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英国でGPS追跡型デジタル鉄道チケット実験開始!スマホアプリで最適料金を自動適用
英国政府が推進する革新的な鉄道チケット技術の実証実験が2025年9月1日(日)から開始されました。GPS技術を活用したスマートフォンアプリでチェックイン・アウトを行い、1日の最適料金を自動適用する画期的なシステムです。イースト・ミッドランズ鉄道とノーザン鉄道で最大4,000人が参加可能で、従来の紙チケットやQRコードチケットに代わる次世代技術として注目されています。
イースト・ミッドランズ鉄道で先行実施開始
2025年9月1日(日)から、イースト・ミッドランズ鉄道(East Midlands Railway)でデジタル・ペイ・アズ・ユー・ゴー(DPAYG)システムの実証実験が開始されました。対象路線はレスター、ダービー、ノッティンガム間で、最大1,000人の参加者が新しいチケットシステムを体験できます。
このシステムでは、専用スマートフォンアプリを使用してGPS(全地球測位システム)技術により乗客の移動を追跡し、1日の終わりに自動的に最適な料金を計算して請求します。改札通過時や検札の際は、アプリ内に表示される固有のバーコードをスキャンするだけで済みます。
イースト・ミッドランズ鉄道の商業戦略・事業計画責任者オリ・コックス氏は「複雑な運賃体系が鉄道利用の障壁となっていることを認識しています。この実験により、スマートフォンで簡単にタップイン・アウトするだけで、常に最適な運賃が適用される確実性を提供します」と説明しています。
9月末からヨークシャー地域でも展開

9月末からは、ノーザン鉄道(Northern Trains)のサービスでも同様の実験が開始される予定です。対象路線はハロゲート、リーズ、シェフィールド、ドンカスター、バーンズリー間で、さらに多くの乗客が新技術を体験できるようになります。
ノーザン鉄道ではすでにモバイルチケットの利用が進んでおり、2025年1月の統計では平均78%のモバイルチケット利用率を記録し、1日最高89%に達した日もありました。前年6月からの12か月間で、従来のオレンジ色の磁気ストライプチケットが230万枚削減されたと報告しています。
ノーザン鉄道の商業・顧客担当ディレクター、アレックス・ホーンビー氏は「これらの実験は鉄道旅行の簡素化と、お客様の体験を可能な限りスムーズにするための重要な一歩です」とコメントしています。
政府による約100万ポンドの資金支援
英国政府は今回の実証実験に約100万ポンド(約1億8,000万円)の資金を提供しており、鉄道システム近代化への強いコミットメントを示しています。この技術はスイス、デンマーク、スコットランドですでに実証されていますが、イングランドでは今回が初の試験導入となります。
従来システムからの大幅な利便性向上
新しいデジタルチケットシステムは、従来の紙チケットやオンラインで事前購入するQRコードモバイルチケットを不要にします。最も重要な利点は、事前の旅程計画や予約が不要になることです。
- GPS技術による自動位置検出
- 1日の最適運賃の自動適用
- 改札での簡単バーコードスキャン
- 事前予約不要の柔軟な旅行
- 紙チケット印刷の不要
システムは乗客がいつ鉄道ネットワークを離れたかを検出し、利用した列車を特定して適切な運賃を計算します。これにより、複雑な運賃体系に悩まされることなく、常に最安値での利用が保証されます。
海外での成功事例と技術的信頼性
この技術はすでにスイス、デンマーク、スコットランドで広範囲にテストされており、技術的信頼性が実証されています。特にスイスでは国土全体でシステムが稼働し、利用者の高い満足度を得ています。
英国政府の鉄道近代化戦略
鉄道大臣のピーター・ヘンディ卿は「鉄道チケットシステムは非常に複雑で、21世紀にふさわしいアップグレードが長年遅れています。これらの実験により、まさにその実現に取り組み、チケット購入をより便利で、アクセスしやすく、柔軟にしています」と述べています。
政府の「変革計画(Plan for Change)」の一環として、この取り組みは国内全域での成長促進と、何千もの旅程での時間と費用節約を通じて生活水準の向上を目指しています。乗客体験を意思決定の中心に据えることで、運賃とチケット販売の近代化を進め、鉄道選択をより簡単で魅力的なものにする狙いがあります。
イースト・ミッドランズ市長の積極的支援
イースト・ミッドランズ市長のクレア・ワード氏は「市長に立候補した時から、地域全体で統合されたタップオン・オフチケット技術の導入が私の目標でした」とし、2026年に完全な公共交通権限が移譲される予定の中、この試験の成果を踏まえた将来的な協力に期待を示しています。
英国鉄道業界の新時代到来を予感させる画期的実験
今回の実証実験は、英国の鉄道業界における大きな転換点となる可能性があります。最大4,000人の参加者による9か月間の試験期間を通じて収集されるデータと利用者フィードバックは、将来的な全国展開の重要な判断材料となります。
GPS技術とスマートフォンアプリを活用したこの革新的システムは、複雑な運賃体系の簡素化、利用者の利便性向上、そして鉄道利用促進という3つの重要な目標を同時に達成する可能性を秘めています。
イースト・ミッドランズ鉄道ではすでに500人以上が試験参加に興味を示しており、新技術への期待の高さが伺えます。参加希望者は各鉄道事業者のウェブサイトから登録が可能です。
このシステムが成功すれば、日本を含む世界各国の鉄道事業者にとって重要な参考事例となり、公共交通機関のデジタル化における新たな標準となる可能性があります。
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