだと思うんだよね。人間は孤独で、だからこそ誰かと繋がることで力を得る。それは神の定めたルールに則っているんだろうし、神学的・哲学的な領域の話になるんだろうけど。なぜ人がロマンチックな恋愛関係をこれだけ追い求めるのかと言えば、それは誰かと関係を持つことで自分がより大きな存在の一部になったように感じられるからなんだ。自分の存在がより大きなものになったように感じられるんだよ。でも、それは長くは続かない。永遠に続くものではないんだ。
──それは男女間の恋愛関係に限らず、すべてのリレーションシップについて言えることなんでしょうね。
「そう、僕たちは動物と同じなんだ。もしかしたら、無償の愛を注げるだけ動物の方がマシかもしれない。人間はトリックスター、ペテン師だから。このアルバムは、人間には他の人間のことは理解できないということについて書かれたものなんだよ。もちろん、相手のことは知っているけど、本質までは分からないよね。その人のことを知っているつもりでも、本当のところは全然分かっていないんだ。
結局完全に理解することなんてできないから、愛が冷めたらもう全然知らない赤の他人になってしまう。その時感じた愛がなんだったかなんて、僕たちには分からない。愛なんて実体のないものだから。そう、愛は言ってみれば生命そのものなんだと思う。僕たちの命も、一度死んだら宇宙の塵と消えてしまう。愛も同じだよ。一度その愛が冷めたら、宇宙の藻屑だ。
そうやって宇宙のサイクルの一部として、喪失と再生を繰り返していくんだ。僕たちの命もそこに生まれた愛も、宇宙の規模からしたらとんでもなく小さな、取るに足らないことじゃない? 愛やリレーションシップは、本当に小さな一瞬の火花のような存在でしかない。燃え尽きたらそれで終わりだ。このアルバムは、ある意味とても皮肉だけれど、現実的なことをテーマにしているのかもしれないね。
実存的な真実を受容することがこのアルバムで伝えたかったことなんじゃないかな。僕たちは分かり合えない、自分以外の人のことは理解できない。表面的なことは分かるし、見えるものについては深く考察するけれど……太古の昔から、ドラマや芝居や脚本や詩や小説のテーマにもなってきたよね。人間はとても複雑な生きもので、人生は葛藤の連続だ。
人間関係は葛藤そのものだから、このアルバムの命題は、その“葛藤”について描かれたものと言えるだろうね。そして、その葛藤は痛みを伴うんだ。“葛藤が生み出す無限の痛み”がテーマになっていると言えるかもしれない。ある意味、とてもブルージーなレコードになっていると思う。
──曲が進むにつれて、内面がさらけ出されていき、痛みも増していくようです。一方で、サウンドそのものは美しく、アップリフティングで時には優しく、癒されるような要素も入っていますよね。
そうなんだ。だから、そこに一筋の希望が見えるんだと思う。
──この痛みを美しいサウンドで表現しようと考えた真意はなんだったのでしょうか。そうした希望の光を込めたかったということでしょうか?
そうそう、その通り。痛みを伴う歌詞を美しい音楽で表現しているというのは良い考察だ。なぜなら、それこそがアートの持つ力だからね。それが聴き手を惹きつけるんだと思う。美しく繊細なサウンドが、ダークな歌詞によって傷つけれた心を引き上げて、包み込んでくれる。言ってみれば、美しさのコクーンのようなものだね。
美しい花に見えても、実は君を飲み込んでしまうかもしれない(笑)。毒を持った花みたいなものなのかもね。言ってみれば、人間だってそうじゃない? 外見は小綺麗にしてるかもしれないけど、中身はダークでドロドロだ。怒りやサディスティックな感情を秘めているんだから。うん、なかなか良い指摘だね。考える良いきっかけになった。本当にどうもありがとう!(笑)
──このアルバムはまるでロックダウン下で物理的な距離を取らざるを得なかったふたりの葛藤を描いているようにも感じます。
なるほどね。でも、それは関係なかったかな。このアルバムは新型コロナ以前に完成していたから。それよりも、このアルバムは感情の不明瞭さについて描かれたものなんだ。人間の残酷さと言ってもいいかもしれない。その残酷さというのは僕たちの中にも、あらゆる場所、あらゆる場面に溢れている。詩人だって脚本家だって小説家だって、本当は不明瞭な感情と闘っているんだ。
本当は自身の感情について1ページだって書くことができないのかもしれない。映画や詩を創ってはいるけど、自分自身の感情については不明瞭なまま葛藤を繰り返しているんだと思う。自分の感じ方や生き方、もしかすると結婚生活さえ、自ら正すことはできないんだよ。だって、人間は身勝手で利己的で、ナルシスティックな生きものだから。人間は……そう、混沌としている。すべての人間が、矛盾した存在なんだ。
僕がこのアルバムで本当に描いたことは、そうした人間の持つ矛盾についてなんだろうな。ある時は素晴らしい人物で、ある時は愛情の欠片もない人物で、翌日は誰もがその人のことを憎んでいるかもしれない。ある意味、サディスティックとマゾヒスティックな感情を持ち合わせているということかもしれないね。
人間は、何か実体のないものに突き動かされて、しかるべき状況に陥っている気がする。何か得体の知れない、僕たちを突き動かすなにか……人間ていうのは、結局何も分かっちゃいないんだ。僕を含めて、誰もが自分の感情についても、どうあるべきか、どんな行動を取るべきかなんて、全然分かってないんだと思う。
──そうした音楽に込めた思いや考え方、感じ方というのはやはりあなたのこれまでの経験から来ているのでしょうか。
それはもう、僕の作品はすべて自分自身の経験に基づいているものばかりだよ。
──というのも、このアルバムに登場する男女というのは、明確なキャラクター設定があってのことなのか、それよりももっとパーソナルで自然発生的なものだったのかが気になったんです。
ああ、そうだね。確かに、フィクションの部分もあるから、ある意味架空の登場人物に語らせているところはあるね。でも、そうしたキャラクターの人物設定のベースには僕の経験があって、僕が色々な人たちの経験やリレーションシップを観察して考察したものを反映しているから、完全に架空のキャラクターを創り上げたという感じではないかな。
僕の視点から見た、様々な人たちの、様々な“痛み”のコレクションといった感じかな。端から見たら幸せな結婚生活でも、そこに葛藤があるかもしれないと思うんだよね。1曲目の「チェイス・イット・ダウン」は、生命や宇宙、自然、それに人間にさえ備わっている存在の美しさに対する、ある種の不思議な感動や心理的感覚について歌ったものなんだ。
滅私的な優しさや思いやりといった美しさ。でもね、日本もそうだしイングランドも西欧諸国そうだけど、経済的に豊かな国に暮らしていると、生きていることがどんなに幸運で恵まれているかなんて、すぐに忘れてしまうと思うんだ。退廃的になってしまって、どんなに生きづらいかっていう文句ばかり言うようになる。
でも、僕は生きていることそのものが素晴らしいことで、奇跡的なことなんだってこの曲で歌いたかったんだ。「Love while you can / Every woman every man / Everybody is a star / No matter who / Or what you are / And we don’t have too long / Run your race / Sing your song」の部分には、そうした想いが込められているんだよ。
人生は短い、僕たちは自分たちに命を授かって、この人生を生きていることを讃えるべきなんだってね。僕たちはこの美しい人生を授かったんだから。でも、人は新しい家が欲しい、新しい車が欲しい、新しい冷蔵庫が欲しいって、不平不満ばかりを言っている。
──貪欲になればなるほど自分の不遇さに絶望してしまって、経済的に豊かな国の方が自殺率が高かったりしますよね。
そうなんだ。結局人は、自分より裕福だったり、成功していたり、美貌を備えていたり、そんな人たちと自分を比較して羨んでばかりいるよね。セクシーでスタイリッシュで大きな家に住んでいるセレブと比較することで自分の価値を決めてしまっている。結局、そうした比較対象を設けて、ある種のゴールみたいな人たちを示すことで、資本主義は機能しているわけだから。
フェラーリを乗り回して美人のモデルの奥さんがいて大きな家に住んで、という結論を提示することで、分かりやすくそこに向かっていくことになる。だから人は資本主義社会に疑問を持たずに暮らすことができるんだ。成功者はこんな暮らしを手に入れているという幻想を見せることで、君にもその暮らしを手に入れることができるよ、手に入れたら勝者だよ、手に入れられなかったら敗者だよ、と分かりやすく示すことができるわけだよ。
敗者には負けた理由があるんだよ、というのが資本主義社会の根底になっている自由競争からのメッセージなんだ。こんな平等な社会で何も手に入れられなかった君自身に理由があるってね。経済や社会が悪いんじゃない、頭が悪いとか、醜いとか、頑張りが足りなかったとか。成功者はみんな身を粉にして働いているっていうけど、実際の金持ちは、そのほとんどが親から受け継いだものだったりするんだけどね。
土地とか不動産とか、両親が築いた財力や先祖代々受け継いだ遺産がほとんどだ。僕たちが信じているもののほとんどは嘘で塗り固められたギミックで、僕たちは嘘を信じて、嘘にお金を払って買っている。資本主義社会なんて、懐疑的な存在だし、僕たちは疑うべきなんだ。魅惑的な嘘で塗り固められてる。
エルメスのハンドバッグやイブ・サンローランのコートは、消費主義者にとっては魔力を持った魅惑的な存在で、僕たちは幻想に投資してその魔力を持ったフェティッシュな所有物を手に入れている。僕自身だって、他のみんなと同じようにその行為に罪の意識を感じているよ。消費社会の現実は、大衆の奴隷になることなんだ。
僕はもちろんその資本主義消費社会の一部だし、ブランドのキャンペーンとかもやってるし、だからこそ罪の意識を感じているよ。でも、この社会の一部だから、その一員として生きていくしかないんだよね(笑)。
──「サンク・イン・レヴァリィ」を聴いて、そういった消費社会に対する幻滅みたいなものを感じました。
あの曲は、人間に対する最上級の嫌悪感を歌ったものなんだ。人々の行動を目撃している主人公の語りという体裁を取っているんだけど。人間が持つ、寄生本能とでも言うのかな。それを暴こうという内容なんだ。人はみんな様々な仮面を被っていて……この主人公も、俳優としてかつてはそちら側に属していた。だから、自分について歌っている歌でもあるんだよ。
最後のコーラスの「The bodies keep on coming / The party never ends」の部分は、パゾリーニの映画『ソドムの市』を観て書いたんだ。ラストシーンで少年少女を次々に虐殺するところを描いたんだけど、人間の死体が累々と重なっている様は、まるで肉屋みたいだな、と思って。人間も、虐待されて使い尽くされてやがて死体となって転がっている。
つまりこの曲は、そういう放蕩的なライフスタイルや、そういうライフスタイルを送って吸血鬼のようになってしまった人たちの空虚について書いたものなんだ。繰り返しになるけど、ここで描かれているようなライフスタイルはとても魅力的かもしれないけど、そこに愛はないし、とても空虚だ。でも、そこにいる人たちは気付かないふりをしているんだよ。
──共作していて思いもよらず、良い方向に向かった曲はありますか?
例えば「リメンバー・ウィ・ワー・ラヴァーズ」は、最初はクラフトワークみたいなサウンドだったんだ。ドラムマシーンやストリングマシーン、ピアノが入ってて。でも、自分的にはしっくりこなくて。雰囲気もないし、感情がこもっていない感じがしてね。それで、ギターで曲を書き直してみたんだ。それから、生演奏でレコーディングしたらどうかって提案したんだよ。
マーティン・ダフィーとダリン・ムーニーと一緒に。ジョン・レノンの曲みたいなピアノが入れたかったんだよね。(「マザー」を歌う)とかね。「ジェラス・ガイ」とか(「ジェラス・ガイ」を歌う)、そんな感じ。アメリカのブラック・ソウル・ミュージックみたいな感じにしたかった。オーティス・レディングとかね。クラフトワークより、ジョン・レノンみたいな曲にしたかったんだ。
──タイトルの『ユートピアン・アッシェズ』はこれ以上ないほど合ったタイトルだと思いますが、どこから生まれたのでしょうか?
僕の頭の中から生まれたのさ。アルバムのサウンドとコンセプトを詩的に表現できるタイトルはないかなって考えてて。それでいて、抽象的で聴き手に考える余白を与えるようなものにしたくてね。
──プライマルとしては『カオスモシス』以来となる新作を期待したいところですが、いかがでしょうか?
はっきりとしたことはまだ言えないんだけど、『スクリーマデリカ』をなんらかの形で再発することになりそうだよ。ちょうど今年で発売30周年を迎えるからね。それに、ライヴ・アルバムも出る予定。2015年にオースティンで開催されたサイケデリックのフェスティバル、LEVITSTIONに出演したんだけど、その時の音源がライヴ・アルバムとしてリリースされるみたいだね。
インタヴュー / 油納将志(British Culture in Japan) 通訳 / 長谷川友美
ボビー・ギレスピー&ジェニー・ベス
『ユートピアン・アッシェズ』
- レーベル:
- ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
- 発売日:
- Now on Sale
TRACK LIST
- 1.
- チェイス・イット・ダウン
- 2.
- イングリッシュ・タウン
- 3.
- リメンバー・ウィ・ワー・ラヴァーズ
- 4.
- ユア・ハート・ウィル・オールウェイズ・ビー・ブロークン
- 5.
- ストーンズ・オブ・サイレンス
- 6.
- ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ
- 7.
- セルフ・クラウンド・キング・オブ・ナッシングネス / ユー・キャン・トラスト・ミー・ナウ
- 8.
- リヴィング・ア・ライ
- 9.
- サンク・イン・レヴァリィ
Link
https://www.sonymusic.co.jp/artist/bobbygillespie_jehnnybeth/
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