ロンドン地下鉄、2025年3月から運賃4.6%値上げ – バス・トラムは据え置き

ロンドン市長のサディク・カーンは、2025年3月2日から地下鉄と鉄道の運賃を平均4.6%値上げすると発表しました。一方、バスとトラムの運賃は6年連続で据え置かれます。この決定により、ロンドンの通勤者や観光客の移動コストに大きな影響が予想されます。

運賃改定の詳細と影響

地下鉄・鉄道の運賃変更

エリザベス線

2025年3月2日から実施される運賃改定では、地下鉄、DLR、ロンドン・オーバーグラウンド、エリザベス線、およびロンドン内の国鉄サービスの運賃が平均4.6%上昇します。具体的な変更点は以下の通りです：

– ゾーン1内の単一乗車運賃：10ペンス上昇し、2.90ポンドに
– ゾーン1-2内の1日の上限額：40ペンス上昇し、8.90ポンドに
– ゾーン1-3間の1日の上限額：50ペンス上昇し、10.50ポンドに

これらの変更により、日々の通勤コストが増加し、ロンドン市民や観光客の家計に影響を与える可能性があります。

バス・トラム運賃の据え置き

ロンドンバス

一方で、バスとトラムの運賃は2016年以来6年連続で据え置かれます。これにより、1時間以内の乗り放題運賃は1.75ポンドのままとなります。この決定は、公共交通機関に依存する人々にとって朗報となるでしょう。

運賃改定の背景と目的

政府の要請と財源確保

サディク・カーン市長は、この運賃改定が政府の要請に基づくものであると説明しています。国の予算に関連して、将来の重要な交通プロジェクトのための国からの資金を確保するためには、ロンドン交通局（TfL）の地下鉄と鉄道の運賃を全国の鉄道運賃の値上げに合わせる必要があるとのことです。

交通インフラ整備への投資

値上げによって得られる追加収入は、TfLのサービス改善に再投資される予定です。カーン市長は、この資金が「スーパーループ2」や地下鉄ネットワークのさらなる改良など、将来の重要なプロジェクトを進めるために不可欠だと強調しています。

利用者への影響と対策

通勤者と観光客への影響

この運賃改定により、ロンドンの通勤者や観光客の移動コストが増加することは避けられません。特に、地下鉄を頻繁に利用する人々にとっては、年間の交通費が大幅に増加する可能性があります。

割引制度と対策

TfLは、運賃上昇の影響を緩和するためのいくつかの対策を講じています：

– 日次・週次の上限額の継続
– ホッパー運賃の維持（最初にバスに乗車してから1時間以内であれば、追加料金なしで別のバスに乗り換え可能）
– 各種割引制度の継続（Zipオイスターフォトカード、18+学生オイスターフォトカード、18-25歳のケアリーバーオイスターフォトカード、60+ロンドンオイスターフォトカードなど）

これらの施策により、利用者は可能な限り低コストで公共交通機関を利用できるよう配慮されています。

2025年3月からのロンドン地下鉄運賃の値上げは、多くの市民や観光客に影響を与える重要な変更です。一方で、バスとトラムの運賃据え置きや各種割引制度の継続により、その影響を最小限に抑える努力もなされています。この運賃改定が、ロンドンの公共交通機関の持続可能な発展と、利用者の利便性向上にどのようにつながるか、今後の展開に注目が集まります。