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ポール・マッカートニー写真展「Rearview Mirror」ロンドンで開催―半世紀ぶり発見のザ・ビートルズ写真を展示・販売
ロンドンのガゴシアンギャラリーで8月28日(水)から、ポール・マッカートニーの写真展「Rearview Mirror: Liverpool–London–Paris」が開催。1963年末から1964年初頭にかけて、マッカートニー自身が撮影したザ・ビートルズの貴重な写真を展示し、世界的成功直前の未公開シーンが公開されます。
展覧会概要:半世紀ぶりに発見された貴重なネガが蘇る

Photographers fans and officers
ロンドンのメイフェアにあるガゴシアン・ギャラリーで8月28日(水)から10月4日(金)まで開催される「Rearview Mirror: Liverpool–London–Paris」は、ポール・マッカートニーが1963年12月から1964年2月初頭にかけて撮影した写真作品を展示します。これらの作品は、半世紀以上前に失われたと考えられていた原版ネガとコンタクトシートから新たにリマスターされた貴重な作品群となります。
マッカートニーが1963年後半に入手した35mmペンタックスカメラで撮影されたこれらの写真は、「ビートルマニア」という言葉が生まれた時期と重なります。当時のザ・ビートルズは、リヴァプールやハンブルクを超えて名声を広げ始めており、マッカートニーは主人公でありながら観察者という独特の視点から、バンドの歴史的瞬間を記録していました。
展示作品の特徴と芸術的価値

Dressing room at the Lewisham Odeon
展示される作品は単独のフレームとマルチイメージ作品で構成され、1960年代の文化的・社会的変革期における独特の視覚記録となっています。マッカートニー自身がデザインした特注フレームに収められ、すべての作品に彼の署名が入った限定版として販売されます。
「イエスタデイ」誕生の部屋から見る、未公開の歴史的瞬間

Self portrait in my room
展示の中でも特に注目されるのは、マッカートニーが当時の恋人ジェーン・アッシャーの家族宅の屋根裏部屋で撮影した謎めいたセルフポートレートです。この部屋は「イエスタデイ」のメロディが生まれた場所として知られており、鏡に映る姿を撮影したこの作品は、音楽史における重要な空間を記録しています。
また、ルイシャム・オデオン、ロンドン・パラディウム、フィンズベリー・パーク・アストリアでの舞台裏の雰囲気的なシーンも捉えられています。これらの写真からは、バンドの結束力とクールさが伝わってきます。
アメリカ進出直前の緊張感を捉えた貴重な記録
拡大されたコンタクトシートには、バンドがニューヨークへの大西洋横断飛行前の緊迫した瞬間を詳細に記録。これらの無防備な瞬間は、メンバーのひとりだけが記録できる親密さを持っており、ザ・ビートルズの世界的成功直前の生々しい感情を伝えています。
写真家としてのポール・マッカートニーの軌跡

John on the Champs Elysees
マッカートニーの写真への関心は10代の頃に始まりました。オブザーバー紙のスポーツ欄に掲載された写真や、弟マイケルが撮影した写真に影響を受けたそうです。ドイツのハンブルク時代には、写真家のアストリッド・キルヒャーとユルゲン・フォルマーと親交を深め、ザ・ビートルズの独特なヴィジュアル・アイデンティティ形成に影響を与えました。
1960年代半ばには、インディカ・ブックス・アンド・ギャラリーの共同設立者ジョン・ダンバーやギャラリスト・ロバート・フレイザーを通じて英国のアヴァンギャルドに出会いました。フレイザーはマッカートニーをアンディ・ウォーホル、クラエス・オルデンバーグ、ピーター・ブレイク、リチャード・ハミルトンに紹介し、後にブレイクとハミルトンがザ・ビートルズのアルバム・カバーデザインを手がけることになりました。
アーティストとしての多面的な才能
1980年代初頭には、ウィレム・デ・クーニングとの議論に触発されて絵画を始め、2000年にはブリストルのアーノルフィニ・ギャラリー、2002年にはリヴァプールのウォーカー・アート・ギャラリーで作品を展示しています。
世界巡回展との関係:同じアーカイヴから異なるキュレーション

John backstage at the London Palladium
今回のガゴシアンでの展覧会は、2023年にロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーで始まった巡回展「Paul McCartney Photographs 1963-64: Eyes of the Storm」と密接な関係があります。両展覧会とも同じ時期(1963年12月〜1964年2月)にマッカートニーが撮影し、2020年に彼の個人アーカイヴで再発見された写真群を扱っていますが、同じアーカイヴからの異なる選択・キュレーションという関係にあります。
巡回展「Eyes of the Storm」が250点以上の写真でザ・ビートルズの広範な活動を紹介しているのに対し、今回の「Rearview Mirror」は厳選された36点で特定の地域(リヴァプール、ロンドン、パリ)での活動にフォーカスしています。現在、巡回展はサンフランシスコのデ・ヤング美術館で10月5日(日)まで開催中です。
世界規模での文化的影響
巡回展は2023年のバージニア州ノーフォークのクライスラー美術館を皮切りに、ニューヨークのブルックリン美術館、東京シティビュー、大阪のナレッジキャピタル・イベントラボ、ポートランド美術館を経て、2025-26年にはナッシュビルのフリスト美術館での展示が予定されています。今回のロンドン展は、今年初めにガゴシアン・ビバリーヒルズで行われたマッカートニーのデビュー展示に続くものでもあります。
ザ・ビートルズファンとアート愛好家にとって見逃せない機会

George Ringo and John backstage
「Rearview Mirror: Liverpool–London–Paris」は、ザ・ビートルズの音楽史における決定的な瞬間を、メンバー自身の視点から体験できる貴重な機会を提供します。1963年秋のヘッドライナーとしての初のUKツアー、記録的な2,300万人の視聴者を集めたBBCの「Juke Box Jury」出演、幅広い層にアピールした「The Beatles Christmas Show」、そして初期の試金石となったパリのオリンピア劇場での3週間の公演など、重要なイベントに関連した合間の瞬間が記録されています。
これらの写真は、単なる記録写真を超えて、1960年代の文化的変革期における独特の芸術作品としての価値も持っています。マッカートニーの率直で気取らない撮影スタイルは、バンドの親密な瞬間を捉え、ビートルマニアという社会現象の内側から見た貴重な証言となっています。
展覧会は8月28日(水)から10月4日(金)まで、ロンドンのデイヴィス・ストリート17-19番地のガゴシアンギャラリーで開催。入場無料で、開館時間は火曜日〜土曜日の10時〜18時となります。署名入りの限定版作品の購入機会も提供されており、コレクターにとっても見逃せない展示と言えるでしょう。
All photo: © Paul McCartney
Link
https://gagosian.com/exhibitions/2025/paul-mccartney/
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