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ロンドンに無人タクシー、2026年にWaymoとBaiduが相次ぎ参入
ロンドンが2026年、世界の自動運転タクシー開発における主要な試験場となります。Alphabet傘下のWaymo(ウェイモ)は4月から20区で試験運行を開始し年内の商用サービス開始を目指し、UberとLyftは中国のBaidu(バイドゥ)と提携して専用設計の電動自動運転車両による試験運行を前半に開始する計画を明らかにしました。
Waymoが4月に試験開始、年内商用化を計画

Googleの親会社Alphabet傘下のWaymoは2025年10月、ロンドンで完全自動運転のライドヘイリングサービスを2026年に開始する計画を発表しました。2026年1月29日にはWaymo英国・欧州政策責任者のベン・ローウェンシュタイン氏が、4月頃にパイロット試験を開始し、2026年第4四半期(10月から12月)に完全な商用サービスの開始を目指していることを明らかにしました。運転席に人間がいない状態での商用サービス提供は英国初の試みとなります。
Waymoは車両パートナーのMooveと協力し、ジャガーランドローバーの全電動I-PACEに自動運転システムを搭載した車両を使用。米国ではすでに1億マイル以上を完全自動運転で走行し、1000万回以上の有料乗車を提供した実績があり、現在は毎週数十万回の完全自動運転による乗車サービスを提供しています。
Waymo共同最高経営責任者のテケドラ・マワカナ氏は「Waymoの信頼性、安全性、魔法のような体験をロンドンの人々にお届けできることを嬉しく思います。私たちは運営地域で道路をより安全にし、交通手段をよりアクセスしやすくしています」と述べています。
サービス対象エリアは20区
Waymoは2025年12月、ロンドンの19区とシティ・オブ・ロンドンの計20エリアをサービス対象区域として発表しました。現在24台の車両が人間の運転手付きでマッピング作業を実施中で、西ロンドンに充電・メンテナンス拠点があるため西側のエリアで頻繁に目撃されています。
| 地域 | 対象区 |
|---|---|
| 中心部・西部 | ウェストミンスター、シティ・オブ・ロンドン、ケンジントン&チェルシー、ハマースミス&フラム、ブレント、イーリング、カムデン、イズリントン |
| 東部 | バーキング&ダゲナム、ニューアム、レッドブリッジ、タワーハムレッツ、ハックニー、ウォルサム・フォレスト |
| 南部 | グリニッジ、ルイシャム、サザーク、ランベス、ワンズワース |
ローンチ時には空港送迎サービスは含まれません。パイロット試験段階での具体的な対象利用者は公表されていませんが、米国での展開パターンから事前登録した限定ユーザーや招待制で段階的に拡大する可能性があります。商用サービス開始後は、Waymoアプリを通じて誰でも予約可能となり、料金はプレミアム価格帯で設定され、混雑時にはサージプライシングが適用される見込みです。
UberとLyftがBaiduと提携し前半に試験開始
Exciting news for the UK: we're teaming up with @Baidu_Inc's Apollo Go to pilot autonomous vehicles in London! Testing is expected to start in the first half of 2026, under the UK’s frontier plan to begin trials for self-driving vehicles. We’re excited to accelerate Britain's… pic.twitter.com/5LJZDDSRrd
— Uber (@Uber) December 22, 2025
米国の配車サービス大手UberとLyftは2025年12月21日(月)、中国のテクノロジー企業Baiduと提携し、2026年前半にロンドンで完全自動運転タクシーの試験運行を開始すると発表しました。Waymoとは異なり、この段階はあくまで試験運行(パイロット)であり、商用サービス開始の時期は明らかにされていません。規制当局の承認を条件に、数十台のApollo Go RT6車両でテストを開始し、その後数百台規模に拡大する計画です。
RT6はライドヘイリング専用に設計された完全電動車両で、Waymoが使用する市販車改造型のジャガーI-PACEとは異なり、最初から運転者なしでの運行を前提に開発されました。車内空間、安全性、都市環境での効率性を最大化するレイアウトと技術スタックを備えています。
Baiduは英国と欧州ではほとんど知られていませんが、世界最大の自動運転車両運営企業を自称し、世界22都市で累計1700万回以上の乗車を完了しています。自動運転システムは合計2億4,000万km以上を走行し、そのうち1億4,000万kmは完全無人モードで運行されました。現在は毎週25万回以上の自動運転による乗車を提供しており、これは2025年4月時点でWaymoが報告した数字と同水準です。
Lyftは2025年にライドシェア企業Freenowの買収を通じて英国市場に参入したばかりで、自動運転車両と人間の運転車両を組み合わせた「ハイブリッドネットワーク」として運営する方針を示しています。試験段階では限られた利用者のみがアクセスできる形式となる見込みです。
ロンドンが欧州の自動運転技術の試験場に

ロンドンは2026年、米国と中国の自動運転タクシー大手企業による同時試験が欧州の首都で初めて実施される場となります。英国ベースのAI企業Wayveも、Uberとの提携とソフトバンクグループ主導の約10億ドル(約750億円)の投資を受け、2026年に無人運転の試験を開始する準備を進めています。Wayveは地図に依存しないAI技術をロンドンの複雑な道路で試験する計画です。
これらの企業がロンドンを選んだ背景には、2024年の自動運転車両法により確立された法的枠組みがあります。この法律により、事故が発生した場合の法的責任は車内の乗客ではなく「認定自動運転事業者」に移行し、企業が責任を負う明確な制度が整備されました。
米国や現代的な中国の都市に多い格子状の道路レイアウトと比較して、ロンドンの狭く複雑な道路は自動運転技術にとってより困難な環境を提供します。各社はこの環境で技術の実用性を証明しようとしています。
安全性向上とアクセシビリティへの期待
Waymoのデータによると、同社の自動運転車両は人間の運転と比較して負傷を伴う衝突事故が5分の1、歩行者との負傷事故が12分の1という安全性を示しています。ロンドンは道路での死傷者数を削減する野心的な目標を掲げており、自動運転技術はその達成に貢献する可能性があります。
英国道路安全協会(Road Safety GB)のエグゼクティブディレクター、ジェームズ・ギブソン氏は「Waymoのような自動運転車両は、単純に人間の運転者が取り除かれるため、道路安全性を大幅に改善する可能性を持っています。データは、Waymoの車両が1億マイル以上の自動運転において人間の運転者と比較してはるかに安全に機能していることを示しています」と述べています。
英国王立盲人協会(RNIB)のインクルーシブデザイン責任者ロビン・スピンクス氏は「英国でのWaymoの導入計画は、盲人や視覚障害者にとって独立した移動手段の新時代の幕開けとなる可能性を表しています。生まれつき重度の視覚障害を持つ者として、技術が安全に自発的な自律移動を可能にする日を長く待ち望んできました」とコメントしています。
Waymoの商用化が2026年末に実現か

ハイディ・アレクサンダー運輸大臣は「Waymoが提案するパイロットスキームのもと、来年ロンドンでサービスを提供する意向を持っていることを嬉しく思います。自動運転車両分野の促進により、雇用、投資、機会を英国にもたらすとともに、アクセス可能な交通手段の選択肢が増加します」と述べ、政府としての支援姿勢を示しています。
各社の準備作業は既に進行中で、ロンドン交通局、規制当局、地域コミュニティとの調整が行われています。Waymoは4月の試験開始から年末の商用化まで約8か月の期間を設定しており、この間にロンドンの道路環境での安全性と信頼性を実証する必要があります。一方、Uber、Lyft、Baiduの試験運行は当面は限定的な規模にとどまり、商用化への明確なタイムラインは示されていません。
すべての自動運転車両の展開は規制当局の承認と綿密な監督の対象となり、特に初期のテスト段階では厳格な管理が予想されます。Waymoの試験が成功し規制上のハードルがクリアされれば、2026年末には英国初の完全無人による商用ライドヘイリングサービスが実現する可能性があります。特に短距離の都市内移動において首都圏での人々の移動方法が大きく変化する契機となるでしょう。
Text by British Culture in Japan編集部
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