キュナード・ラインの新造船「クイーン・アン」が初航海へ出発｜ラグジュアリーの伝統と現代性を融合

2024年5月3日、英国のラグジュアリー・クルーズ・ライン「キュナード・ライン」から、新たなクルーズ船「クイーン・アン」がデビューしました。サウサンプトン市民と花火に見送られながら、その初航海に出発したこの船は、英国のクルーズ文化に新しい風を吹き込むことでしょう。

クイーン・アンの誕生

クイーン・アン

5月3日の出港時の様子

キュナード・ラインの新しい客船であるクイーン・アンは、249隻目の船として、夜空を彩る花火と共にサウサンプトンから7泊8日のデビュークルーズへと出港しました。何千人もの市民が集まり、新たな船旅の始まりを祝いました。

クイーン・アンのデビュークルーズ（H411N）の詳細は以下の通りです。

5月3日サウサンプトンを出港

5月4日終日航海日（終日洋上）

5月5日ラ・コルーニャ（スペイン）

5月6日終日航海日（終日洋上）

5月7日リスボン（ポルトガル）

5月8日終日航海日（終日洋上）

5月9日終日航海日（終日洋上）

5月10日サウサンプトンへ帰港

名称の由来

クイーン・アンの名は、キュナードが長年にわたって築いてきた豊かな伝統と王室との深いつながりを讃えるために選ばれました。これにより、過去1000年にわたる女王の名を冠した船が4隻揃うこととなります。

キュナード史上初の女性船長

キュナード史上初の女性船長、インガー・クレイン・トーハウガが、クイーン・アンの処女航海を含む最初のシーズンを指揮。トーハウガは、キュナード入社25年を迎える記念の年に、この重要な役割を担います。

造船所の技術力

クイーン・アン

ヴェネチアのフィンカンティエリ・マルゲーラ造船所で建造中の『クイーン・アン』提供 : キュナード・ライン

イタリアのフィンカンティエリ・マルゲーラ造船所によって建造されたクイーン・アンは、キュナードのクイーン・ヴィクトリア（2007年就航）とクイーン・エリザベス（2010年就航）に続く、優れた造船技術の結晶です。

全長	323m
総トン数	113,000トン
全高	64m（海上からの高さ）
全幅	35.6m
乗客定員	2,996人
乗組員数	1,225人
喫水	8.12m
最大速度	22ノット（時速 40.7km）

デザインの革新

「クイーン・アン」グランド・ロビー

グランド・ロビー

クイーン・アンのデザインは、キュナードの歴史にインスパイアされつつ、新しいヴィジョンを持って創り出され、キュナードの象徴的な船内空間を一新。ラグジュアリーの伝統と現代性を融合させ、新しいクルーズ体験を提供します。

「クイーン・アン」ブリタニア・レストラン

ブリタニア・レストラン

ダイニング、カルチャー、エンターテイメントなどに新しい体験を導入し、キュナードが誇るホワイトスター・サービスと共に比類ないクルーズの旅を提供します。ラグジュアリーの“伝統”と“現代”の架け橋となるクイーン・アンは、過去と現在の影響力のあるデザイン様式を取り入れた、キュナードの新たな装いを提案。世界的に著名なデザイナーとの協業により、新しい船旅のスタイルで、特別感があり、細部まで心をこめたデザインを実現しました。内装は、時代を超えて受け継がれたキュナードの洗練された雰囲気をまといつつ、大胆な色調で、印象的な美しさを表現しています。

「クイーン・アン」ゴールデン・ライオン

ゴールデン・ライオン

クイーン・アンのデザインチームは、リヴァプール大学が所蔵するキュナードのアーカイヴから、設計図、素材、ファブリック、パターン、テクスチャーに関する豊富な歴史的資料や詳細を入手。過去のポスターや広告、カタログの表紙、キュナードの初期の装飾が施された船の図面など、あらゆるものを参考にし、洋上で体験できる最高のホスピタリティーにふさわしいコンセプトを実現しました。

クイーン・アン「ザ・パビリオン」

キュナードの歴史と未来

クイーン・アン

キュナードは、いつまでも心に残る体験を提供することで知られている、英国のラグジュアリー・クルーズ・ラインです。1840年の創業以来、客船運航のリーディング・カンパニーとして184年の歴史を誇ります。キュナードの体験は、洗練された食事、厳選されたエンターテイメント、そして卓越したホワイトスター・サービスによって成り立っています。ミシュラン2つ星シェフとのパートナーシップ、ゲスト・スピーカーによる講演、世界的な演劇作品など細部に至るまで、乗客にいつまでも心に残る体験をできるよう、きめ細やかなサービスを提供しています。大西洋横断と世界一周クルーズのパイオニアであるキュナードは、ヨーロッパ、カリブ海、アラスカ、アジア、オーストラリアなどにも就航しています。

キュナードは現在、「クイーン・メリー2」、「クイーン・エリザベス」、「クイーン・ヴィクトリア」、そして2024年5月に就航した新造船の「クイーン・アン」の4隻を運航中。今回の投資はキュナードの将来を見据えた世界戦略の一環であり、キュナードが4隻の船を同時に就航させるのは1999年以来となります。