チャールズ3世国王陛下の母校ゴードンストウン校、和歌山市で日本校開設!全寮制で700人規模

チャールズ3世国王陛下の母校ゴードンストウン校、和歌山市で日本校開設!全寮制で700人規模

スコットランドの名門パブリック・スクール「ゴードンストウン校」の姉妹校が、2027年9月に和歌山市で開校することが決定しました。チャールズ3世国王陛下の母校として知られる同校の日本進出は初めてで、全寮制で約700人の生徒を受け入れる予定です。



ゴードンストウン校の歴史と王室との深い関係

ゴードンストウン校は1934年にドイツ系ユダヤ人教育者クルト・ハーンによって、スコットランド北部に設立された全寮制のパブリック・スクールです。創設以来90年間、英国王室との深いつながりを築いており、国王陛下の父、エディンバラ公フィリップ王配殿下をはじめ、国王陛下、ヨーク公爵アンドルー殿下、エエディンバラ公爵エドワード殿下ほか、多くの王室メンバーが学ばれた名門校として知られています。

同校の校訓は「Plus est en vous(汝の内にもっとある)」で、生徒の潜在能力を最大限に引き出す全人教育を実践しています。現在、35か国以上から生徒が集まる国際色豊かな環境で、約800人の生徒が学んでいます。

創設者のクルト・ハーンは、この教育理念をもとに後に「アウトワード・バウンド」や「エディンバラ公賞」を提唱した人物としても有名です。

英国王室との特別な関係性

国王陛下は現在、ゴードンストウン校のパトロン(支援者)を務められており、同校と王室の関係は現在も継続しています。王室メンバーの多くが在籍されたことから「ロイヤルスクール」として定義されることもあります。


和歌山市選定の理由と立地の優位性

日本校「ゴードンストウン・スクール日本校(仮称)」は、和歌山市梅原地区の約15ヘクタールのエリアに建設されます。開発地は南海電鉄和歌山大学前駅の西方約500メートルに位置し、旧ノーリツ鋼機センタービルをリノベーションして校舎とし、周辺にグラウンドや寮を整備する予定です。

マリンスポーツに最適な環境

和歌山市が選ばれた理由のひとつは、ゴードンストウン校が重視するセーリング(ヨット)教育に最適な環境があることです。日本校では全生徒必修科目として沿岸でのヨット体験を課しており、希望者には大型帆船による遠洋航海も用意されています。

和歌山市には一大マリンスポーツ拠点である「和歌山マリーナシティ」があり、セーリング教育の実践に好適な環境が整っています。

安全性と利便性を兼ね備えた立地

開発地は標高約110メートルの高台にあり津波の心配がなく、学校周辺は山林に囲まれており広大なグラウンドを確保。また、関西国際空港からほど近い立地で、国際的な生徒や保護者の往来に便利であることも選定理由として挙げられています。


4者協定による官民連携体制

2025年8月6日(火)、学校法人OCC、サンヨーホームズ、南海電気鉄道、和歌山市の4者が、ゴードンストウン校日本校開設に関する協定を締結しました。

各者の役割分担は以下の通りです:

  • 学校法人OCC:日本校の運営を担当
  • サンヨーホームズ:開発地の保有者として整備を担当
  • 南海電気鉄道:最寄り駅を持つ交通インフラ面での支援
  • 和歌山市:立地自治体として各種支援

南海電鉄の遠北光彦代表取締役会長は調印式で「学校が設立されれば街が変化する。教育だけでなく街の活性化につながる開発を実現したい」と述べ、地域活性化への期待を示しました。


英国式全人教育の導入と教育内容

ゴードンストウン校は学業の枠を超えた全人教育を強調しており、卒業生の進路はオックスフォードやケンブリッジ、MIT(マサチューセッツ工科大学)など名門大学への進学が大半となっています。ただし、進学者数を競うような文化はないとされています。

国際的な教育資格への対応

日本校では英国ゴードンストウン校の教育内容を基本とし、日本の教育の長所も取り入れていく予定。具体的には、GCSEやA-Levelといった英国の主要な資格や、国際バカロレアなど国内外の大学進学も視野に入れた教育を実施します。

教育の独自性を担保する観点から、いわゆる1条校とはせず、フリースクールなどと同じ各種学校の扱いとなる予定です。

実践的な体験学習の重視

日本校の教育プログラムには、セイルトレーニング、キャンプ遠征、社会奉仕活動など実践的な体験学習が組み込まれています。これらの活動を通じて、生徒のリーダーシップやチームワークを育成することを目指しています。


開校計画と今後のスケジュール

「ゴードンストウン・スクール日本校(仮称)」は2027年9月の開校を予定。開校後は低い学年から徐々に生徒を受け入れ、最終的に生徒約700人、教職員約200人の規模を想定しています。

段階的な開校計画

開校当初は小学6年から中学3年までの学年でスタートし、その後高校3年まで拡大していく予定。7学年の全寮制として運営され、国際色豊かな教育環境を提供します。

募集要項の公開は2025年秋頃を予定しており、詳細な入学条件や学費等の情報は今後発表される見込みです。

海外展開戦略の一環

ゴードンストウン校の海外進出は日本が初めてではなく、2026年9月にはアブダビにも開設予定です。アジア圏に広がったパブリックスクール教育への関心を背景に、グローバル展開を進めています。


日本の国際教育に与える影響と期待

和歌山市の尾花正啓市長は調印式で「市の国際教育において新しい転換点となる。海外で活動する人材を輩出し、地域との交流を通じて多様な価値観を学べる効果が大きい」と期待感を表明しました。

英国の名門パブリックスクールの日本進出は、国内の国際教育市場に大きな影響を与えると予想されます。特に、全寮制による徹底した英国式教育の実践は、日本の教育界に新たな選択肢を提供することになることでしょう。

また、3かカ国以上から生徒が集まる国際的な環境は、和歌山市の国際化促進にも寄与すると期待されています。

 

Link

https://www.occ.ed.jp/

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