- Food
ローザンベリー多和田のイングリッシュガーデン:滋賀で楽しむ本格英国式庭園の魅力
滋賀県米原市に広がる『ローザンベリー多和田』は、約400種類のバラと宿根草が織りなす美しい「イングリッシュガーデン」や「ひつじのショーン ファームガーデン」を中心とした複合型観光施設です。四季折々の花々、体験アクティビティ、そして心癒される自然の中で、忘れられない思い出を作りませんか。この記事では『ローザンベリー多和田』を象徴する「イングリッシュガーデン」をご紹介します。
『ローザンベリー多和田』の成り立ち
『ローザンベリー多和田』の物語は、2003年秋に始まりました。元々この場所はコンクリート工場の採掘跡地で、見渡す限り雑草に覆われていました。「いつか自分の庭を造りたい」という長年の夢を抱いていた専業主婦の大澤惠理子さんが、この地との出会い、庭づくりを始めました。
大澤さんは、背丈ほどもある雑草やコンクリートのように固い土に悩まされながらも、8年の歳月をかけて庭を完成させました。その過程で、自然からたくさんのことを学び、共存する意味を知ったといいます。
7つのガーデンが完成し、2011年9月にグランドオープン。そして、2022年には20年間の想いが込められた現在の姿となりました。元々あった木々や植物を大切に残し、周りの環境や植物との調和にこだわりながら、イギリス製アンティークレンガやロートアイアンなどをガーデンのオブジェに使うなど、風景をより美しく見せる工夫が随所に施されています。
イングリッシュガーデンの歴史と特徴とは?
イングリッシュガーデンは、18世紀初頭にフランス式庭園への反発から生まれた庭園様式で、自然の景観美を重視したデザインが特徴です。以下にその歴史と特徴を詳しく説明します。
歴史
起源と背景 : 17世紀後半、フランス式庭園がイギリスでも流行しましたが、その人工的な整形美に対する嫌悪感が広まりました。この反発から、自然の美しさを取り入れたイングリッシュガーデンが18世紀初頭に誕生しました。
影響を受けた芸術 : イングリッシュガーデンのデザインには、クロード・ロランやサルヴァトール・ローザといった画家の風景画が影響を与えました。これらの絵画は、理想的な自然風景を描き出し、貴族たちがその世界観を現実の庭園に求めるようになりました。
発展と普及 : 18世紀を通じて、イングリッシュガーデンはイギリス国内外でも広まりました。特に貴族階級の間で人気を博し、広大な土地を持つ邸宅で採用されました。
特徴
自然風景の再現 : イングリッシュガーデンは「風景式庭園」とも呼ばれ、湖や川などの自然要素を取り入れたデザインが特徴です。人工的な整形を避け、不規則で曲線的な配置を重視します。
ハハーの導入 : 庭園と外界の境界を曖昧にするために「ハハー」と呼ばれる空堀が用いられます。これにより、視覚的に庭が無限に続くような錯覚を生み出します。
植物選び : バラやラベンダーなど、多年草やハーブ類が多く植えられます。これらは自然な美しさを引き立てるために選ばれています。
イングリッシュガーデンは、その自然美と歴史的背景から、現在でも多くの人々に愛されています。特にバラはイギリスの国花として重要な位置を占めており、庭園内でよく見られる植物です。
『ローザンベリー多和田』のイングリッシュガーデンの概要
『ローザンベリー多和田』の中心的な魅力は、1.6ヘクタールに及ぶ広大なイングリッシュガーデンです。約400種類のバラと宿根草が植えられており、四季を通じて様々な風景を楽しむことができます。また、丘のエリアには妖精の家やホビットハウスが点在する「妖精と暮らす村 フェアリーガーデン」もあります。
バラと宿根草の庭
「バラと宿根草の庭」は、イギリスのイングリッシュガーデンをモチーフにしたエリアで、約60種、180株の美しいバラが植栽されています。この庭は、周囲の自然環境を活かし、既成の形にとらわれない独自のデザインが特徴です。四季折々の美しい風景が楽しめ、訪れる人々に癒しを与えています。小鳥のさえずりや風の音、花の香りを感じながら、ゆったりと散策することができます。
妖精と暮らす村 フェアリーガーデン
「妖精と暮らす村 フェアリーガーデン」は、子供たちやファミリーに人気の家族向けアクティビティエリアです。このエリアでは、妖精や小人たちの世界をテーマにした小道やオブジェが点在し、まるで絵本の中に迷い込んだような感覚を楽しむことができます。自然の中に溶け込むように設計されたフェアリーガーデンは、子供たちの想像力をかきたて、家族での楽しい思い出作りにぴったりのスポットです。
イングリッシュガーデン – 季節ごとの見どころ
イングリッシュガーデンの魅力は、季節によって変化する景色にあります。『ローザンベリー多和田』のガーデンでは、四季折々の美しさを堪能することができます。
春の庭園
春のイングリッシュガーデンは、新しい生命の息吹を感じさせる季節です。
パンジービオラフェスティバル(3月)
写真提供 : ローザンベリー多和田
12~3月には、色とりどりのパンジーとビオラが庭園を彩ります。2024年3月に4年ぶりに開催された育種ビオラの展示イベント「パンジービオラフェスティバル」では、過去最大規模約5,000株ものパンジーとビオラが咲き誇り、春の訪れを告げました。
バラの開花(5月中旬〜6月上旬)
写真提供 : ローザンベリー多和田
5月中旬から6月上旬にかけては、約400種類800株以上のバラが見頃を迎えます。色とりどりのバラが咲き誇る様子は圧巻で、多くの来園者を魅了します。
夏の庭園
夏のイングリッシュガーデンは、生命力あふれる緑と鮮やかな花々が特徴です。
夏の花々
2番花、3番花のバラに加えて、ノリウツギやエキナセアなど、夏を代表する花々が咲き誇ります。緑豊かな景色の中に、色鮮やかな花々が映える様子は、夏ならではの魅力です。
夏野菜などの収穫体験
夏季には、園内で育てた夏野菜などの収穫体験を楽しむことができます。
秋の庭園
秋のイングリッシュガーデンは、実りの季節ならではの魅力にあふれています。
秋の花々
グラス類やアスターなど、秋を代表する花々が庭園を彩ります。また、紅葉する樹木も見られ、秋ならではの風景を楽しむことができます。
ぶどうの摘み取り体験
初秋には、園内で育てたぶどうの摘み取り体験を楽しむことができます。
ローザンハロウィン(9月、10月)
9月から10月にかけては、ハロウィンをテーマにしたイベント「ローザンハロウィン」が開催されます。
冬の庭園
冬のイングリッシュガーデンは、静寂と光の魅力にあふれています。
冬の花々
雪のように純白の可愛らしい花を咲かせるスノードロップや、様々な品種のクリスマスローズなど、寒さに負けず雪景色と共に咲く花々を目にすることができます。
光り輝くナイトイベント
写真提供 : ローザンベリー多和田
秋冬には、光で遊ぶ体験空間が広がり、マナーハウスからフェアリーガーデンが光の世界に包まれます。この季節だけの特別な夜の景色を楽しめます。
実際に訪れてみて
『ローザンベリー多和田』のイングリッシュガーデンは、四季折々の美しさと癒しの空間を提供する魅力的な観光スポットです。約400種類のバラと宿根草が織りなす美しい景色、季節ごとのイベント、そして様々な体験アクティビティを通じて、自然の魅力を存分に楽しむことができます。
2024年8月の終わりに実際に訪れて感じたのは、2024年8月の終わりに実際に訪れて感じたのは、オーナーの大澤さんが抱く一点の曇りのないイングリッシュガーデンへの愛。
“イングリッシュガーデン風”な庭園は日本でよく見受けられますが、『ローザンベリー多和田』のイングリッシュガーデンは人の手を加えすぎない自然を活かした造園によって、英国から移築したのかと思うほどの佇まいを見せます。
特に英国の伝統的な石積みのドライストーンウォーリングが見られる小径の風景は、まるで突然、英国の田舎に迷い込んだような錯覚をおぼえました。
四季それぞれの魅力があるので、何度訪れても新しい発見と感動があることでしょう。
家族連れやカップル、花や園芸愛好家など、幅広い層の方々に楽しんでいただける場所です。滋賀県を訪れる際は、ぜひ『ローザンベリー多和田』のイングリッシュガーデンに立ち寄り、美しい自然と心地よい時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
次回の記事では英国の美味しさがたっぷり詰まった『ローザンベリー多和田』の“食”についてお伝えします。お楽しみに!
施設情報
- 所在地
- 滋賀県米原市多和田605-10
- 営業時間
- 10時〜17時(冬季は16時まで)
- 休園日
- 毎週火曜日(祝日の場合は営業)、年末年始
- 入園料
- 大人1,900円、小人(4歳以上)1,000円、3歳以下無料 ※シーズンにより料金変動あり
- アクセス
- JR米原駅から路線バス「米原多和田線」で約30分 / 北陸自動車道 米原ICから約10分
Link
Sponsered Link
Sponsered Link
Recommends
合わせて読みたい
Sponsered Link
Sponsered Link
Ranking
注目の記事ランキング
- Food
- Food
- Home
- Travel